ロイ・ハリス:交響曲第5番(初版)

クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団(PASC)1943/2/27初演live

pristineの発掘音源。前奏曲、コラール、フーガの三楽章からなる短い曲。晦渋さの無い聴きやすい曲で、明るく単調な和声と、舞踏的なリズムに彩られた、まさにアメリカ産交響曲を体現した曲(半音階的でコープランド3番のような書法の簡潔さは感じられない)。pristineが周到なレストアをしても録音がどうにも聴きづらすぎるものの、音楽の爽やかさがなんとか聴き通させる。フィナーレがそれほど強い推進力を持ち合わせていないのでクーセヴィツキーをもってしても少し食い足りなさは残る。聴衆反応はまあまあか。
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ハリス:交響曲第3番

バーンスタイン指揮NYP(von-z)1985/12/5live

暗く重い出だしから、後半になるに連れだんだんと明るく鷹揚になっていく単一楽章の曲で、アメリカ的なトランペットの走句など交え、シベリウス的な壮大さにいたるこの現代アメリカアカデミズムの模範的作曲家の代表作。最後の破壊的なティンパニはバンスタならではの演奏効果を狙った見事なもの。正直ほかの指揮者では聴いてられない曲、、、かも、、、

ロイ・ハリス:ピアノ三重奏曲

○カゼッラ(P)ポルトロニエリ(Vn)ボヌッチ(Vc)(fono teca/columbia)1934/10/13、16・CD

奇妙な現代性を発揮した曲で、鋭く表現すれば曲の本質が見えてくるだろうが、ここでは時折あらわれる叙情性に引きずられ、他は晦渋に感じられてしょうがない。中間楽章は少しショスタコ風だ。カゼッラのピアノはタッチがはっきりしていて曖昧さがない。弦二本が厚く生温かい音を重ねている。ハリスの書法は脈絡がないというか、新古典になってみたり無理な転調を挟んでみたり色々仕掛けていて、楽団としてはそれをよく理解して演奏している。それにしても、最後までカタルシスのない曲だ。

ロイ・ハリス:子供の日曜日の思い出

○ロジンスキ指揮NYP(DA:CD-R)1946/2/21初演live

ハリスはバンスタが交響曲第3番をよくやっていたのでご存知のかたも多いかもしれない。重厚な日本のマニア好みのハーモニーを駆使してうねるようなロマンチシズムを持ち味とし、一方では一昔前のアメリカのドラマのBGMのように硬質だが凡庸な、今からするとレトロなモダニズムを感じさせる手法を織り交ぜて割と同時代的には受けた人である。当代一のネオロマンチスト、バーバーのように音楽を隙なく自然に描ける人ではなく、職人的な技師というわけではないので、この曲にしても前半部のハーモニックな進行から後半部の筆のすさび的な無邪気な楽想への変化がとってつけたようで、ロジンスキの直線的で引き締まったアンサンブルをもってしても首尾一貫が感じられない(組曲と捉えてもちょっと違和感がある)。全般ノスタルジーを煽るにはあからさますぎる曲でもあり、それはロジンスキも得意ではない分野なので尚更かもしれない。バーバーは甘甘の曲でもけしてぶよぶよを感じさせない品があるが、ハリスあたりは膨満感が諸所に鼻につくなあ。まあ、短いので○にはしておく、ロジンスキにしては録音が比較的クリア。エアチェック。

ロイ・ハリス:交響曲第6番「ゲティスバーグの演説」

○クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団(ASdisc)1944/4/15初演LIVE・CDストコフスキと覇を競った初演マニアとしてのクーセヴィツキーの一面をよく表している盤で、4日にバーバーの2番を初演しといて10日余り後には今度はハリスの6番を初演しているわけである。ヨーロッパから逃げてきた奏者が集まって、アメリカのオケとしては異例な重量感ある響きとバランスの良い技巧を獲得したこのオケにしても、こんな調子ではきつかったのではなかろうか。まあクーセヴィツキーもロシア移民なわけだけれども。こういう曲が矢継ぎ早に初演された背景にはナショナリズムを高揚させる意図があり、第二次大戦が影を落としていることは自明である。リンカーンの演説に題をとり、軍に捧げられたことからしてもこの曲の一面あざとい趣旨が聞いて取れるわけだが、純粋にシンフォニーとして聴いても案外いい。メロディや和声の流れが非常に耳馴染みがよく、ゆったり楽しめる。クーセヴィツキーの引き締まったオケコントロールも安心感を与えてよい。面白かった。○。録音が一部おかしくなっているがおおむね聴き易い。 ,

ロイ・ハリス:交響曲第3番(1937)

