バターワース:狂詩曲「シュロップシャーの若者」

ボールト指揮LPO(EMI/warner)CD

録音は古いがRVW(バタワースの民謡収集仲間だった)をこのんだボールトの嗜好にあった選曲で、同時代の作曲家たちがこぞってハウスマンの詩につけた曲としては、英国随一の名品とされる。歌曲由来の歌謡性にまして深い心象を厚い響きにのせてつぶやく趣があり、この作曲家の本質をわからしめる。一言で言えば地味である。
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バターワース:イギリス牧歌第1番

C.クライバー指揮シカゴ響1983年7月ライブ(memories)このへんの民謡運動の産物はみんなこんな感じで、RVWよりバックスを好む人がいるのもわかる〜故三浦氏のように。ディーリアス風の分厚い響きも。しかし何故この曲を取り上げたのか

バターワース:狂詩曲「シュロップシャーの若者」

ストコフスキ指揮NBC交響楽団(CALA)1944/2/13放送LIVE・CDこの曲は若くして戦火に散ったバタワースの数少ない作品の一つだ。もともとは連作歌曲集として編まれた中から「木のなかでいちばん美しい桜」の主題をもとに改作された純管弦楽曲である。バタワースの管弦楽曲は3年にわたってかかれた3曲しか存在しない。ディーリアスを思わせるロマンティックな楽曲だが、ディーリアスほどの癖はなく、耳馴染みのよい音詩となっている。「シュロップシャーの若者」はイギリスでは若者なら必ず読むというメジャーな詩集らしいが私は読んだ事が御座いません。ヴォーン・ウィリアムズが同じ詩集を使って歌曲集を編んでいるが、バタワースのそれはより素直な心象を描き出しているように思える。一方、管弦楽曲として一定の長さを備えた楽曲であるせいか、捉えどころなく進んでいくところもあり、民謡採取の成果も採り入れられていないため、個性が薄い感じもしなくはない。だが何かしら若き者の持つ青臭い心情に訴えかけるストレートなものが一種の香気をはなっているのも事実である。バタワースを偏愛する人々は多分このあたりに惹かれるのだろう。ストコフスキは比較的隈取りの明確な音楽を創り出している。この曲の繊細さにそれが合うかどうかはなんとも言えない。どうも硬い感じがするのは私だけだろうか。故三浦淳史氏の評論集(というよりエッセイ集)に「シュロップシャーの若者」と題された一章がある。個人的な思い出を込めて語られる一葉の物語は、その心根の深さゆえに強く心を打つ。これほどの筆力を持つ音楽論者を我々は殆ど失ってしまった。あとは自分でこの森をさ迷うしかあるまい。 ,

バターワース:イギリス牧歌第1番

○カルロス・クライバー指揮シカゴ交響楽団(MEMORIES)1983/7LIVE・CD

ワグナーを指向するような不似合いな重厚というか重い表現が強奏部できかれたりもするものの、きほんリズミカルで神経質なまでに繊細なアンサンブルの整え方のなされた演奏。イギリスによくあるタイプの小管弦楽曲だが、そのうららかな雰囲気をおおむねよくとらえている。言われるほど録音も悪くない。残響が気にはなるが。○。

バターワース:狂詩曲「シュロップシャーの若者」

○ボールト指揮ハレ管弦楽団(VAI)1942/3/5・CD

ボールトらしい牧歌の作り方で、ツボを押さえた演奏だ。RVWの牧歌的な曲をかなでるときの演奏スタイルである。フォルムを崩さず、テンポをいたずらに揺らさず、しかし雰囲気は抜群、かつ高い格調を備えている。同時代もしくは少し前のフランス音楽のエッセンスが、民謡主題でしかないものを汎世界的な価値を持つ音楽に昇華させた曲である。美しく繊細で比較的現代的なハーモニー、音線のうつろいは、結構ディーリアスに似たものを醸し出しているのだが、総体はどちらかというとRVW的であり、あの起伏の無い印象派的な茫洋とした雰囲気の土台に、しっかりした構成を据えた音楽になっている。ニキシュの初演リハに作曲家の隣で立ち会ったボールトは、後年同国の演奏家たちによって行われるようになった思い入れたっぷりのものとは一線を画し、地味ではあるけれども、滋味のある演奏を紡ぎだしている。特徴的なものはないが、還ってこういうしっかりした演奏は本質をよく浮き彫りにするものだ。○。
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