ビゼー:交響曲ハ長調

プレートル指揮シュツットガルト南西ドイツ放送交響楽団(hanssler)1991/6live・CD

荒々しく覇気に満ちている分、ベートーヴェン中期以降交響曲、とくに5~7番の影響を強く感じさせる聴感となっている。この人はドイツものも得意としていただけありビゼーの習作から個性的な(フランス的な)部分を取り出して強調あるいは繊細に描くよりも骨太の曲構造そのものをしっかりとらえ、前時代的な交響曲であることを明確に意識づける。それが個性の薄さを覆し聞きやすさに通じている面はあり、通俗的というか、庶民的な演奏というか、わかりやすい。ビゼーらしいとも思える新鮮な旋律、適度な工夫、それらがいわゆる後期ロマン派の「国民楽派」(といっても19世紀末のドヴォルザークなど先進的な交響曲よりまったく古風だが)と歩調を合わせたぐらいの感じにおさまっている。聴き映えがするのはあくまで押しの強いプレートルだからで、ビーチャムくらいだとぴんとこないかもしれない。「アルルの女」の片りんすら見当たらないが、旋律の中、明るい響きのなかに欠片くらいは聴く人もいるだろう。
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ビゼー:組曲「アルルの女」7曲抜粋

ピエルネ指揮コンセール・コロンヌ管弦楽団(odeon/malibran)1928-34・CD

第一組曲と第二組曲(ギロー編曲)の抜粋からなる。順番はほぼ原曲である劇付随音楽に沿っているが、組曲でいうと
1-1前奏曲
2-1牧歌
2-2間奏曲
1-3アダージエット
1-4カリヨン
2-3メヌエット(ギローによる転用編曲)
2-4ファランドール
となっている。
演奏は固い。いつものピエルネといえばそれまでだが緩やかでおおらかな「アルル」をやるには少々「揺れ」が無さすぎる。スコア第一主義なのか時代(録音側)の要請なのか、「楽しめる」という演奏にはなっていない。率直に純音楽的に楽曲を聴くのには向いている。またやはり原盤のSPの状態は良くない。ピエルネのodeon録音はみなそうであるから、ここは諦めるしかない。木管が美しい。

ビゼー:歌劇「カルメン」組曲

ウォレンスタイン指揮LPO?(LEF他)CD

まとまりがよく小気味いいリズムとともに品のよさを感じさせる好演。とにかくオケが巧い!爽やかでラテンノリを過度に煽らずドイツ的な野暮ったさもなく、しいていえばフランス的なのだろうがフランスオケの雑味はまったくない。木管のソリストの表現が聴き物。音の純粋さが印象的。○。

tag : ウォレンスタイン

ビゼー:歌劇「カルメン」抜粋

○ワルター指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団他(KOCH他)1937/12/22,27上演live

何より黄金時代のウィーン国立歌劇シーンの活気溢れる雰囲気が伝わるSP板起こしで、状態は悪いもののオケのリズムのキレのよさや脂粉ふんぷんたる分厚い音の香気は十分伝わってくるし、生の歌手、生の合唱、生の足踏みなどといった舞台を「裏側から覗いたような」感じがなんとも言えない。ぶつ切り抜粋なのが惜しい。音的にはウィーンであり南欧のものではない。きちんと整えられた中欧的な演奏でレベル的にもやはりさすがワルターといったところで今と聴き劣りしない感じが聴いて取れる。そこに娯楽性と音楽性が同居している、それがこの時代の演奏様式でありワルターであったのか。状態は悪いしできれば原盤SPのクリアな音で聞きたいところだが、ぶつ切りだし十分か。○。

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