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ヤナーチェク:タラス・ブーリバ

○ホーレンシュタイン指揮BPO(放送)1961/8/30エジンバラ音楽祭live

スケールの大きな、最初はディーリアスを想起するような響きの繊細な動きを的確にとらえたような表現に耳奪われる。ドガチャカの派手さを志向してはいないが、後半はベルリン・フィルのブラスやパーカスをたきつけてドライヴしていくさまがそれなりに楽しめる。佳演。
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ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ

○マテラッシ(Vn)ダラピッコラ(P)(stradivarius)1950/12/30フィレンツェ・CD

異様な迫力のある曲で、内容のある曲とはこういうものを言うのだろう。同年代の作曲家でも前衛的感覚の鋭さや新しいものへの貪欲さの強い、しかし同じくらい民族楽派としての立ち位置にこだわった作曲家もいまい。冒頭よりやや古風な国民楽派的メロディが続くがフランクからドビュッシーなどフランス派的な響きやフレーズが断続的に現れ、フォーレをエキセントリックにしたような音楽というべきか、思索的な繰言、あるいは短い叫びのようなものが何度も地面に向けて叩きつけられる、形式的なものなど殆ど無視され音楽は盛り上がっていくが、最後はアダージオの闇に沈む。個人的なもののみならず時代性とも切り離せない陰のある音楽で名技性に依ることなく円熟した書法が反映され、何か病んだ自己韜晦的なものも抽象的に昇華されている。演奏はある意味ニュートラルであるがゆえに本質に迫っているようだ。ヴァイオリニストは巧い。ダラピッコラは伴奏として完璧な表現を提供している。

ヤナーチェク:狂詩曲「タラス・ブーリバ」

◎ターリッヒ指揮チェコ・フィル(SUPRAPHON)モラヴィアの作曲家ヤナーチェク。ロシア国民楽派に傾倒し、その手法をモラヴィア音楽に適用して独自の歌劇形態を確立した。その作品は歌劇のみならずバレエ音楽、純管弦楽や室内楽など幅広く、印象派以後の新しい音楽に対しても積極的に関心を示した。その音楽には前世紀的なロマン性と同時に鋭い現代性が感じられ、1854年生まれの作曲家とは思えない清新な作風を持っている。このタラス・ブーリバは代表作といってもいいだろう。ゴーゴリのテキストによる英雄叙事詩的な内容の作品だが、純粋に音楽だけを聴いても十分楽しめる。鐘やハープの効果的な響きがちょっとマーラーやスクリアビンを思わせる。私は表題音楽というものが苦手で、表題のついている作品でも音楽だけを聴くようにしている。この作品はテキストに沿って聴いても面白いかもしれないが、それがないほうが想像力をスポイルされずに楽しめるような気もする。2曲目冒頭他の精妙な音世界は多分に夢幻的。前曲から続くテーマが意外な形で注意深く挿入されており、面白い。国民楽派的な表現も目立ち、一部ワーグナー的な感もしなくはないが、それらをあくまで手法の一部として吸収して、独自の緻密な作風にとりまとめているといったふうだ。きらめくように連なる音楽絵巻はグリエールのイリヤ・ムーロメッツを思い起こすが、それより数倍凝縮され洗練された音楽といえよう。ターリッヒの腕はここでは冴え渡っている。国民楽派的な表現は言わずもがな、静かな場面では印象派的な(もしくはシベリウス的な)精妙な音楽を紡ぎだしており、ターリッヒが意外にも繊細な感性の持ち主であったことに驚く(ターリッヒというとチェコのトスカニーニかムラヴィンか、というところがあるから)。録音状態もターリッヒにしてはかなり良い方だと思われる。明るく澄み渡った音はチェコ・フィルの独壇場。この盤は古典的名演として記憶に留めるべきものだ。,

ヤナーチェク:狂詩曲「タラス・ブーリバ」

○スワボダ指揮ウィーン交響楽団(WESTMINSTER)スワボダはLP屋でよく目にする名前だ。私は良く知らないのだが、一部に人気があるようである。この演奏を聞くとよく音楽の流れをとらえて的確に指揮するタイプと感じる。ウィーン交響楽団は鄙びた独特の雰囲気が漂うものの、普段の雑味の多い演奏からするとずいぶんとスマートであり、響きも多彩で面白い。ウィーンのオケを指揮する人の中には、その持ち味である音色やカンタービレを完全に排出してしまう指揮者も少なからずいるが、スワボダはそのタイプではないことは確かだ。曲もいい。晩年に花開いた「ボヘミアのムソルグスキー」の65歳のときの作品だが、引き締まった構成と新奇な響き(鐘の音が多分にイマジネイティブ!また、民族的表現に基づく不協和音もまたとても美しく聞こえる)、北方的な爽やかな曲感が初めて聴く人も魅了する力に溢れている。ゴーゴリの英雄叙事詩の主人公であるタラス・ブーリバは、15世紀小ロシアのコザックの英雄である。3部に別れ、それぞれ「アンドゥリーの死」「オスタップの死」「タラス・ブーリバの劇的な死」と名づけられているが、曲は明るくあまり死を予感させる雰囲気は漂わない。表題性から離れて作品を純粋に楽しむのも一つのやり方だと思う。私は「オスタップの死」の冒頭の清々しい曲想が好きだ。中声部が抜けたスカスカの響きは北方的だがマーラーを思わせるところもある。そういえばマーラーも鐘を効果的に使っていた。ヤナーチェクはかつて現代音楽扱いされていたこともあるそうだが、マーラーの時代性を思うと、決して前衛でも後衛でもない同時代性を持った作曲家だったのだ。,

