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レスピーギ:ローマの噴水

モントゥ指揮ボストン交響楽団(SLS)1963/8/4live

モントゥーは同曲を得意としただけあり、すんなり聴けてなおかつ印象深い演奏。スタイル的にはスマートなのだがそれなりに力感もありまとまりがあって美しい。終盤急にノイズや撚れが増え、萎えさせるものの聴衆反応はなかなか凄い。この録音ではちっとも迫力は伝わってこないが、さぞ色彩的で圧倒する演奏だったのだろう。
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レスピーギ:ローマの噴水

モントゥ指揮ボストン交響楽団(melusina他)1960/4/8live

モントゥーの十八番だけにハズレがない。ライヴ品質なので終楽章超高音コンマスソロの音程が怪しかったりはするがおおむね現代的なテクニックの高さを持ったオケがプラスに働いている。硬質の透明感があり色彩的ではあれど、オケ特有の匂いのするような色が無いので、レスピーギ的にはフランス音楽ふうの上品さとラテン音楽的な本質の世俗性がうまく調和した(まあ前者が強いが)録音として、海賊音質ではあれど印象派的な余韻をのこす。

レスピーギ:ローマの松

チェリビダッケ指揮ORTF(ARTISTS/ina配信)1974/3/25live・CD

ina配信音源は僅か籠もり、特に初曲では左右が不安定気味。むろんステレオ録音であるものの環境ノイズもやや気になる。そのためか割りと柔らかい印象をあたえる。音響的には非常に整っておりチェリビダッケらしさがあらわれ、対照的に高音域、特にハープのきらびやかな走句が目立って聴こえる。オケの抑制的で上品な音は特筆すべきだろう。アッピア街道のクレッシェンドでは爆発的な響きが出、チェリのオケを鼓舞するような掛け声が入る。ものの、この曲を得意とした指揮者たちの力感にまかせた演奏に比べ整えた感も気になるのは確かで、一斉ブラヴォの圧倒的な客席反応に個人的には戸惑いも感じた。再生環境の問題か。長いブラヴォ拍手がえんえん収録されている。ラヴェルの楽曲の演奏にみられるようなデフォルメは一切無い。ARTISTS盤より若干良い音ではある。

レスピーギ:アダージョと変奏

ロストロポーヴィチ(Vc)ロジェストヴェンスキー指揮モスクワ・フィル(russian disc)1964/4/20live・CD

リムスキーの弟子としてぼってりしたワグナー風の大曲を書いていた頃から、ここまで灰汁の抜けた擬古典的作風に至るまで、レスピーギもずいぶん遠回りをしたんだなあと思う。但し、リュート云々の作品とはことなり、ひたすらソリストがかなで続ける透明で優しい曲想も(ロストロポーヴィチは何をやってもやっぱりロストロポーヴィチ!古典的なフレーズもまた上手い、厚く柔らかな倍音をはらんだこの憂愁の音色は他にない)、最後はオケの豊潤なひびきによって大きくロマンティックなものに変わり、イギリス近代のように甘く終わる。短いがたっぷり聞いたような感慨が残るのは、やはりこの奏者たちの力なのだろう。

レスピーギ:グレゴリオ聖歌風協奏曲

リヒャルツ(Vn)ヘーガー指揮ベルリン市立管弦楽団(DG)1943/4/17

大戦中のドイツ録音群のひとつだが、録音はこもりがちでイマイチ。同曲の透明感が損なわれている分、ディーリアスの協奏曲に似た印象をもたせる。とにかく長い曲なので単一楽章のディーリアスとは比べられないし、民謡旋律としつこい半音階からなるあの独特の音楽とは異なるのだが、いずれも技巧的な面がそれほど目立たず、響きに重量感がある場面が多く、それがドイツ風の演奏によっていっそう強調された結果似ているように感じさせるのだろう。ソリストには特筆すべきところはない。バックオケはそれなりにやっている。録音マイナス無印。

