タンスマン:ポーランド狂詩曲

ロジンスキ指揮クリーヴランド交響楽団(columbia/SLS)1942/4/18

columbia未発売の録音とのこと。曲はディーリアスかよというような音詩からいくつかの聴きやすい旋律が現代的なハーモニーを織り交ぜて綴られてゆき、最後はドビュッシーかよというようなイベリアな踊りで終わるキャッチーなもの。狂詩曲と言われれば確かにその類の音楽ではあるが、バルトークと同時代の作曲家のものと言われれば少し古い感もある。ロジンスキはさすがの纏め方でノイズまみれの音の中からもしっかり固めてきているのがわかり、職人的な巧さと強権的な統率力を感じる。
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タンスマン:交響曲第6番「イン・メモリアム」

デゾルミエール指揮cho&ORTF(ina)1947/11/1

デュルフレ、ライタとともに放送された中では最も追悼に相応しい曲だが録音状態が悪く一楽章はフニャフニャ。不協和音と変則リズムが悲痛な雰囲気を醸すも抒情味が浮き上がるのが特徴的で、特にオネゲルの描くような牧歌風のフレーズの織り交ざるさまが印象的。

タンスマン:弦楽のための6楽章

ルコント指揮ORTF室内合奏団(barclay、INEDIT)LP

演奏するぶんには面白いと思う。しかし、中途半端な現代音楽だ。新しい試みもバルトークに及ばない。タンスマンにこういうスタイルは、私は求めない。演奏はとてもこなれた楽しいものだが、構造を念頭に置かないとちいとも面白くない。本質に触れていないのか、本質が無いのか。無印。

タンスマン:弦楽合奏のためのトリプティク

○ジンブラー弦楽シンフォニエッタ(DECCA)LP

RVW「アカデミックな協奏曲」(ソリスト:フックス)の裏面に収録されているもので、題は「三幅画」等の意をはらむ。元は弦楽四重奏曲でクーリッジ夫人に捧げられたもの。初演直後に合奏曲編曲されゴルシュマンのセントルイスのシリーズに組み込まれ長く成功をおさめた。漂泊の作曲家34歳のときのことである。もっと大規模な編成にあうという本人の考えによる編曲のようだが、大体において下地が小規模アンサンブル曲である場合、例え作曲家本人の手によっているとしても完全には成功し難い。単純性を払拭しきれないのだ。

中欧の民族音楽に強く影響されたエネルギッシュな音楽、というライナーの記述からも「新しい音楽ではない」ことは伺える。抽象音楽指向だが新古典ふうではなく、時代性がある。いわば折衷的だ。耳馴染みのよい、適度に晦渋で少し不器用だが、部分的に個性的な透明感ある響きと書法がはっとさせ、ニールセンからマルティヌーといった作曲家のはなつ煌きと同じようなものを持っている。演奏はギチギチの弦楽合奏団であるこの合奏団らしさは依然あるが、若干の柔らかさと濁りが加わっているようにも思う。それは曲のロマン性、とくに三楽章後半に現れる清澄な・・・確か影響を受けたと言していたと思うが、RVW最盛期の感傷音楽に似たフレーズは印象的で、曲的には焦燥感の中にこれを持ち込むのはオネゲルのやり方を思わせちょっとあざといけれども、逆に一番の聴き所となっており、演奏もここで太い響きを滑らかにうねらせている。○。

タンスマン:七つの小品「子供のために」(ハープ・ソロ編曲)

◎ラスキーヌ(HRP)(ERATO)CD

タンスマンは近代フランス楽派系の作曲家の中でも流行作家のような扱われかたをしているようだ。確かに世俗的だったり無個性的であったりもするのだが、この、元々ピアノのために作曲されたごくごく短い曲の群れは、ささやかな夢、かつて触れたことのあるような、ある曲はクラシック風だったり、ある曲はジャズ風だったり、シャンソンだったりといった、思い出が無造作に散らばった子供のころの日記のように、素直に愉しめるものだ。ゴチャ混ぜという点ではたとえばウォルトンの「ファサード」組曲にも似ているが、ここには素材が素材のまま(毒気無しに)単純に置かれているだけである。それがハープで奏されることにより、全くオルゴール風にひびく。綺麗で、多様な、それでいて全曲を通じて、懐かしい感じのする、例えていえば子供の頃に集めたビー玉のような作品だ。ラスキーヌの変幻自在な技がここでは曲にとてもあっている。子供のように無邪気な表現もすれば、ワルツでは優雅なクラシカルな演奏もしてみせる。感傷的な曲では振幅を広げ、愉しい曲は速度を上げる。全く言うことがない。つまらなかったらそれはもう曲の限界。(1995記),

