グリフィス:白孔雀

ストコフスキ指揮ハリウッドボウル交響楽団(scc:CD-R)1946/7/21live

録音が悪いと印象派音楽は分が悪い。リリカルではあるもののややあけっぴろげなオケの音も曲に変なリアリティをあたえて、幻想味を損ねている気もするが、そこまで考えて聴く音楽でもないか。ストコフスキーらしいあけすけな表現ではある。中音域が地味で、明るくきらびやかなのは特筆すべきか。まあ、複数の記録とどこが違うか言うのも難しい。録画マイナスで無印。
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グリフィス:二つのスケッチ(インディアンの主題に基づく)

○クーリッジ四重奏団(VICTOR)SP

一曲目はディーリアス、二曲目はドヴォルザーク(言わずと知れたアメリカの終楽章ね)。言ってしまえばそれまでなのだが、共に(特に)後半、俄かに先鋭な響きがおりまざり、個性というか、これが「アメリカの音楽」なのだ、と思う。一曲目では冒頭からフラジオが印象的。後半、伴奏に金属質な高音を爆ぜさせるアルペジオが現れ印象的だ。二曲目ははっきりドヴォルザークスタイルではないガチャガチャとした都会的な音楽に切り替わる瞬間がある。いずれもコープランドらを予感させる紛れも無い「アメリカの音楽」。主題となるネイティヴのメロディやハーモニーはその根を張る土壌なのだ。クーリッジ四重奏団は縮緬ヴィヴラートを駆使するオールドスタイルだが同時代性を感じさせて懐かしい。○。チャドウィックの4番2楽章が面埋めに入っている。

グリフィス(グリフェス):「4つのローマのスケッチ」OP.7~白孔雀

○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(放送)1943/2/7LIVE

オールアメリカプログラムをしばしばやっていたトスカニーニだが、これもグランド・キャニオン組曲の前に組んでいたプログラム。曲は生ぬるいオリエンタリズムを盛り込んだ印象派的といえば印象派的な小品で、トスカニーニは決して手を抜かずそつなく仕上げている。余り聴き映えはしない。○。

グリフィス(グリフェス):交響詩「フビライ汗の快楽殿」

○チャールズ・ゲルハルト指揮ナショナル・フィル(RCA)LPグリフィス(グリフェス)はドビュッシズムの体現者として有名だが、36才で亡くなってしまったため、曲が広く知られることなくイメージだけが先行してしまっている感がある。こういう「白孔雀」以外の曲がもっと知られてもいいと思う。この曲はあまり印象派的なところがなく旋律的で聴き易い。なかなか面白く変化に富んでいる。あきらかにディーリアスと近似した旋律的で牧歌的な一節も聞かれるが、個性的なのは寧ろ盛り上がりどころでハデハデしく放たれるエキゾチシズムだろう。ドビュッシーの「管弦楽のための映像」あたりの音響感覚や、ロシア国民楽派の影響、とくにリムスキーの音楽の影響が強いが、どこか垢抜けているというか、あくまでエトランゼとして客観的に民族音楽をうつしたようなところがある。明るく突き抜けていて聴感は割合と清新だ。ピアノなど打楽器的な音響感覚は個性的と言っていいだろう。おおまかにはドビュッシーの範疇にいながらもいろいろな同時代様式を取り入れてアメリカナイズしたような、優秀なパスティシュ。けっこうイケます。明るく垢抜けた演奏ぶりは曲にあっている。この指揮者、なかなか面白い。オケが無個性なのが気になるが、イタリアなどヨーロッパのオケでやったら、と思ってしまう。ナショナル・フィルの原形を立ちあげたのがゲルハルトだそうで、1964年のこと。27年生まれの生っ粋のアメリカ人。 ,

グリフィス(グリフェス):「4つのローマのスケッチ」OP.7~白孔雀

チャールズ・ゲルハルト指揮ナショナル・フィル(RCA)LPドビュッシーらしさといえばあきらかに「牧神の午後への前奏曲」の雰囲気をうつした生ぬるい響きに尽きる。だが、音線の半音階的な動きはむしろスクリアビンを思わせる。官能的だ。この演奏ではかなり明瞭に音の描き分けがなされており、音像がリアルすぎる気もしないでもない。確かに曲の後半は比較的派手な音楽なのだが、それでもやはりちょっとデリカシーがない。弦楽器が一所懸命艶めかしさを出そうとしているが結局醒めたアメリカオケの音になってしまっているのも弱点か。総じて無印。録音良し。,

グリフィス(グリフェス):「4つのローマのスケッチ」OP.7~白孔雀

○ハンソン指揮ニューヨーク・フィル(NYP)1946/1/20放送LIVEレスピーギのような、ヴォーン・ウィリアムズのような、清澄で茫洋とした音楽です。ハンソン、けっこう感情入っている。この明瞭な演奏ではドビュッシズムの影響はあまり強く感じられない。むしろ「ドビュッシズムを吸収し己が物とした」20世紀作曲家たちからの間接的影響が感じられる、と言ったほうがいいだろう。さしたる曲想の変化も無く、われわれはただ通り過ぎるフレーズのようなものを次から次へと受け流していくしかない。美しいし、意外と個性もある。ドビュッシーらとは違う光景が瞼の裏に見える。ただ・・・白い孔雀は浮かんできませんでした。,

グリフィス(グリフェス):「4つのローマのスケッチ」OP.7~白孔雀

○ストコフスキ指揮ニューヨーク・フィル(CALA)1947/11/17はじめて聞きます。20世紀前半を代表するアメリカ印象派の旗手だそうです。中でもこの作品は賞賛の声が高い作品です。さて、聴いてみました。耳障りがよかった。フランス的ですが、ドビュッシーのイマジネーションの凄さやラヴェルの創意工夫の念の入れようとははっきり言って程遠いように感じます。何か通俗作曲家が映画音楽を印象派ふうに仕立て上げたような、お手軽で入り易い曲だけれども、飽きてくるたぐい。演奏は立派だと思います。しかし作品は贔屓目に見てもディーリアス程度でしょう(ディーリアンのみなさん、すいませんっ)。それにしてもどこが孔雀なんだ。聞き易かったので○ひとつはつけときます。初演者の演奏。,

グリフィス(グリフェス):「4つのローマのスケッチ」OP.7~白孔雀

○ストコフスキ指揮NYP?(DA:CD-R)1947/11/2LIVE

既出盤と同じ可能性あり。濃厚なワグネリズムをディーリアスのような黄昏のロマンチシズムとして描きあげた、ややスクリアビン的な臭気漂うもののむせ返るようなオケの響きと確かな描線でなかなかに聞かせる。録音が悪いがいい演奏。
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