黛敏郎:バッカナール

ロザンタール指揮ORTF(ina配信)1968/2/15放送

かつてのアメリカの騒音主義的な(ジャズのイディオムや打楽器主義込の)音響に接近しながらも、オネゲルからジョリヴェ(ガムラン要素など近い)、さらにその先の世代の作風まで取り入れた、ないし先んじすらした非常に多彩多様式的な印象を与える黛世界を象徴する作品。魅力的な旋律も忍ばせられているところがこの人の聴衆への態度を明確に示している。ロザンタールにうってつけの開放的な響きの饗宴で、作品自体がしっかり書かれていることもあるのだろうが、拡散し過ぎて瓦解するのを防ぐ手綱さばきが巧い。当時のフランス音楽に近接した作品であり、なおかつそれを越えて耳を惹く要素を多々知的に組み込んだところが、聴衆にも非常に受けた様子がうかがえる(ina配信音源で新作や稀作が入っているときは決まってそうなのだが、作曲家が臨席していると思われる)。パリには一旦背を向けた人ではあるが、これだけの短い中に語られることの多きの中に、フランス音楽への意識が無いとはとても言えない。良い機会に良い演奏家により良い聴衆の前で演奏された幸福の記録と思う。
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黛敏郎:曼荼羅交響曲

山田一雄指揮NHK交響楽団(NHKSO)1976/10/13LIVE・LP

そういえばここでアジア系作家の作品を取り上げるのは初めてだ。1楽章金剛界曼荼羅は騒々しい。透明で怜悧硬質、ぼよーんという響きが特徴的だがいかにもトゥランガリラな音楽にはあまり日本的なものは感じない。メシアンとの違いは清澄で禁欲的な楽想にあるが、美しく感傷的ですらある2楽章(胎蔵界曼荼羅)前半は寧ろいかにもウェーベルン以降の現代西欧音楽といった感じだ。そしてよくわからないうちに騒々しくなったり静かになったりが断続的に繰り返され(作曲家の言葉どおりであるが)終わりまで続く。曲的には美しく技術は確かだが、余り個性はない。演奏は比較のしようがないがこのオケにしては精度が高いことを付け加えておく。

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