レスピーギ:グレゴリオ聖歌風協奏曲

○スティーラー(Vn)ボルサムスキー指揮ライプツィヒ放送交響楽団(fr:CD-R/urania)1953

「噴水」を彷彿とさせる鮮やかな出だしに身を乗り出すが、ロマンティックなくぐもりを内包した音楽に流れてゆき、その重ったるさに胃もたれ30分強(ヴァイオリンという楽器の性質上しょうがないのだが)。ただ、演奏によるところも大きいし、グレゴリオ聖歌よりも民謡を思わせる親しみやすいフレーズが聴かれるところ、あきらかにRVWの作品に近似したものを持っていて清々しい。演奏技術はそう高いものは求められていないが、このソリストはいかにもドイツ風でギリギリ弦に弓を押し付けて単調な音をひたすら聴かせるオケプレイヤータイプ、音色での楽しみはほとんどない。ボルサムスキーは割りと幅広いレパートリー、とくに近現代を録音していた指揮者でここでも重苦しさはあるもののしっかりと音楽を届けさせてはいる。今これを聴く価値があるかどうかは疑問だが、私のようなボルサムスキーファンは持っていても良いか。ボルサムスキーファンが世界に何人いるのか知らないが。

レスピーギ:ローマの噴水

○バルビローリ指揮NYP(artone他)1939/2/21・CD

バルビの噴水はデータが混乱しているが一録音しかないのでご注意。artoneなど近年の復刻は物凄くリマスタリングされていてノイズがカットされ音は人工的に整形されてほとんど最近の録音のような印象を受けるが、バルビに人工的な音は合わないのでそこをどう捉えるかは一つ問題としてあるだろう。だが鑑賞に堪えうる音としてこういうやり方はありだろう。実際リマスター音源だと瑞々しく溌剌とした壮年期バルビの芸風がいちだんと引き立って聴こえ、ノイズ塗れの音では味わえないレスピーギ的な絢爛豪華さをちゃんと認識できる。オケの技巧もしっかりしていることがわかるし、バルビは決してグズグズにする指揮者じゃなかったことが再認識できる。いろんなレーベルから出ているSP音源だが、敬遠せずこってりリマスタリングされた盤も試していただきたい。あっという間に聞き終えた。○。

レスピーギ:ローマの松~Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ

○クラウス指揮VPO(M&A他)1942/8/27ザルツブルク音楽祭live・CD

アッピア街道の松が欠損しているという信じられない状態ではあるのだが、シャンデリアを揺らすような一楽章の冒頭よりゴージャスな(やや違和感もあり)響きの音楽が展開されてゆく。重いテンポで噛み締めるように進むのと、ソロ楽器の音にどうにもラテンの風は吹かないものの、ジャニコロの松はとても美しい。いかにも往年のウィーン・フィルの演奏であり、こってりねっとりと、でもあくまで明るく透明で、壮麗壮大であり、クラウスの腕が光る。いやこの指揮者は近現代に向いていたと思うのだが録音は少ない。ドイツ語によるフィガロの録音のおまけ。ファリャも収録されている。録音状態も環境雑音もひどい。melodiyaのLPに収録されている音源と同一と思われる。

レスピーギ:リュートのための古い歌と舞曲弟3集~アリア他

○バルビローリ指揮NYP(DOCUMENTS,artone)1938/2/7・CD

まったくバルビ向きの曲で、パーセルとかRVWの室内合奏とかやっている感じで軽く、僅か感傷的に聴くことができる。編成をしぼっているのかNYPにしては統制もとてもよく行き届き、壮年期の溌剌とした演奏振りは才気煥発といったふうだ。チェロパートソロのフレージングなど後年のどろどろしたうねりは無いものの、さすがチェリストという特有の巧みさを感じさせる。これは私はCD復刻を見たおぼえはないのだが、ひょっとすると協会盤(DUTTON)で復刻されていたかもしれない。

