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リリ・ブーランジェ:夜想曲(3つの小品より第一曲、作曲年不明)

ナディア・ブーランジェ(p)イヴォンヌ・アストリュック(Vn)MALIBRAN MUSIC他 フランクの土台にドビュッシーのリリシズムを盛り込んで、明るく素直な抒情をうたったリリ・ブーランジェは、女性として初のローマ賞をえながらも(1913年の“ファウストとヘレン”)20代半ばにして夭折した。彼女についてはドビュッシーをはじめとして同時代のフランス楽壇に惜しむ声大きく、姉ナディア・ブーランジェは以後作曲の筆を折り、名教師としてコープランドら二十世紀の作曲家を育て上げる傍ら、師フォーレのレクイエムをはじめとする同時代作品の指揮に専念した。作曲の才溢れる妹のあとそれより才能の劣る自分がなぜ作曲を続けられよう、といった話しは有名である。この小品はヴァイオリン曲としてしられる唯一のものといってよい。透明な憂愁を謡う冒頭からフランクの有名なソナタを彷彿とさせながらも、後半がらりと変わってスペイン風の明るい表情を振り撒き無邪気に終わる。尖鋭さや目を見張る技術といったものは聞き取れないかもしれないが、旋律の才とある種の感傷を産み出すことのできる雰囲気をもっていることは誰しも認めざるをえないだろう。この古い盤は姉ナディアのピアノと往年の名ヴァイオリニスト、イヴォンヌ・アストリュックによる昭和5年のコロムビア録音だ。アストリュックについてはフランス六人組作品の初演者として名を留めているが、この時代にしては珍しい程の括目すべき技巧もさることながら、かつてのフランス奏法のなごりを留める音色感に魅力をもった立派なソリストだ。ミヨーの楽曲(春のコンチェルティーノ)で彼女の演奏に触れた向きも多いのではないか。きっぱりとしたボウイングの切る明瞭なリズムの上で、むねのうちに留めておくのが難しいほど懐かしくも輝かしい趣を含蓄する音が紡がれていく。あからさまな感情表現は無いものの、すんなりと聴きすすめるうちに知らずぐいぐいと引っ張り込まれてゆく。もっと大曲を入れておいてほしかった実力有る演奏家だ。カペー四重奏団との演奏及びパリ音楽院での教職活動で有名な「もっと往年」のピアニスト、マルセル・シャムピと大正9年に結婚。MALIBRAN盤はシャムピとの録音(グリーグのソナタ)をメインにしている。(シャムピの弟子にはイヴォンヌ・ロリオ、メニューヒンの兄妹などがいる。)ナディア・ブーランジェは感傷を表現することが決して無いから、この想いで深い作品についてもさらりと客観的に弾いているようだ。,
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