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リース:弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲

ドラティ指揮NYP(DA)1975/4/20live

インホール録音すなわち膝録なので舞台が遠く立体感が無い。カタマリとして聴こえる。環境雑音はともかくソリスト(カルテット)の音がよく聴こえてこないのはこの曲には痛い(一楽章)。楽団のアンサンブルもリズムがキレず、緩いように感じる。ぼやっとした音はもう「インホール録音」だからしょうがない、これはステレオとはされているがワンマイクでレンジが狭くほとんどモノラル。ブラスと打楽器がやたら耳をつんざくだけ。強いて言えば弦楽四重奏の高弦がそれほど引き立たないかわりに低弦がわりとよく聴こえ、あ、ヴァイオリン協奏曲じゃなくてカルテットなんだな、という当たり前の感想が出る。ドラティ鼻歌歌ってる?ウォルトン張りのリズムと透明感はNYPの性格もあろう、重くて前時代的な響きで性質を変えられてしまっているが、悪いことばかりではなく、二楽章は力強く内容的な厚みを伴って届く。わずかにカルテットの技術が不安な面もあるが、録音のせいでそう聴こえるだけかもしれない(決して高精度ではない)。リースの盛り込んだ中の異国的なフレーズ、これはドラティ懇意のバルトーク的な、民族音楽的側面もあるのか、という妖しい情感のあるさまも見える。三楽章は駆け回るソロヴァイオリンが全体を先導していかないとならないが、もう録音上イマイチなバランスなのは仕方ない。バックの、さすがの中身の詰まった迫力はNYPの面目躍如である。セルのような機械的な面白みではなく旋律そのものの持つ、響きそのものの持つ魅力を素直に押し出してきて気を煽る。カルテットの面々はどうもやはり表現が重いが、ソリスト四人と管弦楽の掛け合いというより、合奏協奏曲を志向したバランスだ。駆け抜けるというよりガシャンで終わり。これはこれでいいのか。一般的には勧められない。
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リース:弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲

セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA)1968/2/7ボストンlive 放送

アナウンス(歪んで聴きづらい)ではリースと呼んでおり、アメリカの作曲家のアメリカ放送だからリーズではなく濁らず呼ぶべきだろう。初演説もあるが4年前の作曲なので違うだろう。弦楽四重奏団名はDA盤では不明(4名の名前はアナウンスされるが聞き覚えはない)。やや不安定で放送エアチェックレベルのノイジーなステレオ録音だけれど、同日のプログラム収録曲中では最もクリアで迫力があるし、ソリスト陣とのバランスも良い。一楽章はソロが駆けまくる背後でウォルトン(この直前のプログラムが「パルティータ」)的な空疎な響きの派手な音楽が展開される。時代的には現代曲だがバーバー並に親しみやすい。ストラヴィンスキーふうの音響とも言えるが、削ぎ落とされた感じはしないし新味もない。二楽章の晦渋さは同時代アメリカアカデミズムの音楽に近い印象。管弦楽は絡みというより太鼓のオスティナートリズムが続くほか断続的な合いの手に近く、セルなので緊張感が持続している面もあるだろう。無調的だが50年は遡れる作風だ。三楽章は再びカルテットというより四本の弦楽ソリストがおのおの駆け回る焦燥感ある協奏曲で、アメリカっぽいブラスの高音の響きはあるが、おしなべてウォルトン的である。オリエンタリズムの発露のような音線でさえ円熟期のウォルトンに聴こえる(しかしウォルトン独自のマンネリな作風とはまた違うし、ソロ協奏曲のような技巧的フレーズは注ぎ込まれない)。二重音で細かく動き回るのは独特の聴感がある。そのまま駆け抜けて終わり、カデンツ的なものもなくいわば無窮動。パルティータがお手の物すぎてお仕事感のある比較的「レア」な演奏(録音も遠い)であったからこちらの鋭い表現は光る。なかなか。
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