アイネム:管弦楽のためのバラードop.23
セル指揮ACO(orfeo)1958/8/8ザルツブルグ音楽祭live(モーツァルテウム)ヨーロッパ初演・CD
耳障り良さとトリッキーな装飾的フレーズの多用、ストラヴィンスキー新古典主義時代の作風からの影響といったところで、やはりオケも軋みっぱなしのところがある。バルトークなど民族主義ふうの激しい舞曲や、ウィンナーワルツふうだが香気の感じられない奇妙な舞曲(オケの音色が合わないのだろうが)、同時代要素が万華鏡のように散りばめられている。オケの各パートに見せ場を作り、オスティナートふうのリズムの刻みに乗って断続的な音要素が盛り上がりを作り、断ち切れて終わる。ウィーンのオケなら違う印象になったろうか。ウォルトンと共に演奏されているが、ウォルトンの芸風に引っ張られて皮肉と真摯のバランスがうまく取れなかった感もある。
耳障り良さとトリッキーな装飾的フレーズの多用、ストラヴィンスキー新古典主義時代の作風からの影響といったところで、やはりオケも軋みっぱなしのところがある。バルトークなど民族主義ふうの激しい舞曲や、ウィンナーワルツふうだが香気の感じられない奇妙な舞曲(オケの音色が合わないのだろうが)、同時代要素が万華鏡のように散りばめられている。オケの各パートに見せ場を作り、オスティナートふうのリズムの刻みに乗って断続的な音要素が盛り上がりを作り、断ち切れて終わる。ウィーンのオケなら違う印象になったろうか。ウォルトンと共に演奏されているが、ウォルトンの芸風に引っ張られて皮肉と真摯のバランスがうまく取れなかった感もある。
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アイネム:交響的情景
○ミュンシュ指揮BSO(DA)1957/10/12初演live
新古典期のストラヴィンスキーの影響、ジャズのリズム、また極めてオーストリー風に保守的で、ゲッソリしそうなものだがそこに強力なメロディが存在すると話は違う。唸りながら力で押す指揮者は現代モノには弱いがそのての作品には強い。3楽章からなる抽象的な組曲。
新古典期のストラヴィンスキーの影響、ジャズのリズム、また極めてオーストリー風に保守的で、ゲッソリしそうなものだがそこに強力なメロディが存在すると話は違う。唸りながら力で押す指揮者は現代モノには弱いがそのての作品には強い。3楽章からなる抽象的な組曲。
アイネム:カプリッチョop.2
○オーマンディ指揮バイエルン放送交響楽団(orfeo)1959・CD
手兵フィラ管ではなく自らのルーツである欧州オケを振ると異常に激しい音楽が紡ぎだされる、オーマンディの貴重な客演記録のひとつで、このヒンデミット的な構造物をその技量の試し所と凄まじく明快にさばききっている。音の一つ一つに並みならぬ力感が感じられ、このムラのあるオケにしては異常に揃った演奏ぶりである。オーマンディの特徴として分厚い弦の高精度なアンサンブルへの拘り、更にブラスとパーカスの厳しく統制された、しかし明るく開放感ある響き、それらがパズルのようにきっちり組み合って隙の無いさまが挙げられる。独逸オケになるとひときわその解釈の構築性のメリットが発揮されるのだろう。なかなかにいい演奏。
手兵フィラ管ではなく自らのルーツである欧州オケを振ると異常に激しい音楽が紡ぎだされる、オーマンディの貴重な客演記録のひとつで、このヒンデミット的な構造物をその技量の試し所と凄まじく明快にさばききっている。音の一つ一つに並みならぬ力感が感じられ、このムラのあるオケにしては異常に揃った演奏ぶりである。オーマンディの特徴として分厚い弦の高精度なアンサンブルへの拘り、更にブラスとパーカスの厳しく統制された、しかし明るく開放感ある響き、それらがパズルのようにきっちり組み合って隙の無いさまが挙げられる。独逸オケになるとひときわその解釈の構築性のメリットが発揮されるのだろう。なかなかにいい演奏。
tag : オーマンディ