レスピーギ:ローマの松

○シュヒター指揮NHK交響楽団(king,NHK)1959/11/8放送・CD

完璧主義者として知られたシュヒターの記録である。私は「日本だから」というようなレッテルをプラスにせよマイナスにせよ貼りつけて評価するのがキライで、これはシュヒターの松であること、たまたま日本の楽団であること、という前提で聴くわけだが、なかなかによく鍛え上げられた演奏、という印象に尽きる。シュヒターの燻し銀の演奏は時にロマンティックな方向にも振れ、そこがチャイコなどでは魅力になるわけだが、ここでもヴィブラートすらかけさせないような(まドイツ式といえばそれまでだけどソリストの「棒吹き」「棒弾き」はちょっと気を削ぐ)厳しい統制があるからこそ、リリカルで透明感漂うセンスに富んだ演奏がなしえているわけである。とくに聴き所は3楽章であろう。逆に、もっと破壊的に、突進する迫力が欲しかったのは4楽章だ。数々の即興的名演が産まれている「アッピア街道」だけに、相対的には「普通」という感じ。シュヒターらしい中庸さと言うこともできるだろう。オケは決してドイツ的な雰囲気が濃いわけではない。ただ、記譜外での音色変化に乏しく、無個性な感が否めない。解釈のせいでもあろう。総じて○。

レスピーギ:ローマの祭り

○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(RCA他)1949/12/12・CD

初演者による演奏というのは言わずもがな、主顕祭の瑞々しい表現といったら。トスカニーニの悪い録音からは伝わらない色彩性がぴしぴしと伝わってくる。ただこの録音、モノラルではありけっして万全なものではない。ただ主顕祭。弦の艶やかさ。この音楽の強さと美しさがトスカニーニNBCの「音が悪い」「篭る」という印象を覆してくれた。それだけである。今の復刻でもかなり音は改善されているというが、それほど原音から手を加えなくてもここまでリムスキー的派手さを再現できるというのは価値がある。○。原盤によってもかなり改善されるようで、そこも確認したうえで購入されるべし。

レスピーギ:ローマの松

○チェリビダッケ指揮不明(C&R:CD-R)1978live

演奏様式的に70年代中盤のイギリスでのものか。録音が極端に悪くとても人に薦められる代物ではないが、3楽章の美しさはそれでも伝わってくるものがあり、精力的な音楽作りの中でも後年の精緻さを伺わせる繊細な美観をもったものになっている。なので○。

レスピーギ:ローマの松

○スヴェトラーノフ指揮スウェーデン放送交響楽団(weitblick)1999/9/10live・CD

かつてweb放送され非正規でも話題になったもの。音質やノイズは正規化されているとはいえ放送録音レベル。1楽章はテンポが後ろに引きずられるようで、これに拘泥してしまうと後が楽しめない。先入観のない人向けか。ちょっとストラヴィンスキーのバレエ曲を思わせるソロの踊らせ方をするところはスヴェトラらしい。2楽章はそのテンポと重いリズム、ロマンティックなフレージングが壮大なロマンチシズムにつながり、けしてそういう曲ではないのに納得。3楽章は美しい。白眉だろう。ロマンチシズムが晩年スヴェトラの志向した透明感のある高音偏重の響きとあいまってこの清澄な音楽にとてもあっている。4楽章は賛否だろう。早々とローマ軍が到着してしまいひたすらその隊列を横で見ている感じ。譜面を見ていないのでわからないがクレッシェンドとデクレッシェンドがそれほどの振幅なく、音量的には大きく煌びやかな側面を見せ、最後に、巨大な音符が待っている。ストコに似ているが、ここまで音符を引き伸ばすことはしない。だいたい、ブラスがもたない。ここでは何らかの方策をとっているだろう。この一音だけを聴くための演奏といっても過言ではない。全般、松の新しめの演奏としては面白い、という程度だが、物好きには、音も旧録よりいいし、どうぞ。ちなみに迫力やテンポの速さ等、スヴェトラらしさとエンタメとしての完成度の高さは旧録のほうなので念のため。技術的にはこちら。

