コルンゴルド:組曲「から騒ぎ」

◯プレヴィン指揮LSO(DG)1996/6・CD

第二曲から第五曲までからなる。多彩で巧みなコルンゴルトの腕が過不足なく発揮されている。リヒャルト・シュトラウスを彷彿とさせたと思ったら新古典的なフレーズが連なり、ホルンなどソロ楽器が見せ場を作り楽しげな雰囲気を醸す。演者は素晴らしい。あまりウィーン風過ぎてもコルンゴルトの現代的な部分がギクシャクしてくるのでこの位でいいのだ。
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コルンゴルド:交響曲嬰へ長調

○プレヴィン指揮LSO(DG)1996/6・CD

唯一の交響曲、大曲だが早熟なこの人にしては最晩年作であり、もともとあった「ウィーン世紀末的なもの」に多要素がくっついてもはやバーバーの作品と言ってもわからないような無個性さを示してしまっている。構造も構成もオーソドックス、作りがしっかりしすぎている。むろんバーバーの管弦楽作品そのものは素晴らしく重厚で尖鋭性もあり、それを凌駕するような旋律の美しさ、忍ばせられた懐かしく妖しい移調・・・マーラーを通して見たワグナー(決して悲劇的ではない)もしくはツェムリンスキーやスクリアビンといった様子のアダージオ・・・がこの曲を際立たせており、こういう曲に慣れたプレヴィンと腕利きのロンドン交響楽団によって万人に聴き映えのする感じに仕上げられている。しかしまあ、プレヴィンの出自が中欧にあるにせよ中欧的な音のしない演奏で、律動的でかっこいい急峻楽章ではもうマーラーの匂いはゼロである。いや、マーラーの匂いなんてはなからしない。往年のウィーンの指揮者がウィーンのオケを振ったらまったく違っていたかもしれないが、それでもこの曲は既にウィーンの神童ではない、豪華な音の好まれたアメリカの映画音楽社会と融合しすぎて(ハリウッドがこの人から得た音楽的贈り物の大きさは言うに及ばないだろう、影響はラフマニノフにも匹敵する)、いろいろと取り込んでしまった職人的な大人の作品なのだ。若いころの作品とカップリングされており、そのツェムリンスキー風作品の浅薄さを聴くにつけ、いや、これはこれで時代の音、その時代においては興味深い作品であり、名作なのだろうが、、、考えさせられる作品ではある。○。

コルンゴルド:ヴァイオリン協奏曲

○ハイフェッツ(Vn)クルツ指揮ニューヨーク・フィル(MUSIC&ARTS)1947/3/30LIVE・CD 楽章間にいちいち拍手が入るのが不思議だが昔のライウ゛なので仕方ないか。雑音が酷いが音は聞こえ易い。3楽章など自分の曲のように極めて早く極めて完璧に弾き切っている。物凄い技巧、表現力だ。曲のせいもあり1、2楽章は印象が薄いが、こういうロマンティックなものを弾かせても、決して粘らずにデュナーミクとフレージングの変化だけで音楽の起伏を作るから嫌味がない。○。 ,

コルンゴルド:ヴァイオリン協奏曲

◎ハイフェッツ(Vn)ウォレンシュタイン指揮ロス・フィル(RCA)1953/1/10・CD ハイフェッツの美音が抜群に冴え渡っている!!即物主義的な演奏も行うハイフェッツの、これは非常に共感の篭ったロマンティックな演奏である。この音の艶、音色の多彩さ、ボウイングの巧さ、すべてにおいて完璧である。コルンゴルドは19世紀末のウィーンに生まれ、11歳で早くも作曲を開始、シェーンベルクの師匠で知られるツェムリンスキー他に学び、早熟の天才として名をあげたものの後年ナチの台頭でヨーロッパをはなれアメリカに移住。ハリウッドに居をかまえ多くの映画音楽を手がけた。この作品は1947年に初演されたアメリカ時代のもので、世紀末ウィーンの情緒(マーラーやリヒャルトの世界)を基軸とはしながらも、アメリカ的な軽いモダニズムを盛り込んだ、さながらウォルトンのコンチェルトを彷彿とさせるシャープな透明感も持ち合わせるようになってきている。冒頭の生ぬるい(でもカッコイイ)旋律ひとつをとってみても映画音楽的(いや、リヒャルト的)であることは歴然。その点バーバーのコンチェルトに似た感じも受ける。それでも個性的であり、コルンゴルドにしか描けない「色」がある。独特の技巧を盛り込んだソロはけっこう難度が高い。近年とみにヴァイオリニストの注目を受けている。この人の旋律は同じ音の間を半音階的に行ったり来たりするような、ちょっと聞き耳に残りづらいところがあるが、慣れればハマることうけあい。今、旬の作曲家!?,

コルンゴルド:ビオランタ組曲

○ホーレンシュタイン指揮BBC北ロイヤル・フィル(DA:CD-R)1965/6/2

コルンゴルドというと「ウィーン世紀末」「映画音楽」という大きく二つの時期を象徴するタームだけで知られ、実際どういう音楽を書いていたのか案外知らない人が多いことに驚かされる。リヒャルトとディーリアスをかけあわせたような、充実した書法の音楽から始まるこの曲も、諸所では往年のアメリカのドラマBGMを思わせる薄い書法が混ざり、個性という面では今ひとつパンチに欠ける感はある。だが音楽家としてのルーツは同じホーレンシュタインはいつもどおり雑味は多いもののよく往年のウィーン風の情趣を醸し、スケール感いっぱいに演奏しきっている。録音はこの時期にしてはまあまあのエアチェックもの。○。
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