シマノフスキ:バレエ音楽「ハルナシー」より四つの断章

フィテルベルク指揮ポーランド国立放送交響楽団(polskie radio)1952スタジオ・CD

こうやって聴くとシマノフスキの非凡な才能が再確認できるわけだが、フィテルベルクの、前時代的なポルタメントをもちい旋律を煽りながらもキレよく尖鋭な響きを整え複リズム的な流れをきちっと収めていく手際よさが感じられ、この指揮者をも再認識させる。余り後期の曲をやらなかったイメージがあるが、後期に寧ろ向いていると思う。晩年のシマノフスキはタトゥラ山地に封じられたようなマンネリズムの中にあったとも言え、この曲と交響曲第4番とヴァイオリン協奏曲第2番は旋律とリズムと構成にバリエーションを得ただけの殆ど三つ子のような様相を呈してはいるのだが、後者二作が余り評価されないのは、この「高地の首長たち」が既に全てを包含してしまっていたからかもしれない。多彩なリズムすら強烈なメロディの一部となり、ミラクル・マンダリンのような木琴からしてペトルーシュカを彷彿とさせて然るべきなのに、響きとリズム旋律の余りに特殊な民族性がそうはさせない。ここが要だなあと思う。フィテルベルクは切り裂くような音響表現が光り、オケすら破壊しそうな前進的なテンポで交響組曲のように仕立てて秀逸。録音は聴き易い。○。
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シマノフスキ:歌劇「ロジェ王」よりロクサーヌの歌(フィテルベルク管弦楽編)

フィテルベルク指揮ポーランド国立放送交響楽団(polskie radio)1952スタジオ・CD

スタジオ録音のほうがライヴより音が遠いのは何故。まあそれはいいとして、「ロクサーヌの歌」はコハンスキによるヴァイオリン編曲で有名、シマノフスキの代表作と言っていいだろう(後期では「珍しい」)。「メロディ音楽」である。これは盟友フィテルベルクによる管弦楽編曲で、ちょっとハリウッド映画音楽的なロマンチシズムの入った手馴れた編曲に違和感を感じるところもある。原曲そしてシマノフスキ晩年特有の響きが終盤にあらわれるが、もっと怜悧にやったほうが「らしい」感じがしなくもない。甘いメロディを燻らせるさまは聴感悪くはないし、細かい伴奏の動きにも神経の行き届いた演奏にはなっているが。

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シマノフスキ:タランテラop.28-2(フィテルベルク管弦楽編)

フィテルベルク指揮ポーランド国立放送交響楽団(polskie radio)1953live・CD

ヴァイオリンとピアノのための「夜想曲とタランテラ」より。曲的にはかなり露骨な民族主義があらわれたものだが指揮者である前に作曲家であったフィテルベルク、よくシマノフスキの芸風を知っていたことが確認できる透明な色彩感溢れるいい編曲。ちょっとリムスキーのシェヘラザードを彷彿とさせるところもある。テンポ感がもっさい部分もあるがウブい音も手伝って力強い舞踏を楽しめる。終演がかっこいいが拍手カット。

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ルトスワフスキ:小組曲(1951年管弦楽版)

フィテルベルク指揮ポーランド国立放送交響楽団(polskie radio)1951ワルシャワlive・CD

フィテルベルク向きの曲。民族舞曲を中心とした小品集で、異常な音響が耳をつんざきせっかちなテンポが気を煽るなかなかの破壊的名演・・・終曲が凄い。オケが攻撃的で技術もあるゆえに破綻無く楽しめる。マーラーのボヘミア感覚に近い、東欧の民族に根ざした旋律やリズムを使いながら、西側的な普遍性を重視したようなオーケストレーションで、如何にも前時代的なノリがある一方この作曲家の世俗的なものを削ぎ落とした抽象音楽へ昇華させる鋭敏な感覚があざといまでに活きている。無駄の無い、空疎な響きが日和った後のコープランドを思わせる。曲的には一曲目の「笛」がなかなか理知的で面白い。○。

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シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番

○ウミンスカ(P)フィテルベルク指揮ポーランド放送管弦楽団(MUZA/POLSKIE RADIO)1951スタジオ・CD

私、同じものと誤解していたのですがこちらが全集盤(2曲だけだけど)のほうの録音。フィルハーモニアよりも精度が高く音もより新しい感がある。ただどうもこの時代にしては、やっぱり気になる録音状態ではあるが。フィテルベルクの雑味もこのくらいなら許容範囲。ウミンスカは2番ほどではないにせよ(恐らく2番より1番に思い入れがあるのだ)高音の痩せ方や枯れたようなボウイングが気になる。ただ、十分この曲の正統の表現を提示できているようである。○。

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シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番

○ウミンスカ(P)フィテルベルク指揮フィルハーモニア管弦楽団(LYS/monopol)1945/12/27スタジオ・CD

シマノフスキの十字軍的に活躍したソリストと指揮者が西欧に残したSP録音だが、録音こそそれほど悪くは無いものの冒頭からオケの乱れ方が尋常じゃなく、この指揮者の面目躍如なるところが見られる(?)。しかしアクの無い音作りで、拡散的演奏であるがゆえの煌く色彩感、美麗さはあり、リズムを強調し押し進めるところ含め、ストラヴィンスキーの硬質な音楽を思わせるものに仕上がっている。この曲は抽象的に演奏される傾向があるが、ここでは無難に演奏をこなしている女流ウミンスカの表現には起承転結がきっちりしたものを感じる。三部構成をしっかり意識しているので、比較的わかりやすいのだ。シマノフスキの前衛でも国民楽派でも無い微妙な立ち位置を示した曲だが、紹介盤としては十分に機能していたことだろう。フィテルベルクにも技術的問題も多いが○。フィテルベルクをポーランドのゴロワノフと呼ぶ人がいるみたいだけど、どこが・・・?強靭さのレベルが違う。ゴロワノフはこんなバラケ方はしない・・・

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