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

クーベリック指揮ウィーン・フィル(ANDANTE)1955/3/3LIVE うーん。。ブラヴォーがすごいが、 私ははっきり言ってそそられなかった。ヤナーチェクに必要と思われる民族色と冷え冷えとした硬質さに欠けている。この音楽の魅力がちっとも引き立ってこない。どうもクーベリック/ウィーン・フィルの組み合わせは私と相性が悪いようだ。無印。,

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

○テンシュテット指揮北ドイツ放送交響楽団(LIVE SUPREME:CD-R)1977/11/14LIVE ヤナーチェクとはつくづく時代を先駆けた作曲家だったのだなあ。テンシュテットのドイツ的な無骨な演奏で聞くと尚更その響きの特異性や民謡旋律の用法における現代性(ロシア五人組などに見られる前世紀的な民謡引用ではなく、コダーイやバルトークなどに聞かれるような作曲家による昇華の手続きをへたものとして)が浮き彫りになる。音色は透明だが力強い表現はこのオケらしいところだが、それらにハッパをかけるテンシュテットの気迫に感心。武骨すぎてややだらしないところもないではないが、この曲をあまり知らない私も、楽しく聴きとおせた。○ひとつ。,

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

○テンシュテット指揮ロンドン・フィル(BBC,IMG)1991/4/2LIVE ヤナーチェクは独特の作曲家だ。前衛と言っていいかもしれない。ひびきには常に「単純な奇矯さ」があり、独特の冷たい空気感の中で熱気溢れる叫びをあげるといった趣がある。この曲はたいがい2部きり、時に1部だけの剥き出しの声部が旋律やリズムを必死で奏でて次の声部へ音楽を繋いでいく。じつに独特の書法で、まとめづらそうな一曲。テンシュテットは正攻法でいくぶん落ち着いた演奏を行っている。この曲は裏青盤で見たような気がするし決して馴染みの無い曲だったとは思わないが、スケール感がありメリハリのきいたいい演奏だと思うものの、全体設計が見えてこず、盛り上がりの持って行きどころがイマイチ不明瞭に感じる。もともとそういう曲であることは承知の上で、何か熱いものがほしかった、と印しておく。,

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

○ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団(WEITBLICK)1972/9/29LIVE 何といっても冒頭と追尾を飾るファンファーレがどう決まっているか、が肝要。ここで弛緩がみられる演奏は多く、聞く気を削ぐ。このケーゲル、さすがに鬼のような表情がきいたのか、緊張感漲る演奏ぶりである。冷たい熱情を感じさせる。そう、至極冷血動物な指揮ぶりなのだが、ライヴのせいか、聞きごたえはある。引き締まった演奏と言うべきだろうが、それだけでは言いつくせないない何かを感じる。オケも巧い。,

ヤナーチェク:「利口な女狐の物語」組曲

ターリッヒ指揮チェコ・フィル(SUPRAPHON)歌劇からの抜粋。ヤナーチェクの作品としてはそれほど完成度が高いとは思えないが、たとえば田園風の楽想においてはイギリス近代音楽と共通するものを感じるし、この曲に限らないが、新ウィーン楽派のベルクのハーモニーに似たものを感じる場面もある。民謡韻律が無調の方向にシフトしていくような感じさえ覚える。基本は旋律的なのだが、効果音的断片の集積が不思議な曲調を産んでいる。ターリッヒはここでも美しいひびきを奏でている。が、やはりこの曲は歌劇で見るべきかもしれない、というところで無印(勝手やなー(笑))。 ,

