ヴィラ・ロボス:ウイラプル

○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団?(DA:CD-R)1967/12/18live

アイヴズの4番の前プロだった模様。前衛的といっても、古いマニアには懐かしい、古いアンチは眉をひそめる、しかし現代の一般マニアには前時代的なくぐもりを含む前衛の響きやリズム構造よりも、更に時代を遡ったフランス系の香り、とくにミヨーの野心を灰汁抜きした、ストラヴィンスキーを換骨奪胎した、オネゲルをリスペクトした、ラテンの旋律(ぽいもの)、複リズム、新古典的な対位法が多用される、直感的に楽しい音楽と捉えられるものだろう。理知性で感情的なものを抑えようとしない、というのが中南米の作曲家特有の面白さである。何せ神話上の、象徴主義的な鳥を題としているのだから、具象的なものはあらわれないけれども、抽象性ばかりを強調することもできないのである。ビラロボは晦渋な作品も多く、これもそれが無いとは言えず演奏が娯楽的かつ色彩的に煽っている面も否定できないが、楽しい。精度もなかなかのものだが録音はDAにしてはまあまあという程度でホワイトノイズはちょっと耳障り。正規音盤としてはマーキュリーにドラティか何かのものがあったと思う。○。
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プロコフィエフ:交響曲第5番

ストコフスキ指揮モスクワ放送交響楽団(MEMORIES/Melodiya)1958/6LIVE・CD

MEMORIES盤を買ってみたので(山野のワゴンセールだと石丸より1000円安かった!)改めて聴きなおしてみる。クレンペラーのショスタコもそうだけど、聴き易く復刻されており、MELODIYA盤LP特有のノイズも(当時MELODIYAの想定していたレコード針と現代の一般市販品は違うというから当たり前なのだが)殆ど入らない。綺麗なリマスターである。だからこそ冷静に聴ける。

確かに集中力が高くなかなか白熱した演奏になっている。

ただ、ストコという指揮者のものなのだろうか。

これはストコがロシア側に引っ張られた結果の「集中力」ではないのか。

ムラヴィンスキーと錯覚するような速いテンポ、職人的なアンサンブル・・・「らしくない」。ストコ特有のデュナーミクやテンポの極端な変化は最小限に抑えられているようにも感じた。それであるがゆえに、「特異点」はひときわ人工的に聴こえる。雑然としたり薄くなったり厚くなったり不規則でアバウトな音響が時折耳につく、それはただ単にムラヴィンスキーもしくはコンドラシンのような芸風による「ソヴィエト式演奏」を劣化させただけのようにも思えてくる。ストコはもともとそのくらいのアバウトさと引き換えに「面白い演奏」を仕立てる指揮者だ。「面白い演奏」の部分がスポイルされてしまったらただ単にアバウトな演奏である。

このオケはムラがあり、その記録中では上位に置ける技術力が発揮されていると思う。

ただ、恐らくストコは十分に準備できない環境で、下振りもしくは常任がこの曲について教え込んだ素地の上にただ付け焼刃、といったところなのではないか。

ストコファンには興味深いものだろう。一般ファンでも古い録音やアバウトな演奏に慣れている向きは聴いて損はない。

しかしこの曲の演奏としては、決して名演ではない。

ムラヴィンスキーに似ている・・・と思った。もちろん、あくまで表面的な印象だが。

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アイハイム:日本の夜想曲

○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1971/4/18LIVE

若々しいなあ。戦前ごろまでの日本の印象を民謡旋律をいくつかまじえて描いた印象派ふう音詩だが、きわめて短い中にも透明な空気感、非常に清澄かつ豊かな色彩の煌めきを聴かせ、ストコらしさを示している。ややよれるがステレオ録音状態もままよい。○。

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マンシーニ:映画音楽「ピンク・パンサー」より二曲

○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1967/5/14病院慰問live

マンシーニの全てはアメリカ往年の名画の郷愁のうちにある。ピンク・パンサーは新しく70年代のイメージがあるがそれは量産体制に入ってのちのマンガ。ここでは有名なテーマこそ単体では聴けないが、近似する童謡を対位的に絡ませたマーチなどプロフェショナルなわざの刷り込まれた楽曲が、音楽家世代的にはマンシーニより半世紀遡る魁偉なストコフスキの手によって実に楽しげに強いリズムで表現されている。録音が極めて悪い恐らく聴衆録音だが、スピーカーなどのフィルターを通して雰囲気を愉しんで欲しい。他にもいろいろやっているがこのあたりの「アメリカ」を体言する曲が一番、楽しい。今の映画音楽のすべてはこのあたりの世代が作り上げたものだ。ジョン・ウィリアムス(ギタリストではない)もそういえば同世代。おまけで○。

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(参考)マンシーニの世界を自作自演で俯瞰してみましょう。
「シャレード」「ムーンリヴァー」/ヘンリー・マンシーニ自作自演 with RPOポップス
マンシーニ(ヘンリー),マンシーニ,ロイヤル・フィルハーモニー・ポップス管弦楽団
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ピンク・パンサーのアルバムはたくさんあります。
アルティメット・ピンク・パンサー
ヘンリー・マンシーニ楽団,警視庁ブラス・バンド,ボビー・マクファーリン,トム・ジョーンズ,クルーゾー警部,ピーター・セラーズ
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ヒナステラ:協奏的変奏曲(リハーサル風景)

○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1963/2/23カーネギーホールlive

がちっと細かく組み上げられたアンサンブルがスリリングな難曲だが、ストコの指示はびしっとして無駄がなく、相変わらず迫力のオケはリズムも切れている。リハなりのアバウトなザッツのブレもなくもないが。この曲の娯楽性はバルトークやビラロボよりウォルトンに近く感じる。つまり後期ヒンデミット的ということだ。曲がただでさえとても扇情的で南米のローカリズムに収まらない魅力に満ちているため、加えてストコがシェフなら別に何もいじる必要は無いように思える。

