エシュパイ:合奏協奏曲

指揮者無し、南西ドイツ放送交響楽団他(MELODIYA,ETERNA他)ちょっと縦を気にし過ぎか。もっと前向きに突き進むテンションが欲しい。現代作品としての価値に照明を当てたような感じで、ジャズ風の崩しも入れることなく、だがそれがかえって興をそぐ。あれ、こんな陳腐な曲だったか?と首を傾げてしまうところもあり、奏者の機知に委ねられる所の大きい曲だったことに気づかされる。情感の欲しい中間緩徐部のダブルベースのソロも何故か全く情緒の無い、無骨で先鋭な響きに覆われていて不思議な位だ。先鋭な響きにこだわる余り盛り上げが全く足りない。全体設計の問題かもしれない。軋みの聞こえる雑味ある演奏。無印。,
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エシュパイ:合奏協奏曲

◎スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(RUSSIAN DISC/ALBANY)1974・CD この曲はエシュパイの作品の中でも白眉たるものです。10回聞いたら飽きましたが、それまではとても楽しめました。ジョリヴェかメシアンか、という色彩感・オーケストレーションにジャズのイディオムを加え、快楽派聴衆としてはサイコーに面白い楽曲に仕上がりました。まず掴みがいい。冒頭ジャズふうのパッセージがピアノ・ソロからテンション高く提示されると、これはもう楽曲と演奏が一体化しているものとして書かしていただきますが、じつに派手で下品で最高のオケが大音響でジャズ的走句をぶっ放す、この流れは否応無く楽曲に聴衆を引き込ませる。迫力有る表現はさすがスヴェトラーノフ、ガーシュインでは珍妙なメタ・ジャズを披露していたが、ここでは(ワタシはジャズはよくわからないが)立派なモダン・ジャズの「ような」ビリビリくる緊張感溢れる演奏を繰り広げている。しばらくただ丁々発止の音の奔流に身をまかせていると、現代風の冷たいハーモニーに先導されるように、緩やかな中間部に入る。ここでペット(?)やダブルベースのソロ奏者が長い長い憂うつな旋律を奏で続けるのだが、音響的にあきらかにジャズを意識しているものの、どちらかといえばヴィラ・ロボスの緩徐楽章のようなセンチメンタルな感覚を呼び覚ますものとなっていて、響きは硬質であるが、たとえば夜空の星を見上げているような思索的な雰囲気を呼び覚ます。比較的長めな中間部は再び顕れるけたたましい走句に引導を渡され、あっというまに尻切れのように終結。この終わりかたもきっぱりしてかっこいい。それにしてもこの人はロシアの作曲家なんだよなあ・・・しかも演奏しているのはスヴェトラーノフなんだよなあ・・・ちょっとカッコ良すぎるきらいもあるが、まずは最初の「掴み」の部分でがっちり掴まれてしまってください。文句無し◎。名曲、名演奏。ALBANY盤はやや茫洋とし歯ごたえがイマイチ。,

エシュパイ:交響曲第7番

スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(ALBANY)1992初演LIVE・CD 比較的調性的な主題に強烈な不協和音を重ねていくやり方はアイウ゛ズを思わせる。調性的な進行の末を強烈に外させる癖は独特だ。いかにもモダンな印象を与える。夜の音楽というか、シランクスあたりのドビュッシーを思わせる所もあり、決して新しくはないのだが、リズムに独特のカッコよさがあり、耳を引く。展開にとりとめのない所があり長く聞いていると疲れてくるが、時折物凄くイマジネイティブで美しいところがあるので辛うじて駄作の謗りを免れている、といった感じだ。静かな場面のエキゾチックな響きは魅力的。この人にしては繊細な味わいがある。最後退嬰的にしぼむ。謎めいている。,

エシュパイ:交響曲第5番

○スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(MELODIYA)1986/1/1live 呪術的な雰囲気が支配的。半音階的な旋律線はちょっとジョリウ゛ェを思わせるが、ハーモニーは案外マトモで耳に優しい。ミャスコフスキーぽい処理も混ざるがごく部分的。雑多な要素の絡み合う雰囲気音楽であり、弱奏に遠く鐘の音が響くあたりなどはマーラーをも思わせる。強奏部の微量ジャズなど世俗的な味付けが加えられるのはエシュパイらしい所で、私はとても好きだ。やや陳腐ではあるが。演奏は決して無茶に弾けず一定のテンションをキープしている。響きの浅さは録音のせいだろう。引き締まったアンサンブルはライブとは思えない程だ。ゲンダイオンガクぽいカオスもしっかり切り抜けている。ジョリウ゛ェ的密林から楽天的終始部に抜けるところがやや垢抜けないが、概ね成功していると言えよう。○。,

