イッポリトフ・イワーノフ:コーカサスの風景

○シュヒター指揮LPO(MGM他)LP

日本盤でも出ていたもの。さすがオケが違う、ドイツのなんとも渋く重い音と違い爽やかな透明感と繊細なオケ操作のわざが聴いてとれる。リムスキーの影響色濃くも表現内容はボロディン、しかしもっとローカル色の薄められた描写音楽で、同じ表題組曲であってもリムスキーのシェヘラザードのような体臭は無い。これはさらにシュヒターにより薄められて聴きやすくなっているのだろう。終楽章の舞曲旋律などあきらかにオリエンタルな民族音楽だがシュヒターはきわめて精緻で重心低く、しかしスピードと勢いを損なわずにまるで中欧ロマン派の古風な作品のようにしっかり描いている。全体設計がまずかなりきっちりなされていて、おしなべてのっぺりした作品中に時折織り込まれる舞曲のリズム処理のうまさ、効果的な切り替えはすばらしい。あまり押しの強い曲ではないがそれでもロシア国民楽派の典型であるだけに、このように慎重に純管弦楽的に繊細に取り組んだ演奏のほうが一般には入りやすいだろう。いつもの手堅さは余り感じず、勢いと美しさが加わっていつもと違う魅力を発揮したものとして○にしておく。

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