ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番

バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(EMI)1956・CD

弦楽器が弱い。素直なアレグロ楽章である終楽章クライマックスで音量変化がそれほど無いまま急にテンポ・ルバートするため流れが止まり、旋律線を見失いそうになるところもある。だが全般的には50年代バルビの持っていた力感と直進性が健在で、優秀録音がそれを後押しし求心力のある名演として印象に残る。晩年バルビは孤高の感情的な旋律表現と引き換えに、テンポの弛緩やリズム感のなさ全体設計の不自然さを得てしまったが、ここではそこまで踏み込んだ特異さが現れず、普遍性を保っている。緩徐楽章に晩年のうねるような強烈な歌謡性こそ感じられないものの、全体的な音楽のまとまり、何と言っても木管の音色の素晴らしさ、案外ばしっと決めるブラスや打楽器の、晩年RVW向きの巧さが弦の雑味をも物ともしない美観を提示して秀逸である。バルビのRVWにはグズグズなものもあるが、モノラル録音末期前後のものには締まった佳演がままあり、南極交響曲もその一つだが、これはバルビ自身に捧げられたこともあってもっと思い入れの強さも感じる名演。
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ヴォーン・ウィリアムズ:ロンドン交響曲(交響曲第2番)

バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(EMI)1959・CD

ヴォーン・ウィリアムズの代表作(但しこの盤も含み殆ど短縮改訂版しか演奏されないもの)だが、生硬なオラトリオ「海の交響曲(交響曲第1番)」がラヴェル師事後の大規模合唱曲として初の成功作とすれば、これは「理想としてのロンドン」を描写的にうつした試作的な音詩であり、個人的には田園交響曲(交響曲第3番)の夢幻的にもかかわらずリアリティのある世界観に至るまでの、作曲家にとって扱い易い題材(音材)による過渡期作に思える。だから英国の都会者でなければ共感を得られないのではないかという、よそ者を寄せ付けないような独特の「内輪ノリ」がある。

実際RVWではよく演奏されるほうだとはいえ・・・全般極端にスコアの段数の少なく(といっても1,2番も非常に単純なオーケストレーションによっているのだが)、起伏の無いわりに無歌詞独唱まで伴うことが真の代表作である3番の演奏機会を少なくしている面も否めない一方・・・例えば朝日と日没の即物的な印象派表現が前奏と後奏を如何にもな和声で彩り、ビッグベンが一日の始まりと終わりを(ロンドン者には)わかりやすく告げ、労働者が騒々しく出勤(帰宅)する、その中に起きる色々な事象の情景描写を、何故かスモッグの無いような奇妙に晴れ渡った、でもやっぱりどこかよそよそしい都会の空気感を思わせる生硬な清新さのある響きによってなしているさまは、意味を解しないと中途半端な印象を残す。作曲家はあくまで印象音楽のような聴き方を要求しており描写音楽ではないと言い切っていて、これは表題のある全ての交響曲に言えるわけだけれども、それを言い切るには7番以上に直接的な素材を導入し過ぎではある。迫力はあれど基本的には簡素な構造の上に、コケオドシ的なffを織り交ぜた横の流れ中心で描かれていくさまは好悪別ち、一部田園風景を思わせる表現を除き、私は詰まるところ苦手なのである。

バルビは余り間をあけず二度録音している。ステレオだが50年代なりの音質。ただ少々ホワイトノイズ的なものがある程度で分離が激しすぎる等の問題はない。ヴァイオリンの音に特徴がありポルタメントやヴィブラートに制限を設けずある程度自由にやらせることで艶を出している(強制されてかもしれないが)。それが雑味を呼び込んでいることも確かで、また、ブラスが弱いというバルビの一面もちょっと感じられるが、50年代のバルビが未だ持っていたスピードと力強さがここにはあり、スケールとのバランスがよくとれている。一流の演奏とは言えないだろうが、ロンドン交響曲の演奏としてはいいほうだと思う。○。

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ローソーン:曲がり角序曲

バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(bbc/IMG)1969/4/24live・CD

ウォルトンのスカピーノあたりの洒脱で垢抜けた感覚とヒンデミット特有の木管アンサンブルや重層的な響きに似たものを感じる。バルビにしては俊敏というかそつなくこなしているふうである。今一つの押しの強さというか表現意志の強さが欲しい気もするがこのての軽い曲ではこのようなものか。面白い曲なのでイギリス好きなら。

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イギリス頌歌

バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(bbc/IMG)1969/11/19live・CD

若干露骨な響きでテンポは鷹揚とした演奏。それ以上のコメントのしようがない。

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