レスピーギ:「ローマ三部作」(交響詩「ローマの噴水」、交響詩「ローマの祭り」、交響詩「ローマの松」) スヴェトラーノフ指揮スウェーデン放送響1999レスピーギ:「ローマ三部作」(交響詩「ローマの噴水」、交響詩「ローマの祭り」、交響詩「ローマの松」) スヴェトラーノフ指揮スウェーデン放送響1999
(2011/02/25)
オットリーノ・レスピーギ、 他

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・スヴェトラのスウェーデン「松」遅・・・鈍重・・・こういうのが有り難がった時期・・・
・おう、スベトラ先生スウェーデンの、ジャニコロいいじゃん。晩年の清澄な響き、対してたっぷり時間をかけて歌う旋律、カタコンブの巨大洞窟みたいな場違いさが、同じやり方ではあるけど、こっちははまってる。アッピアが声部バラバラでまずかっただけか。鳥鳴きすぎ。
・こんなアッピア街道きいてしまったらアマチュアごときはこの曲二度と演るな!とか思うな。最終音がこの長さで聴けるのはスベトラ先生だけ。スウェーデンSOは上手すぎて、程よく中和しているけど、USSR全盛期のスベトラは凄かったんだ。時代は変わったなあ。
・NHKはスベトラ客演のマーラーとかちゃんとDVDにしてくんないかな。録画録音失敗しまくった。

テーマ : オーケストラ
ジャンル : 音楽

レスピーギ:ローマの松

○ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(SCC:CD-R他)1960/2/12live

有名なフィラデルフィア凱旋ライブで盛り上がりもすさまじいが、日本ストコフスキ協会盤LPで舞台上で動く管楽群がよく聞き取れる云々書いていたと思うが、SCC盤のうぶい音でもそれはよくわからない。フィラ管の弦は明るく華々しいがヴィブラートの根があわないような雑味は否定できず、恣意的な三楽章、クレッシェンドが抑え切れない四楽章などいつものこととはいえこの曲の第一には推せない。ただくりかえしになるが音はいい。やる気も。瑕疵が少ないし。○。

レスピーギ:ローマの松

○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(SCC:CD-R)1969/11/24LIVE

ストコフスキの松は遅い。鈍重でぶよぶよしており、リズムが引き締まらない。響きが雑然としてしまう。中間楽章はロマンチックでいいが(ローマだけに)、とくにアッピア街道の松は息が続かなくなりこけたりバラけたりと、開放感のないなんとも締まらない感がある。早々とクレッシェンドの頂点に達してしまい、そのまま吹かしているような。悪くはないが、よくもない。

レスピーギ:ローマの噴水

○ライナー指揮シカゴ交響楽団(RCA)CD

芸風的にはいかにもアメリカに多かったギチギチ高精度なうえに押せ押せのテンポという、トスカニーニの亡霊にとりつかれたままのようなもの、それがライナーにおいても表われているが、この人は色彩をそれほど煽らず、表現も深堀りせず隈取を濃くすることは決してなく、ライヴではあらわせないようなニュートラルな美観を音盤にて示すことがままあり、これもその感が強い。オケの力量や力感よりも、わりとすっと聴けてしまう、余りイタリア的な瞬間湯沸かし器が発火しない演奏に思えた。○。

レスピーギ:ローマの噴水

ドラティ指揮ミネアポリス交響楽団(MERCURY)1960/4・CDマーキュリーの録音は音場が狭く四畳半で大オーケストラを聴いているようなせせこましさがある。これは設備によっては生々しく迫力有る録音にきこえるのだろうが、一般レベルのステレオセットで本当に迫力を感じるほどのスバラシイ録音効果を与えられるものなのだろうか、少なくとも私のセットではぜんぜんダメ、ましてやヘッドフォンでは頭の廻りでハチがぶんぶん飛び回っているような感じ。この曲も近視眼的な録音というか細部は明瞭なのに全体の迫力が無い。結果として粗雑な感触さえおぼえる。曲がいいからメディチ家の噴水の仄かに感傷的なひびきはそれなりに良く聞こえてくるが、この曲の醸す想像力の豊穣さを演出するには余りに広がりの無い演奏、録音のせいと信じてマイナスではなく無印にしておく。曲はいいんですよね。。。,