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

○シルヴェストリ指揮ORTF(sun jay:CD-R)1966live

およそ曲が楽団にあわず、この曲に期待される東欧的な強靭なブラスというイメージを満たす斉唱というのは聞かれず、ソロもよたったりアンサンブルがグダグダだったりするが、それは全体にも言えることで、とにもかくにも「シルヴェストリ」なのだ。熱くひたすら強引に盛り上げて、その場限りの演奏を作り上げる。方法論的に晩年チェリとは対極で後期バンスタに似ている。だから会場は大いにブラヴォ大喝采なのだが、やはりどう聴いても二流演奏に聴こえてしまう、いや、シンフォニエッタでこれほどグダグダで、しかし好き放題やってる、破天荒な魅力を発揮する演奏は特異だ。その意味で聴く価値はあるかもしれない。ボーンマスかと思ったらフランス国立放送管弦楽団とは・・・いちおう○。ステレオ録音だがややよたる。

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ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」

○ガリミール四重奏団(stradivari records)LP

凄まじい現代的な民族音楽で、バルトークもそうだが何故東欧の国民楽派というのはこうも緻密に斬新な手法が詰め込まれたメカニカルな曲を書くのだろう、と思わせる。けして頭でっかちではない聞きやすさもありながら、効果音的な複雑なパッセージが硬質な叙情をたたえた和声の上に矢継ぎ早にくり出され、とめどなく変化し続ける活き活きした律動の中に抽象化された心象を抉り出す。夢想的なところは幻想交響曲を思わせるところもある。私は恐らく10年以上この曲を聴いていないが、古い世代の人でここまで当時(1928年)の「現代音楽」についていけていた人はいないと今聞いても思った。まったく古びず、まあ弾こうなどという気はまったく起きない(最後の着地点の旋律的な部分を除けば)とても高度な思考の産物である。難曲は難曲だ。RVWも影響されたんだなあ。ガリミールは現代専門とはいえ古い世代の人ゆえハイポジに若干不安定なところがあり、これも東欧の作曲家の特徴だが超高音で旋律的に動く場面ではちょっとはらはらする。それも音色の叙情性を重視する古い世代の人ならではのことで電子楽器的に単に音程を取ろうと思えばできた人だと思うが、アマチュアリスティックに感じる人もいるかもしれない。しかし、右手はすさまじく巧い。また、最後の夢見るような旋律的パッセージで、如何にもウィーンふうの歌いまわしが聴けるのは嬉しい。○。

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

○テンシュテット指揮ハンブルグ北ドイツ放送交響楽団(En Larmes:CD-R)1980/3/3

ライヴらしいが拍手は消されている。やや荒い。勿論とても私など弾きたいとは思わない複雑民族怪奇な無茶を要求する曲なだけによほど機能的なオケでないと完璧に吹きこなすことは無理だと思うのだが、特にこの演奏ではがっしりしたフォルムを造ろうとしてはいるものの、トリッキーで奇矯な動きを振りまく旋律線の底をしっかり支えるべきリズムセクションがもともと弱く書かれているために、根本的にまとまりづらいからどうやっても軋みが避けられない。可塑性に富む不規則なリズムの多用、またそのリズムを担う楽器が低音とは限らないため何か間が抜けたような感じに聞こえがち。グダグダになりやすく、聞いていて辛くなる演奏も多い中、まだこの演奏は聞かせるだけの芯の強さを持ち合わせており、弛緩を辛うじて避けヤナーチェクの先鋭裏腹弱みを何とかカバーしているのは評価できると思う。既に紹介した演奏とおそらく違うもので、こちらのほうがミスや不整合が目立つように感じるが、いちおう○をつけておく。ギリギリで。

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

◎ケンペ指揮BBC交響楽団(imp,BBC)1974/8/30live・CD

とにかく弛緩しない!特に中間楽章における管楽器陣の超絶的な吹奏に耳を奪われ、音の決して途切れないブラスの咆哮を聞きながら、この曲で初めてカタルシスを覚えることができた。オケコントロールの抜群に巧い指揮者と言われているが、長い音符が多く大して構造的でもないこの曲からここまで引き締まった響きを引き出したのも凄いと思う。じつはそれでも、曲に入り込むことはできなかったのだが、相対的に◎とするのに躊躇は無い。終演後の凄まじいブラヴォは、盛り上がるのが当たり前のプロムスとはいえこの指揮者のカリスマ的人気を裏付けるものだろう。

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

○クーベリック指揮バヴァリア放送交響楽団(FKM:CD-R)1981/10/15LIVE

どうも、これだ、という演奏にめぐり合ったことのない曲だ。この演奏もクーベリックとは縁深いオケだけあって非常に明瞭で力強い演奏になっているが、イマイチ吹奏楽の域を出ていない。とても国民楽派の曲とは思えない新鮮さを持った傑作であるだけにクーベリックあたりの熱血名匠には名演を残してもらいたかったが、聴きやすいものの、それだけ、という感触をもった。十分鑑賞に耐え得ると思うので○はつけておくが、何か決定盤が欲しい曲である。それだけ難しい曲ということでもあろうが。
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