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ヴォーン・ウィリアムズ:富める者とラザロの五つの異版

アブラヴァネル指揮ユタ交響楽団(vanguard)CD

アブラヴァネルといって覚えておられる方はいるのだろうか。亡くなってからこちらマーラー全集のことすら口辺に上らなくなって久しい。だがオケに弱みがありながらも強くしっかり引っ張っていくこの人の、どちらかといえば中庸ではあるが、このような曲においての確かな表出力は意識せずとも耳を惹き付ける。フレージングはきわめて丁寧だが滑らかな旋律の起伏を聴かせるたぐいのロマンティックな演奏ではなく、各音符を明確に必要な長さと厚さをもって曳きつけ、ハッキリ重層的に響かせる意思的な演奏であり、楽曲の抽象度を上げるとともに、叫び咽ぶようなことを絶対にしない、一種高潔さをもったヴォーン・ウィリアムズ本来あるべき姿を提示している。この曲を誤解なく聴くには、バルビローリなどよりも向いている。専門室内楽団がやるようにピリピリ厳格な表現ではなく少し古い厚みのある部分も聴きやすい。この曲集ではおすすめ。
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ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲

ミトロプーロス指揮ミネアポリス交響楽団(nickson)1945/3/2・CD

ピッコロが入ってる錯覚に陥るほど状態は悪いのだが、思いっきり情感をこめて表現されるさまはワルターのライヴを思わせるものがある(ワルター盤に聴かれる強烈な恣意性は無いが)。同曲の無常感をミトロプーロスらしくあくまで前のめりに強靭に真っ直ぐ描き、この弦楽器群の硬くて魅力に欠ける音色でも、持っていかれる部分はある。こういうテンポはほとんど揺れず基本大音量の中でその音量の多少の変化のみで仕立てるスタイルはこの時代珍しくない即物的なものではあるが、同曲にはたとえ棒のような表現であっても明確に音色と響きの変化が伝わり自ずと出来上がる名品としての確固たるものが備わっている。だから、これは決して良い録音ではないし、楽曲の魅力を引き出すたぐいの解釈でもないが、悪くはないのである。

ヴォーン・ウィリアムズ:二重弦楽合奏のためのパルティータ

アンドレ・ジラール指揮ORTF(ina配信)1971/3/4放送

放送用セッション録音の模様。古典と現代のやや珍しい小編成合奏曲を並べた中のメインにあたる。そもそもORTF、ひいてはフランスの楽団がイギリス現代をやること自体非常に珍しく、フランスの指揮者としては娯楽性を備えた職人的指揮者としてデルヴォーよりもマイナーな存在であるこの人の演奏を敢えて聴いてみた。録音は時期からするとあまりよくない。弱音で少し震えがあり、全般やや篭もる。演奏は、いや、これもRVW特有の「弾きにくさ」が横溢した作品なんだなあという厳しい部分もあるものの、全般としてメリハリがききアンサンブルもわかりやすいレベルで上手く組みあい(必要以上に厳しくして骨皮にはなってないということ)、そこそこふくよかさもあり、後半楽章の旋律の伸びやかな歌い方は、なんでこのオケ、この指揮者はもっとヴォーン・ウィリアムズやらなかったんだろう、というくらい、板についていてびっくりする。イギリスの演奏と言っても通じるくらい音が安定し、やさしい。なかなかでした。

ヴォーン・ウィリアムズ:二重弦楽合奏のためのパルティータ

ボールト指揮LPO(warner/EMI)1975/10・CD

晩年作品。ヒンデミット流の新古典主義をへた後期の特徴として技巧に走ったようなところがあり、依然叙情的な横の旋律が支配的ではあるから聴きやすいが、立体的な構造は6〜8番交響曲を思わせる響きに、より複雑なアンサンブルの彩を加えている。二楽章前半はこのコンビではしばしばあることだがセッション録音とは思えないバラケっぷりが聴こえ、専門室内楽団であったらこうはならなかったろう、と落胆もする。しかし分厚い編成なりの迫力は逆に、このコンビでなければ出せなかっただろう。こういうのがボールト流RVWだ。室内楽編成プラス2ndVnを欠く弦楽合奏団という組み合わせは弦の美しさのみを追求したタリス幻想曲を思わせるが、ここでは弦だけで特色ある多彩な響きを出すための単なる装置として働いている。