レスピーギ:ローマの噴水

シノーポリ指揮ニューヨーク・フィル(dg)1991/4非常に計算され尽くした演奏のくせに、生ぬるい情感にあふれた演奏になっている。巧い。つねに節度をもっているから、どうしてここでもうすこし、という不満もなきにしもあらずだが、同曲を印象派音楽ととらえた場合、非常に価値をもってくる演奏だ。ハーモニーの整えかたが神経質なまでに行き届いている。私はこの演奏を聞いて、ああ、たしかにデ・サーバタに似たスタイルを持っているが、違う所もあるなあ、と思った。これはジェネレーションの違いなのかもしれない。,

レスピーギ:ローマの噴水

カンテルリ指揮ボストン交響楽団(ASdisc)1954/12/25live早世した指揮者カンテルリは、天才だったのか。この演奏を聞くにつけ、その疑問が湧いては消える。だって、現在活躍中の指揮者の盤と比べて、とりたてて優っているとは思えないからだ。録音が悪いぶん分が悪いともいえよう。この「噴水」はやはり音が良いに越した事はない。録音の悪さはこの神秘的な幻想を汚い水で汚してしまう。平凡な解釈、そう、現代において容易に聴きうるくらいの演奏。そんな印象。,

レスピーギ:ローマの噴水

○プレヴィターリ指揮聖チェチリア音楽院管弦楽団*(EVEREST/PILTZ他)1959・CD 私のLPはサージェントの松とカップリングだが(両方とも今はそれぞれCD化している)、大分に趣が違う。プレヴィターリはイタリア系指揮者でも比較的常識的な演奏を行う指揮者だと思うが、それでもこう並べられていると楽天的で派手な指揮者に聞こえる。同じ楽団なのにおかしなものだ。ずっと聴き易いことは確かで、レスピーギに期待されるものをしっかり持った演奏である。ちょっと思索的な雰囲気に欠け一面的なきらいもあるが、安心して楽しめる。個人的にちょっと食い足りない気もするが、サージェントに○をつけたことだし、こちらも○にしておく。*オケ名訂正しました(LP表記ミスのため)録音年はPILTZ国内盤CDを参照。,

レスピーギ:ローマの噴水

○バルビローリ指揮ニューヨーク・フィル(dutton/pearl)1939/2/21古い録音ゆえ音のバランスとか音色とかについて語るのは難しい。ダットン盤はかなりクリアに仕上がっており、昭和14年の録音とは思えないほどだ。壮年期のバルビローリは新即物主義に影響されたようなところがあり、強力な推進力を感じるが、騒々しい感もある。録音のせいか?意外にきらびやかで派手。心なしか音に重みがあり、安定した聴感もあたえる。なかなかに法悦的なメディチの演奏は、しかし音楽の描きかたが明瞭すぎる気もする。無論録音のせいでそう感じるだけかもしれない。バルビ節ともいうべき歌心には訴えるものがあり、佳演とするのに躊躇はない。機会があれば聴いて確かめて頂きたい。,