タンスマン:管弦楽のための音楽

○クーベリック指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)1950/3/23放送LIVEむかしダンス☆マンという人がいたがこれはタンスマンです(・・・)。ポーランドからフランス、戦中はアメリカにわたり戦後フランスに戻った漂泊の作曲家です。私はほとんどギター曲しか知らないので興味深く聴きました。この作品は第二次大戦直後(といっても47年ですが)の作曲で、いろいろなスタイルをその洗練された音楽性の中に採り入れていったタンスマンの実力が発揮されている。ネオ・ロマンチシズムの陳腐にも陥らず前衛の頭でっかちにも靡かず、独自のわかりやすさを追求したかのようだ。1楽章、快活なアレグロ楽章。空疎な響きが随分とアメリカっぽいと感じたが聞きやすいのは確か。ヒンデミットのようにひたすら細かく動きまわる弦楽器としっかり絡み合う管楽器など、没個性的かもしれないが素直な爽快感がある。2楽章レント、適度に晦渋なところなどやはりアメリカっぽいが、途中に極めて美しい旋律と和声が入る箇所があり、宗教的崇高さすら感じさせる。不思議な清澄さはいわばヴォーン・ウィリアムズの作品のように瞑想的だ。イギリス的と言ってもいい。この風情は再び動」きまくる3楽章モルト・ヴィバーチェにも唐突に入ってくる。それ以外はリズムを単純にしたコープランドといった感じだが旋律構造などやはりヒンデミットと言ったほうが適切だろう。1楽章でもそうだったが、管弦楽の下にピアノを配するやり方などストヴィンスキーの影響と考えるのが妥当だろう。但しストラヴィンスキーとはまた違った、よく調和した美しい響きをはなつものになっている。六人組、とくにミヨーの響きも聞こえるが4楽章アンダンテ~アレグロはそんな雑多な派手さで盛り上がる。全般、ポーランドの情趣が何処にあるのかわからなかったが、同時代もしくはちょっと前の世代の音楽を意欲的に吸収していった作曲家なのだなあ、と感じた。録音は悪いが○としておきます。この曲はテンションが低いと成り立たなさそう、そのぶんクーベリックは適切な指揮者だ。 ,

タンスマン:カヴァティーナ

○セゴヴィア(g)(BBC,IMG)1955/8/28LIVE・CD 古風な佇まいの曲でいながら端々に現代的というか「現代軽音楽的」な瑞々しいハーモニーがあらわれたりちょっとオリエンタリスティックな音形が出たりといかにもこの人らしい。タンスマンはギター曲をよく書いたが、ラスキーヌがハープで録音したくらい名曲が多く、様々な世界音楽要素の万華鏡的世界に幻惑されることが多い。しかしここではカヴァティーナの範疇で基本的にはメランコリックな情景をうたっている。セゴヴィアは暗く落ち着いた音色でこれまた古風なひびきの音楽を形作っている。さして難しい曲とは思えないが淀みなく流れるようなセゴヴィアの芸風には品が感じられる。まったく古典を聴いているふうであり、耳に優しいひびきにじっと耳を傾ける、そういった聴衆の姿が目に浮かんできそうな演奏ぶりである。最後は大きな咳が聞こえるが盛大な拍手にかき消される。これはタンスマンをタノシムには短すぎるがセゴヴィア芸を聴くにはなかなか渋い選曲だと思う。○。録音モノラル。,

タンスマン:預言者イザヤ

◎ケンペン指揮ヒルヴァーサム放送フィル&合唱(EPIC)

さいきん本当にいい演奏録音にめぐり合えて嬉しい。この効果的なオラトリオはRVW的な感傷的な清澄さから新古典的なメカニカルな世界に展開していき最後は爽快なリズミカルな音楽で大団円となる。オケと合唱のまとまりがよく精緻な構造の再現とリズム処理の巧みさが非常に際立っている。とてもわかりやすい折衷的な音楽といえるが、演奏がそれを更に聞きやすく親しみ易くしている。ともするとRVWのオペラのような田舎臭さやのんべんだらりとした駄々長さに陥るかもしれないし、ヒンデミット的な部分を闇雲に煽ることで硬質で聞きづらい穴に落ちるかもしれない、その両方を避け世俗性ギリギリのところで楽しく聞かせてくれる。馴染み無い曲を面白いと感じさせるのはやはり、名の通った指揮者であることが多い。◎。

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