ヴォーン・ウィリアムズ:野の花(フロス・カムピ)

○L.フックス(va)ペルレア指揮マンハッタン音楽学校管弦楽団・合唱団1965/1/21sls

起伏のある演奏で、穏健な録音の多い同曲「本来の」一面を引き出している。多調の用法は効果的でモノラル録音こそ悪いものの一層はっきり印象付けられる。独奏者はアンサンブルに融合し際立たないところが却って曲のためにはよい。リリアン・フックスは兄とは違いヴィオラ奏者として身を立てた。SLS盤表記(violin)は誤り。同楽団はかつて教鞭を取っていた学校のもの。録音記録データに指揮者違い・録音年月日違いの同楽団のものがあり(市販されていない模様)、SLS盤には初出表記がなく、同一の可能性もある。

ヴォーン・ウィリアムズ:ハーモニカのためのロマンス

○アドラー(hrm)M.グールド指揮RPO(RCA)LP

以前モノラル盤と混同したが別録。ソリストに献呈もしくは委属した曲集の中の一つ。ピアノが出過ぎて曲の幻想味は後退、アドラーは発音は明確だが細部が不明瞭、モノラル盤より落ちる。オケも重い。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番

ミトロプーロス指揮NYP491218nickson、パワフルな曲に指揮者の適性。両端楽章で解釈的に僅かに弛緩する他はNYPも気張って迫力を出している。この作曲家の意外な一面を鮮やかに示した。ノイズ多め。columbia正規あり。

ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリン・ソナタ

フックス(Vn)ヴィッラ(P)1970/2/22live

特に一楽章の音程が酷い。重音の響も悪い。この作曲家特有の音線は正確に再現しないと訳の分からない音楽に聴こえてしまう。息の超長い旋律を途切れなく歌い上げるのは米国初演者として流石。モノラルで音が小さい。70年代だよ?sls

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番

ミトロプーロス指揮NYP(columbia/sony)1956/1/9・CD

ライヴ盤もあるが同じモノラルながらこちらのほうが遥かにいい録音。終楽章で派手な改変が入っているようだが、その意味でも「派手で迫力のある演出」がきいた演奏。派手といっても拡散的なわけではなく、凝縮された演奏。良い時のNYPらしいとも言うべき緊張が漲る。このヴォーン・ウィリアムズでもイギリス国外で演奏されることが比較的多い、ハッキリした形式感、交響曲としてのまとまりをもった曲は、焦燥感という意味でも時代性にそったものとなっているが、2楽章の抒情にはRVWらしさがあり、全編凡百の作曲家にはない「わかりやすさ」がある。

https://youtu.be/IrEQ3odk6Ts
こちらで全部聴ける(アップロード者は個人ブログでも音源配信している)
音声のみ

ヴォーン・ウィリアムズ:あげひばり(ピアノ伴奏版断片)

諏訪内晶子(Vn)インタビュー等
2008/8/27bbcPROMS live前の映像

http://www.bbc.co.uk/events/e45rzc
(本編動画音声なし)

プロムスだとこの人の「あげひばり」が圧倒的だったわけだが、YouTubeには無いなあ。
プロムス音源って一時期は公式ダウンロードできたんだよね。
ピアノ伴奏版は譜面をもってる。youtubeには全曲動画もあります。びっくりするくらい単純で独特、なかなかソリストが個性を発揮しづらいし、そもそも発揮してはいけない。ピアノ伴奏版で初演された曲だが、ヴォーン・ウィリアムズのピアノはあんまりよくないことが多い。弦の人だからね。