トスカニーニ指揮NBC交響楽団(DELL ARTE)1940/3/16LIVE アメリカ産交響曲のなかでも比較的人気のある曲のひとつだ。単一楽章からなり、半音階的で晦渋な旋律をうねるようなぶ厚い弦が表現する前半から、おもに管によって先導される垢抜けた明るい後半へという構成はおおまかにはベートーヴェン的交響曲の典型を示している。コープランド同様ナディア・ブーランジェ門下だが、その音楽にはフランス的な洒脱な香りは皆無である。重厚なオーケストレーションに中世の旋法を応用しながらも、とても「アメリカ的」な香りがするのが面白い。この交響曲の後半でも徐に短い平易な旋律が登場し、それが至極「アメリカ的」である。クライマックスはブラスと弦と打楽器が一歩一歩踏みしめるような歩みをかわるがわる表現し、何かしらの高みに上り詰めるような情景を演出しているが、ややしつこい。最後は暗雲がたちこめ、不安の打撃のもとに曲は終わるが、いささか謎めいている。トスカニーニは引き締まった演奏を行っておりライヴとは思えないほどの完成度だが、前半やや地味すぎるかもしれない。後半はなかなかに派手で水際立った指揮ぶりが胸がすくような感じ。終盤はやや即物すぎるか。拍手もふつう。,

ロイ・ハリス:交響曲第3番(1937)

クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団(PEARL/HMV)1939/11/8・CD重い曲だがこの作曲家の代表作で盤も多い。決然とした表情と重苦しくならないハーモニーが魅力的な演奏で、中盤に登場する明るく美しい旋律など録音さえよければ実に清澄な響きの饗宴となっていただろう。アメリカンなリズムも弾んでおり前進的なものの、不明瞭な録音のせいでデュナーミク変化が捉らえづらく、メリハリが無い。ブラスの充実した響きがかえって鈍重でもある。もっとも曲のせいもあると思うが。明らかに後期シベリウスを意識した単一楽章の楽曲であるのに描く世界は重厚でとりとめのない逆ベクトルのもの。曲をよく知って聞けばこの古い録音にも面白みも見出だせようが、ファーストチョイスには向きません。無印。,

ロイ・ハリス:交響曲第3番(1937)

オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(SCORA,ARTE)1958/5/30ロシアLIVEやっぱりわかりにくい曲。オケもあまりノっていない。ブラヴォーもなし。この曲はアメリカではけっこう演奏されていたようだ。ジャズや民謡に頼らないアメリカン・クラシックの最高峰、みたいに言われることもあるが、この演奏だと、どう聞いても中欧的な音楽にきこえる。オーマンディもガーシュインのときのノリがなく、イマイチだ。無印。,

ロイ・ハリス:交響曲第3番(1937)

○バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル(NYP)1957/1/27放送LIVEスタジオ録音もあるバーンスタインの演奏だが、やはりこの指揮者はうまい。作曲家としての感性がネオ・ロマンチシズムの中にあるこの曲からさらに、ロマンティックな情感を引き出すことに成功している。分厚いオーケストレーションからも適度に脂肪分を抜いて、ぶよぶよしない鋭い演奏を作りあげている。後半の楽天的な旋律の力強さが印象的だ。録音が悪いのが残念。モノラル。○ひとつ。,

ロイ・ハリス:交響曲第3番(1937)

○バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル(CBS)バーンスタインがごく一部の作品に見せる異常な説得力というのはなんだろう。有無を言わせないというか、この曲はこういうふうに奏でられるために書かれたのだ、と思わせるほどのもの。とくにマーラー以降の作品、自国アメリカの作品については、ロマンティックすぎるけれども、非常に自然に耳に入りしっかり理解させるまでのものを持っている。ハリスのこの作品については既に書いたが、バーンスタインの演奏は(録音のせいもあるが)図抜けて迫力がある。そして起承転結がしっかりつけられており、不自然な変化を避け、どのフレーズも自然に繋がっていくよう演奏されている。ロマンティックな主題は思い切り歌わせるのもこの人らしい。クライマックスあたりの流れはなかなか聞かせる。この曲は名曲かもしれない、と思わせる部分が有る。私のLPが音飛びだらけなのでここでは○にしておくが、アイヴズの3番における異様なシンクロ度に近いものがある佳演。もっともそのぶん演奏精度は落ちるのだが。,

ロイ・ハリス:交響曲1933(第1番)

クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団(SLS:CD-R/PEARL/COLUMBIA)1934/2/2・CD

 RVWぽく聞きやすいが、ややとりとめがない。シベリウスがアメリカ行って書いたような曲と言ったほうが適切か。鄙びた音ゆえ清澄な曲想を損なっているきらいがある。もっと感情移入したほうが聞ける演奏になったろうがクーセウ゛ィツキーはそういう指揮者ではない。無印。,
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