エシュパイ:ピアノ協奏曲第2番

作曲家(P)スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(ALBANY)1972初演LIVE・CD ペットとティンパニだけでもうこの人とわかってしまう。洗練されたバーバリズムとでも言おうか。ピアノはかなり無調ぽいパセージを奏で続けるが、リズムがジャズふうで悪くはない。弦楽、というよりヴァイオリンの絡め方がいつも扇情的で面白い。機械的な使い方なので弾いて楽しいかは別。曲ははっきり言って新味無くつまらないが他に類例の無い作風ではあり、エシュパイらしさは堪能できる。2楽章の旋律が美しい。エシュパイだからただでは終わらないのだが。エシュパイのピアノはショスタコくらいには上手、と言っておこう。録音はあまりよくない。歪んだモノラル録音。無印。,

エシュパイ:ハンガリーのメロディ

○グラッチ(Vn)ロジェストヴェンスキー指揮モスクワ・フィル交響楽団(MELODIYA)LP 非常に民族的な音楽で、バルトークのラプソディを思い出す。じっさいあのへんのハンガリー民族主義に意図的に倣った感じである。バックオケの響きを聞くとツィンバロンふうのハープや鉄琴の硬質な煌き、全音符による静謐な和音だけの伴奏などエシュパイらしさは聞きとれるが、基本的にコダーイ、バルトーク(の民族的音楽)+エネスコのようなあからさまな民謡音楽である。演奏は実に力強く押し付けがましいが潔い演奏ぶりがまた民族的雰囲気を倍加させている。現代混合作曲家エシュパイを求めるとちょっと拍子抜けするかもしれない。○。,

エシュパイ:ヴィオラ協奏曲

○バシュメット(Va)グルシュチェンコ指揮ソヴィエト国立交響楽団(RUSSIAN DISC)1988/5/28・CDバシュメットの音色に魅了される。穏やかな旋律の場面では弓圧を余りかけずに柔らかく響かせており、その何ともいえず繊細な音はたとえばジュリアードあたり出身のヴィオリストには出せない類のもの(私はこういう音は大好きです)。バシュメットの凄さは様々な音を弾き分けられるところにあり、その多彩さはアメリカやドイツの奏者とは比べるべくも無い。この演奏でもガシガシいう刻みは鋭く硬い音で弾き込んでいるし、思い入れの強い場面では弓圧をかけて重厚に奏でている。曲は20世紀前半的な音楽で結構耳馴染みがいい。豊穣なオケパートはしばしばベルクを思わせるし、ヴィオラが疾走する場面ではあきらかにヒンデミットの室内音楽の模倣的なものが聞かれる。無調やセリー的な硬質の主題が使われる一方でウォルトン的な親しみやすい主題もあらわれ、個性的ではないが変化に富んでいて面白い。ちょっとソヴィエト時代の作曲家とは思えない西欧風の作風であり、新ウィーン楽派的な場面の目立つ曲である。私は非常に惹かれました。エシュパイは古典ジャズのロシア式翻案と言うべき作品やヴィラ・ロボスふうの楽天的な楽想を持つ作品も生み出しており、国民楽派の延長上に位置づけられながらも非常に多彩な作風である。この世代では(前衛としては古風だが)瑞逸のロシア系作曲家だと思う。ハチャトゥリアンの弟子で、民族楽派に前衛音楽やポピュラー音楽などの要素を採り入れた作品を数多く作曲している。年齢的にはブーレーズと同じ。マリ出身。 ,

エシュパイ:ヴァイオリン協奏曲第2番

○グラッチ(Vn)スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(MELODIYA)1979シマノフスキ的無調印象派からラプソディックな激しい曲想を交え進んでいく音楽はやや捉え所がない。しかしどこか甘いところがあり(ゲンダイオンガク好きには受けないだろうが)ボーダー好きには堪らないだろう。弱奏部に聞かれる弦楽器の静寂の全音符やハープ、鉄琴の美麗な響きが印象的。強奏部の独特の符割りも楽しい。クライマックスに分かりやすい旋律が出て思いっきり感傷的になる構造はあざといが感動もの。ソリストは力みすぎ。音色に幅が無くなっている。全般にはよく流れている。○。,
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