・・・歌うのにぜんぶ繋げて朗々とうたう必要はなくて、自然な流れで抑揚にあわせちょっと切ったりする、ワルツっぽいけど、そういう演奏はないかね。押しの強さで聴かせる曲と、そうでない曲はある。

https://youtu.be/PbgmP0R_onc

ヴォーン・ウィリアムズ:あげひばり

ヤンセン(Vn)ワーズワース指揮BBCコンサート管弦楽団(動画配信)2003/7/19bbcPROMS live

ストラドの痩せた音は大舞台には向かないとおもう。。この曲は映像より、音だけで瞑想するもんですね。ビデオ録画らしく音が悪すぎバランス悪すぎ。しかしこの単純な曲はソリストもやりづらいろうし楽団も詰まらなかろう。しかし名曲!

https://youtu.be/f4NMf2PO_mQ

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番

サー・コリン・デイヴィス指揮バイエルン放送交響楽団

2006年1月21日ミュンヒェン

※NYPとの録音ほかあり。この曲はよく取り上げられていました。

https://youtu.be/R8dO5wKp5H0
音声のみ

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第3番(田園交響曲)

マンゼ指揮BBCスコティッシュ交響楽団、クライトン(テノール)(動画配信)

2014年プロムスlive

https://youtu.be/m_MzHCPuBiY

同曲には非常に珍しい動画。テノール独唱も珍しい。マンゼは集中的に取り組んでいるが、古楽系のRVW指揮者はノリントンがいる。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番

マンゼ指揮BBCスコティッッシュ交響楽団(動画配信)2012年プロムス

RVWの「戦争交響曲」、第一次大戦の記憶をうつした3番、第二次大戦下にて平安を求める心をうつした5番。戦争の総括としての6番も人気があるけど、こちらを好む人は多いでしょう。大戦後に大指揮者が取り上げ続けました・・・作曲家も。3番も5番も改訂はあったとおもいますが、問題にならないでしょう。描く世界は似ているものの全編緩徐楽章の3番より5番から入ったほうがいいかもしれません。歌劇「天路歴程」の素材が使われているそうです。もっとも確認できませんでした(RVWのオペラとしては、5番とは似た音楽でもあり最高級です)。

https://youtu.be/q9YoEETzYsE

ヴォーン・ウィリアムズ:音楽へのセレナーデ~ごく短い断片

サージェント指揮BBCso&cho他54年プロムス(BBC)。人気曲。ドビュッシー熱が残る曲だがよりにもよって海からの借用部分を含む断片(弟子コンスタン卜・ランバートが他曲で指摘)。合唱の扱いは海の交響曲に近い。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番

○ノリントン指揮ベルリン・ドイツ交響楽団(放送)2015/1/24live

テンポが遅いのが気になった。終楽章冒頭からの(そして繰り返される)ファンファーレが特に遅く、盛り上がりどころでリタルダンドするのは定石とはいえちょっと笑ってしまった。中間楽章など6番終楽章との近似性を感じさせる荒廃した雰囲気で、これはなかなか聴かせた。このオケならではというところは楽器の響き以外には特になかったように思う。とりわけうまいというわけではない。ブラヴォが飛ぶ。ブリテンのラクリメなどとの組み合わせ。

ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲

◯ストコフスキ指揮NYP(guild)1962/3/3live・CD

レガート、レガート。波のようにうねりまたは囁く。この音源には先行して一日違いのものが二種あり、記載ミスを疑ったが、今のところどうとも断言できない。感動的な演奏の前にそんなことなどどうでもよくなってしまう。録音はこんなものか。悪くはない。クライマックス後によれて、音量が半減するところはマイナスか。

ヴォーン・ウィリアムズ:田園交響曲(交響曲第3番)

