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モーラン:シンフォニエッタ

○ビーチャム指揮RPO(somm)1947/4/26ロイヤルアルバートホールlive・CD

録音が悪いのが非常にマイナス。曲の本質が見え易いのか難いのか、亜流シベリウスに聞こえて仕方ない。ビーチャムはシベリウス消費大国イギリスの先鋒だったし、実際スマートですばしこい演奏ぶりはロイヤルフィルの透明度とあいまってシベリウス向きだったが、これはモーランの個性をあまり感じ取ることができない。RVWで始まりウォルトンで終わる、それだけの合奏曲に聞こえてしまった。
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モーラン:弦楽三重奏曲

○プーネット(Vn)リドル(Va)ピニ(Vc)(COLUMBIA)1941/5/16・SP

RVWのSQ1みたいな曲を探しているならばこれを聴いてみてほしい。牧歌的、ながらもより躍動的で楽しい。中間楽章にはバックスのような、というかモランの個性と言うべき複雑な心象も反映され、各楽章の性格分けがはっきりしていてRVWより円熟し多彩な印象もあたえる。演奏がまたいい。当時の英国のトップを担うトリオで力量は素晴らしいがスリリングというより肩の力の適度に抜けた愉悦的なアンサンブルを楽しめる。○。

モーラン:交響曲ト短調

○ボールト指揮ニュー・フィル(LYRITA)CD

前時代的な趣を持ったロマンチックな弦楽合奏から始まる大曲。シベリウスに民謡旋律を載せたような音楽は多分に映画音楽的でもある。ティンパニはシベリウスというより音響増大器扱いだし、ブラスはシベリウスとは違いRVWの華麗なやり方に接近している。やや散漫な印象もあるが各楽章にそれぞれ聴かせどころがちりばめられ、ニュー・フィルの技術力が存分に発揮される。シベリウス後期交響曲ふう(ときおりソックリ)の書法を交えた爽快な四楽章でしまる。まるでウォルトンの1番のようなしつこい終止部はむしろベートーベンのエコーなのか(カップリングの仮面劇のための序曲も同様の終わり方をする)。ボールトはなんでこんなにうまいのか、高貴にして逞しく美しい。○。

モーラン:仮面劇のための序曲

○ボールト指揮LPO(LYRITA)CD

ポーツマスポイント序曲に一工夫ふた工夫したような曲、と言って通じるだろうか。人好きする旋律をリズミカルに操りながら透明感ある音響で彩った佳曲。半音階的揺らぎ、転調がそこに独特の硬質の聴感をくわえ、シベリウスやフランス現代音楽に感化された同時代英国作曲家と一線を画した独自性を発揮している。シベリウスというよりホルストみたいな弦の刻みにもにやり。RVWを想起する木管の「酷使」具合にもにやりと。イギリス音楽の神髄は木管アンサンブルにあり、とでも言っておこうか。そういった内容にこの指揮者このオケは必要十分過ぎる。録音のよさもあるが、ボールトにしては明るくすかっとした演奏。

モーラン:シンフォニエッタ

○ボールト指揮LPO(LYRITA)CD

旋律性を固持した折衷的作風だが、モダンでみずみずしいリズム表現はウォルトンやコープランドをも想起するモーラン。この曲もバックス的な現代性を表面上は貼付けながら、中身はディーリアス風和声を織り交ぜたRVWであったりシベリウスであったりもっと昔の旋律的な後期ロマン派音楽であったりと、シンフォニエッタという名称に期待される合奏協奏曲的な立体的な構造は三楽章にならないと聞こえて来ない。ボールトが立派にやり過ぎていて、大曲感が強く、もっと軽く透明にやると違ってきこえるかもしれない。もっとも、個人的にはバックスの曲なんかよりずっと魅力的に聞こえた。人好きする作曲家だ。人間的な末路を選んだ人らしい内容だ。

モーラン:ヴァイオリン協奏曲

○サモンズ(Vn)ボールト指揮BBC交響楽団(PRISTINE)1946live

ディーリアスの影響がものすごく大きい曲だが、屈折したところがなくストレートにロマンティックで、長々しいマンネリズムに飽きてしまうところも否めない。録音が悪いと苦行である。ソリストもオケも緊張感があり、ストレートにロマンティックなのだが「手「が」余る」作品だな、という感じだ。耳新しいのはスケルツォ楽章だろうか、半音階的にうねる分厚いハーモニーというディーリアス風の作風がもっと近代中欧的な趣をかもしワルツ主題など面白い。○。

モーラン:交響曲第1番

○ヘイワード指揮ハレ管弦楽団(PRISTINE,DIVINE ART他)1942・CD

様々な同時代音楽を吸収したまとまりない叙事詩的な大作で、とくにRVWの民謡編曲や交響曲作曲手法を基軸にし、オネゲルの立体的書法の影響、ウォルトンやアメリカ、さらにソ連の若手作家と同調したような刺々しい躍動に暗い調子が混沌としており、モランの苦心が伺える。イギリス楽壇の民族主義に従いノーフォークなどの民謡を利用して部分的には美しく楽しく、でも名作とは言えない。初演のヘイワードは立派にやってのけ、曇り無い表現がびしびし決まる。録音も復刻も古さを感じさせない。うーん。○。

モーラン:ヴァイオリン協奏曲

○カンポーリ(Vn)ボールト指揮BBC交響楽団(PRISTINE,DIVINE ART)1954LIVE・CD

ディーリアスが作家性に固執しなければこういう美しく華々しい協奏曲を描いたであろうという曲で、折衷的なこの作者にしてもひときわわかりやすく聴きやすい佳作である。やや変則的な構成の中で技巧的な見せ場は後のほうに一気に来るが、かつての手兵を繰って組み付いてくるボールトもさることながらフランチェスカッティを彷彿とさせる美音でなお完璧に弾き熟してみせるカンポーリが素晴らしい。やや民族的な特殊なパセージにも揺らぎもせず音楽的構成感を損なわない。後年のフランチェスカッティのような浅いマンネリズムにはけして近づかず、曲の要求を150パーセント音にしている。凄い。モノラルだがPRISTINEのリマスターは素晴らしい。DIVINEはPRISTINEのCD化サービス(ネット配信と同額だと思う)レーベルとなったようだ。ジャケットはカラーコピーだが裏青ではなくちゃんとしたCD。

モーラン:バンク・ホリデー

◎マッケイブ(P)(DECCA)

モラン(モーラン)はイギリス近代の作曲家の中でも親しまれている一人だろう。非常に平易で、この曲も愉快快活な主題の中に少し影の有る主題を挟むだけという単純きわまる3部構成。でも、いずれもとても耳馴染みがよい。きっぱりしており、でもちょっと影もあったりして、余りに短い曲でありながらなかなか飽きない。私は昔から愛聴してきました。仄かな影がいかにもイギリスふうのどこか風の吹き抜けるような情感で堪らない。RVWやホルスト周辺の作家としてもっと聞かれてもいい人です。
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