レスピーギ:ローマの噴水

○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(rca)1951/12/17この曲だけが最後まで理解できなくて、いろいろと新しい演奏を逡巡してひたたびこの盤にかえってきて、はじめてわかった。素っ気無いほどあっさりとした、でも絢爛たる色彩をはなつトレヴィの噴水、そのあと妖しげな香気をはなつたそがれのメディチ荘の噴水。トスカニーニの手法はあくまで各個音符を明快に響かせて、曖昧な所を残さないやり方に思える。印象派好きにとっては好悪分かつだろう演奏だ。この曲が印象派のもとにあると解釈する人にとっては。トスカニーニのつくる音楽の密度の高さが、うすぼんやりとした薄明の美学を損なうと感じられるかもしれない。終盤で鐘の音が遠く響く所、トスカニーニ盤は(おそらく録音上の都合だろうが)近場でカンカン鳴る。そういう無骨なところがこの演奏にはある。ヴォーン・ウィリアムズやホルスト、そしてむしろいちばんディーリアスに近い音響感覚を持つ作曲家だと思うが、この演奏ではその近似性は聞き出せない。いや、悪いと言っているのではないのだが。,

レスピーギ:ローマの噴水

◎デ・サーバタ指揮聖チェチリア音楽院管弦楽団(emi)?私がローマ三部作に着目しようとしたきっかけの演奏だ。わかりやすいし、適度に冷静でも情熱的でもあるし、オケは巧いし、指揮は颯爽としているし、面白がっているうちにあっさり聴き通してしまう。たそがれのメディチ家の、ヴァイオリンの切ない音が心に響いた。こういう静謐な情感の演出が巧い。精緻な演奏だ。曲自体の持つ生ぬるい感覚を保ちながらも緻密な計算のもとに確実に響かせている。ヴォーン・ウィリアムズを感じるのはこういうところだ。それにしても一昔前の演奏にしてはずいぶん現代的でもある。これは名演としておきたい。,

レスピーギ:ローマの噴水

○スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(SCRIBENDUM/MELODIYA)1980/2/20LIVE・CDどこが下品なんだろ。かっこいいじゃん。そんなおちょぼ口じゃ、美味いもんも食い逃すよ、なーんて憎まれ口も叩きたくなる。確かにライヴだからミスもあるし整理整頓もされてない。録音もオケに近すぎて雑然とし聞きづらい。でもひとつひとつの音の美しさを聴いて欲しい。スクリアビンが得意なスヴェトラーノフだけに、木管同志が法悦的に絡み合うところに鉄琴などが振りかかりヴァイオリンソロが妖しく踊るメディチ家の噴水なんて素晴らしくイマジネーションを駆り立てるものがある。振り返って2、3楽章なんてのも圧倒的な力感と繊細な技巧(個人的には影にかくれたフルートの震えるような音色に萌えた)の織り成す万華鏡、じつに美しく、じつに野蛮で、それはまるで千変万化の水のように矛盾をはらみながらも他の何物でもない「音楽」そのものをつたえる。シェヘラザードの演奏を思い出すかたもいるかもしれないが、ライヴだけにのびのびとしていてより開放的だ。やはり終楽章に止めを刺すが、木管だけに傾聴して頭から聴いてみるとロシアン・ウィンドのまずはソリストとしての凄みをより強く実感できると思う。ブラスも弦もそれなりにいいけど、フルート、クラ、オーボエのそれぞれ個性的な音色と表現力に感服。最後に、決してこれはトンデモ盤じゃありません。録音が違えば印象はずいぶん好転したものと思う。○。,

レスピーギ:ローマの噴水

◎クレメンス・クラウス指揮ウィーン・フィル(Disques Refrain/re!discover enterprise:CD-R)1945/3/19live録音の音の悪さを飛び越えて、オケの表現意欲の強さに圧倒されてしまった。弦楽器が強烈だ。しかもライヴにもかかわらず、非常に精緻に演奏されており、ごまかしや荒れはほとんどない。やや曲のワグナー性が引き出されてしまったようなところもあるが、それはそれでひとつの見識だし、面白がるべきだろう。しっかしほんとうにミスの無い、ものすごいアンサンブルだ。それでいて音に色気がある。トレヴィの噴水の強大な音楽・・・。歴史的価値の高い演奏であるが、悪い録音からもそんな情勢下で行われた演奏会の、充実した演奏ぶりは伝わってくる。印象派とは逆方向を行くような演奏で、オーケストラの絢爛たる絵巻きを楽しむような演奏だが、たそがれのメディチ荘の噴水での、様々なリアルな音に彩られた遠くの鐘の音は独特の聴感をあたえる。こんなに各楽器が歌いまくるメディチも少ないだろう。じつに妖しい、生々しい終盤の音楽。なんという音色だろう。。。この時代を代表する名ライヴだ。,

