カゼッラ:シチリアーナとブルレスカ

○作曲家(P)ポルトロニエリ(Vn)ボヌッチ(Vc)(columbia)1931・SP

これはCDになっていたのではないか?達者な三名、とくにピアニストとしても活躍したカゼッラの洒脱な表現ににやりとさせられる。ちょっとジャズっぽいというかモダンさも前衛まではいかない聴き易さのあるシチリアーナがおすすめ。いい曲、いい演奏。webで聴ける。カゼッラは二つほど協奏曲も一部録音している。そちらでもイタリア往年の名手ポルトロニエリの華麗な音も聴けるのが嬉しい。
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カゼッラ:交響組曲「甕」

○プレヴィターリ指揮聖チェチリア音楽院管弦楽団、ルージ(T)(DECCA)LP 美音で聞かせるプレヴィターリの芸風が威力を発揮。非常にフランス曲的なこの曲をとても品良く綺麗に纏め上げている。カゼッラはマリピエロなどと一緒に活動したイタリア20世紀音楽の名匠だが、作風にやや幅があり、濁ったロマンティックな音楽も書く一方、ラヴェル同窓として当時最先端のパリ音楽院に学んだ者として当たりまえのように印象派音楽の非常に強い影響も受けている。この曲などはその線がとくに濃いように思う。これはもともとは一幕のバレエ音楽。シチリアを舞台とした小説にもとづく喜劇で、バレエ付随音楽としては最も成功した作品となった。ここでは7曲からなる組曲に纏め上げられている。この人にしては耳馴染みがとても良いことは特筆すべきだろう。民族性はそれほど目立たないが強いリズムが顕れるところではあきらかにストラヴィンスキーの影響を受けている(その単純さはむしろルーセル的と言うべきかもしれないが、ルーセルがリズム要素に重点を置くようになったのは「春の祭典」にインスパイアされた1920年ごろであり、更に単純で和声的な重いリズムに着地したのは24年のこの作品の出来た時期と大して違わない)、この時代のフランスを中心とする音楽界に溢れていた雰囲気をとてもよく伝えるものとなっている。ミヨーやオネゲルあたりをよく聴いている人はカゼッラがひと世代下のこのいわゆるフランス六人組の世界に非常に接近していたことを実感するだろう。私はミヨーっぽいなー、と思いながらもけっこうわかりやすいので楽しめた。テノール・ソロが入る。じつに心地よいプレヴィターリの音世界に○ひとつ。,

カゼッラ:パガニーニアーナ

コンドラシン指揮ACO(PHILIPS)1979/11/17LIVE 平凡な曲。。。カゼッラがいまひとつ無名なのはひとえにその想像力の無さだろう。コンドラシンは律動だけ、といった感じで無機質に振っている。無印。,

カゼッラ:ヴァイオリン、ピアノとチェロと管弦楽のための協奏曲~Ⅰ、Ⅱ

○作曲家(P)クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団(ASdisc)1936/2/22LIVE・CDカゼッラはイタリアの作曲家だがパリに学び印象派~新古典の影響を受け、また自ら率先してラヴェルらと共に次の世代の音楽を模索した作曲家である。その作品は多くのイタリア近代作曲家同様擬古典というべきものも数多いが(やたら協奏曲を書いているのも関係あろう)重厚でわかりづらい中欧的作風の中にもフランス式の軽やかなスタイルを採り入れて独自の折衷的作風を確立している。ちょっとバルトークを思わせる壮大な冒頭からちょっと擬古典的なヴァイオリン、チェロのソロのパッセージが絡み合っていく。半音階的で重々しい音楽がつづくが不思議と洒落ている。さすがラヴェル、エネスコ、コルトーと同じ釜の飯を食った作曲家、なかなかに個性的な音楽だ。民謡旋法的なフレーズと垢抜けた硬質なひびきが交錯し、アレグロ部に突入していく。カゼッラのピアノはさすが自作というべきか鋭く俊敏であり、これまたなかなか巧いヴァイオリンソロとの掛け合いがかっこいい。クーセヴィツキーのオケがそれに拍車を掛けるように鋭く絡んでいく。凄い集中力である。やがて、やはりというべきか、六人組ふうの楽天的な旋律も顕れるが、結局は怒涛のような細かい音符が極めて高い密度で集積された旋律同志の喧嘩のような掛け合いになっていく。恐らく古典的な合奏協奏曲を真似ているのだろうが、音が異常に多いぶん聞きごたえがあり、またもはや古典の模倣とは言い難い個性が雄叫びをあげている。これはオネゲルより凄い。腕利きのソリストと楽団がいたら演奏してみたらいい。これは超難曲、でも理知的に組み立てられていて十分に練習すれば曲になるであろう佳作です。奇妙な明るさがあるのも面白い(1楽章の最後のフランセ的な終止など)。私はミヨーがもっと前に生まれていたら書きそうな作品だな、と思った。2楽章ラールゴの憂愁は多分に感傷的で、カゼッラは非常に強い打鍵で弾いているためやや男らしすぎる感もあるが(この冒頭のピアノソロでピーという恐らく放送雑音が入って耳障り)、チェロとヴァイオリンの艶めいたヴィブラートにのせた感傷的な旋律の絡み合いはとても美しい。ひびきは複雑だが、音を間引いて聞くと、六人組の書いたピアノ協奏曲の緩徐楽章と言っても間違えそうな曲想ではある。ミヨーほど思索的ではないし、プーランクほど軽量級でもなく、ブラスのミュートされた挿句は新ウィーン楽派を思わせる奇矯さをかもし、独特の混合音楽が展開されていく。旋律はピアノによってかなりわけがわからない変貌を遂げていく。深刻だがどこか面白い。そののちふたたび冒頭の感傷的なソロの絡みが再現される。これだけ分厚い不協和音を使っているのに清澄なのは音を注意深く選んで作曲している(演奏している?)せいか。けっこう書き込んだ曲であり、聞けば聴くほど理解は深まるだろう。でもこの盤・・・三楽章が欠落しているのでした。ガクリ。きわめてレベルの高い演奏であり、クーセヴィツキーもカゼッラも凄い。そのあたり得意なかたは聴いてみてもいいかも。 ,

カゼッラ:イタリア

○パレー指揮デトロイト交響楽団(DA:CD-R)1960/2/25LIVE

この曲は初めファリャやトゥーリナやレスピーギを思わせるが、半音階的で重厚な語り口はもっと中欧寄りのロマンティックなものに近く、ディーリアスのやり方を彷彿とさせるほどに折衷的である。だがいきなりフニクリ・フニクラがでてくるとカゼッラらしい民族性があきらかになって、完全な旋律音楽になる。パレーはじつにめざましい。テンション高く厳しく突き進むが、透明感と広がりのある音響はやはりフランス派指揮者であることを知らしめる。明瞭さと鋭利な美観で楽しませる。素晴らしいアンサンブル。録音が悪いのが惜しい。
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