◯プレヴィン指揮LSO、ハーパー(sp)(RCA)CD

若干粘り気のあるダイナミックな演奏で、曲の劇性を引き出している。内声がよくきこえ曲の構造を浮き彫りにしている。幻想味よりはリアルな肌触りが際立つ演奏ではあるが、オケの音色が柔らかくてうまく聴かせることに成功している。ハーパーの歌唱はやや強いか。◯。

ヴォーン・ウィリアムズ:田園交響曲(交響曲第3番)

◯ドンスカヤ(SP)ロジェストヴェンスキー指揮ソヴィエト国立文化省交響楽団(melodiya)live・CD

全集から。ロジェストのロシア風の起伏付けが一楽章など気になるし、オケの協和しない特有の響きやブラスなどの突出する音、違和感がある。ただ、二楽章の弦など美の極みだし、木管が出てくるとほっとする滋味がある。四楽章のドンスカヤはやや強めで幻想味は薄いか。総じて面白いが正統じゃない演奏。

ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーブス幻想曲

○ストコフスキ指揮NYP(sony/columbia)1949/2/21・CD

しっとり落ち着いた美観。出しゃばらないフルートに導かれて抑制的に合奏する弦、余り特徴的なところはないが、誠実な演奏である。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第6番(1944-47)

○ストコフスキ指揮NYP(CALA/sony/columbia)1949/2/21初録音・CD

オケがバラける感じがあり、特に特徴的な解釈がみられる三楽章では聴き辛いレベル。雑味が出がちなオケなのでひときわ気になる。推進力と多彩な響きはいいとして、求心力にはやや欠ける。4楽章の予兆が2楽章に現れるところなどは美麗でロマンティック。静かな場面はなかなか。おまけの○。

ヴォーン・ウィリアムズ:歌曲集「生命の家」~Ⅱ.沈黙の正午

○フェリアー(msp)ストーン(P)(decca)1952/6・CD

灰汁抜きされたドイツ歌曲といったふうの前期ヴォーン・ウィリアムズの歌曲集から。僅かにウェンロックを予感させるパセージが混ざりヴォーン・ウィリアムズの個性が垣間見える。フェリアはやや野太過ぎる感もある声だが、ロマンティックな曲にはこれでいいのだろう。

ヴォーン・ウィリアムズ:オーボエ協奏曲

◎ランクール(ob)エルダー指揮ハレ管弦楽団(ho)2010/6/23・CD

スピード感のある爽快な演奏で、ソリストも音色は無個性なきらいもあるが技術的に不足ない。ハレ管の弦楽合奏の美しさにも心打たれる。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番

○エルダー指揮ハレ管弦楽団(ho)2011/11/9live・CD

個性的な解釈はなくオケも取り立てて上手いわけではないが、感情をゆっくりと揺り動かされるような表現はヴォーン・ウィリアムズの良い面をよく引き出している。オーケストレーションがけして上手いわけではないけれども各楽器の美質をわきまえた曲であり、ここではとくに木管の音色が印象的。ヴァイオリン高音の泣きの音色はハレ管弦楽団ならではであるがやや多用され過ぎか。四楽章のリズミカルなパセージでは音をハッキリ切って横より縦を意識させ小気味よい。やや鈍重な曲にオケだからこういう処理が活きてくる。ライヴであることを考えると統制が非常によくとれた演奏であり、とくにブラスは素晴らしい。終盤の感傷的な風景も抑制的で美しい。○。

ヴォーン・ウィリアムズ:田園交響曲(交響曲第3番)

○ヴァレント(sp)オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(ETERNITIES:CD-R/youtube)1972/10/12live