レスピーギ:ローマの噴水

○クアドリ指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団(WESTMINSTER)高い旋律性と色彩的な管弦楽に振り撒かれたワグナー風味のあいまった混合様が面白い「松」につぐ名作だが、私はあまり親しんでいないせいか、この演奏でもかなり楽しめた(誉めてるのか?)。言われるほど下手じゃないと思う。個人的感覚だとこの曲は白地に赤い複雑な模様の施されたタペストリーといった感じで、単純な音彩であるものの織り込み具合が面白く、旋律以外でも意外に楽しめる。「松」の極彩色の音楽との対比がよく出来ており、一枚の盤としても充実感がある演奏だと思う。○ひとつ。,

レスピーギ:ローマの松

ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団(emi)初出1985オケが少し遠い。あと、録音もまるで綿にくるんだように茫洋とした感があり、不満だ。オケのパワーは諸所で開花しており、今更何を言うまでもないことだが、とくにアッピア街道の松の適度に粘ったスペクタキュラーな表現は特筆すべきだろう。ただ、他の楽章の魅力がいまいちである。フィラデルフィア管弦楽団の演奏としては、この前にオーマンディの2枚があるが、それも個人的に皮相な感触が好きになれなかったので、要はこの曲に私が求めるモノを、フィラデルフィア管が持っていない、というだけのことだろう。そのモノとは何か?少なくとも、トスカニーニ盤にはそれがある。,

レスピーギ:ローマの松

ミュンシュ指揮ニュー・フィル(LONDON)1966/1 イマイチノリの悪いオケのせいもあるが、鈍重で野暮に聞こえる。1楽章はロマン派的くぐもりが支配しており、内声部が充実しているぶん前進性が損なわれている。2楽章も濁っており鈍重だ。3楽章は逆にロマン派的アプローチが功を奏している。色彩的で心象的で、哀しいほどに美しい。ゆっくりした楽章だから、ミュンシュのアバウトなところが目立たないせいもある。4楽章は重々しい。そのせいか重い。どっしりしすぎて行進に聞こえない。オケも何か「こなしている」という感じしかしない。全般、無印。,

レスピーギ:ローマの松

マキシム・ショスタコーヴィチ指揮ソヴィエト国立放送交響楽団(MELODIYA)かなりあっさりめで軽い演奏だが、瞬敏さは特筆すべきか。ロシアオケのローマ三部作といえばスヴェトラーノフだが、およそ違う解釈である。ロシアオケの個性は抑えられ、響き重視の節度ある表現は物足りなさを感じる。表面的な演奏と言い切ってしまおう。そういう演奏。,

レスピーギ:ローマの松

チェリビダッケ指揮トリノ放送交響楽団(NUOVA ERA)1968LIVE 5回聞いた。で、やっぱり入り込めなかった。四角四面で今一つノることができない演奏。録音の悪さが全ての悪因である気もしなくもないが、それにしてもある意味厳しく純音楽的なものを追求した演奏であり(イタリアオケなのに「遊び」がまったく感じられない!)、そうであるがために1楽章の喜遊性、2楽章はいいとして3楽章の夢幻性、4楽章の爆発的なダイナミズムにおいて全て一歩引いてしまっているから面白くない。終演後の物凄いブラヴォーと拍手は、ひょっとすると実演の迫力を録音がとらえきれていないのかな、とも思うが、これはどう転んでも「イイ録音記録」とはいえない。無印。,
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