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ホヴァネス:前奏曲とフーガ

○ストコフスキ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R)1964/3/6LIVE

五音音階による旋律の露骨な提示から、RVWともまた違う細かい動きや調性の揺らぎをともなうがちゃがちゃした展開がやや構造のゆるいままに強引に繰り広げられていく。ストコはこの作曲家この曲に多少共感していたようだが、曲をかっちり組み上げるよりは力で押し切る形で聴かせる。そのためわからない部分はわからないままにされてしまうきらいがあり、曲の限界はともかく、解釈の善し悪しは意見のわかれるところだろう。オケは異様に巧い。弦の楽団BSOならでは。

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マクダウェル:ピアノ協奏曲第2番

○リガイ(P)ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1966/11/20live

ドイツロマン派に範をとった事実上黎明期の近代アメリカンクラシック音楽の筆頭にあげられるマクダウェルで近年人気が復活しているようだが、ちょっと民族様式的なものも聞かれるとはいえ全体的にリストやグリーグからチャイコフスキーやラフマニノフといった同時代ロシアと歩調をあわせたような曲想で一貫しており、権威主義的・凡庸で面白くないという聞き方もできるのかもしれない。私自身は何故か聞いていて楽しかった。あんまり聞かない曲だけど、たぶん、ストコとソリストの力なのだろう。

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ベン・ハイム:ピアノ協奏曲(リハーサル断片)

○リガイ(P)ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1969/11/9live

現代的な繊細な音響とロマンティックな旋律の横溢する折衷的作風が耳馴染みやすい曲で久しぶりに聞いた。リハではあるがピアニストの鮮やかな腕が諸所剥き出しに聞こえて興味深い。非常に巧い。ストコのリハは記録が多いが、やはり指示が感情的にならず実に的確でわかりやすくトレーナーとしての能力の高さをうかがわせる。もっとロマンティックな性向の曲のように覚えていたのだが案外硬質で立体的で細かい音符が多いことに気づかされたのはステレオだからか(持っている他盤はモノラルだった)。けっこう長いリハ集になっている。○。ベン・ハイムはイスラエルの作曲家を名乗ったが(この名もヘブライ語)いちおう流派的にというか生地でドイツ・オーストリアとしておきました。

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ロックウッド:プレーリー

ストコフスキ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R)1954LIVE

オラトリオ。アメリカ国民楽派って、かなり恥ずかしい。派手でロマンティックで耳馴染みやすいだけの曲。初演か。カルミナ・ブラーナの前プロ。評価不能。

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ラッグルズ:太陽を踏む男

○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1967カーネギーホールlive

録音は極めて明確なステレオで分離も激しすぎるほどでスケール感があり、エアチェック音源としては申し分ない音である。少々耳が痛くなるほどエッジの立った硬質な音響は寧ろこの稀有壮大で錯綜しがちな曲にあっている。イメージ的にはアメリカに遅れて入ってきた無調「的」作品の範疇にあり、しかし聴いた感じは分析的というより雑多で直感的。分厚い音響の素人聴きは十数年前のアイヴズの作風そのものである。アイヴズでもセットなどを作曲していたやや前期の頃の雰囲気があり洗練は余り無いが、アイヴズが「結果的に」無調的な作品を残したのに対してこのような曲にははなから調性はない、たとえば硬派だったころのヒンデミットなどの影響を考えてみるのもけして無理な論理ではないと思う。もっと重厚で深刻な雰囲気が欲しい気もするがこんな曲を作曲家の偏屈を省みずズバっと演奏しきってみせるストコフスキには驚かされる。手法はアイヴズ4番同様「ほんとに理解してやろうとしてるのかなー?」と疑問符を付けたくなるところもあるが新作への態度としてはこれだけやりきればリッパ。終始同じ厚さの音響が雑多に揺れ動くだけのゆえに飽きる向きもあろうが、アイヴズの世界がアイヴズだけのものではなかった、という点を再確認する意味でも、どんな演奏でもいいので聴く・・・それを躊躇する理由は無い。○。

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スミス:アメリカ国歌

◎ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA/rare moth:CD-R)1969/10/6live

どんな国でもどんな人種でも、その国で最も愛されている曲を皆が喜んでうたい楽しんでいるさまというのはすがすがしくなぜかしら涙もさそうものである。フラブラがどうこうとか拍手のタイミングがどうこうとかいうのとは無縁の、どちらかというとロックバンドのライヴに近い感覚かもしれない。わーわーいうとります。◎。

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リーガー:新しい踊り,op18b

○ストコフスキ指揮ヒズ・シンフォニー・オーケストラ(CALA)1958/9/25カーネギーホールlive

ストコフスキが見出した20世紀のわかりやすい系作曲家のひとり。そう言うとすぐにコープランドのバレエ曲を思い浮かべられるかもしれないが、この曲などを聴くとリズム性と高音域の楽器にかんしてはそのとおり、しかしあそこまでの能天気さはなく、比較的重心が低い響きで安定した聴感をあたえている部分も違う。いい意味で職人的な巧さが発揮されており、心地よく聞き流せる。サックスの響きなどちょっとしたアクセントもあり、またその用法がいかにもアメリカ的な印象を与えていることも確かである。民族主義的な部分は指揮のせいか全く感じさせない。ストコフスキは結構ムラのある指揮者でもあるがこの演奏は短くピリリと決まっていて、瑕疵のひとつもないのが素晴らしい。○。モノラルなので。

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