シベリウスを得意としたオーマンディがシベリウスの使徒とも言えるRVWの、奥座敷のような田園交響曲をどうさばくのか、非常に興味を惹かれたが、録音のせいもあって色彩がビビッド過ぎて、あけっぴろげな表現が陳列されていて、何とも言えない違和感はあった。二楽章のラッパはほんとに何とかしてほしい。あんなに表に出て堂々と吠えるシーンじゃないのだ。ただ、四楽章は何故か良くて、ソプラノも強くなり過ぎず、微かに遠く響き、弦楽合奏がとくによく、重なり合う響きの深さは特筆できる。全般にさっさと進む傾向があるが、ここでは割りと揺れている。分離がハッキリして構造の見えやすい録音なので曲理解を深めるにもいい盤だなとも思った。この曲だけを録音した例を私は知らないし、オーマンディが振ったRVWのシンフォニーはこれしか知らないし、指揮者にも何か理由があってこれを取り上げたのだと思うが、他の既出盤とは違った肌触りは楽しめると思う。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番

○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(ermitage/aura/bs)1961/4/11ルガーノlive・CD

録音状態は悪くはないが演奏精度はライブなりのもので綻びや下品さが感じられるところもある。主題の無い変奏曲と題された一楽章のヒステリックなまでの盛り上げは聴かせるし、弦楽合奏だけによる三楽章はバルビローリのビニイリサイニイル解釈をよく聞き取ることができる。ボウイング一つから解釈を付けたというこの指揮者の特徴だ。音の切り方とポルタメントの細かな付け方だけとってみても独特。シベリウス的な細かい松葉がひとつひとつの音に付けられているがテンポが速いのでしつこくならない。四楽章はしっかりした足取りで、ややきつめの表現ではあるが祝祭的雰囲気を盛り立てている。有名録音だが最近協会盤が出た。ナレーション入りだそう。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第3番「田園交響曲」

○ホーヘンフェルド(sp)スラットキン指揮フィルハーモニア管弦楽団(RCA)CD

スラットキンにしては柔らかく、曲調に合った演奏ぶりで深く沈潜するような情緒がある。意外なほどハマった演奏だった。独唱も遠く美しい。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第3番「田園交響曲」

○バーロウ(Sp)ハンドレー指揮王立リヴァプール・フィル(EMI)CD

ダイナミックなところはダイナミックだがおおかたの静かなシーンにも注意深い配慮が見られ、音量変化がしっかりしていて、かなりイメージに近い演奏。3楽章が聴き物で、他の演奏には聴かれないような、非常にスピードと力感に満ちた表現が交響曲としての構造を引き締めている。2楽章ではちゃんとペットが主張し、4楽章ではソプラノが余り前に出ない。わきまえた演奏。オケが上手いのにも驚いた。◎にしたい○。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第3番「田園交響曲」

○ルークロフト(sp)ハイティンク指揮LPO(EMI)CD

終始美しく明るい。弦楽器のしなやかさ、ニュアンスに富んだ表現は言うことがなく、立体構造をより際立たせるためかブラスや木管をぶっきらぼうなくらいしっかり吹かせ細部までしっかり浮き彫りにして、やや主張しすぎなくらいに、同曲では珍しいダイナミズムを打ち出している。そこがRVW的ではないところでもあるが、この時代の交響曲として、この曲が如何に際立って個性的で意味ある存在だったのか、工夫されていたのか、よくわかる。ソプラノはややおばさんだが音量は程よい。総じてやはりダイナミック、幻想味にはやや欠けるが純音楽的な解釈の説得力は◎にしてもいいくらい。

ヴォーン・ウィリアムズ:ノーフォーク狂詩曲第2番

○ヒコックス指揮LSO(chandos)CD

1番に比べると映画音楽的な世俗性、単純さの目立つ民謡メドレーで、チェロソロより始まる最初こそ1番に似るが、それ以後は旋律中心の、やや古風な国民楽派ふうでもあり、部分的には後期RVWぽい野蛮さもあり、最後は冒頭主題に回帰するが、まるでディーリアスのような調子の音楽で、少し飽きる。ヒコックスはまあまあか。○。
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