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ルーセル:組曲ヘ長調

○コープランド指揮トロント交響楽団(DA:CD-R)1976/11live

コープランドは指揮もよくしたがいずれも生硬で透明感と客観性が勝るものである。この演奏では録音のせいもあろうが重心が低い響きにいちいちこだわる感じが強く、テンポがちっとも前に向かっていかない。上にも跳ねない。チェリの演奏様式に近いが指揮技術的に劣るというか、整え方が甘いと言うか、がさつである。ルーセルはナディア・ブーランジェらを通してアメリカのアカデミズムに影響をあたえた一人で、コープランドの日和ったほうの作品にはとくにリズミカルな書法や響きの傾向に共通点が見出せるように思う。この作品が選ばれたのもそういう理由だろう。いちおう○にしておく。チェリ以外ではNYPのころのブーレーズにも似たところがあるか。
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マーラー:交響曲第4番

○ベイヌム指揮ACO、リッチー(sp)(DA:CD-R)1952/5live

基本的に剛直・テンション高留まりの、50年代にありがちな演奏スタイルだがちょっと技術的に軋みを生じている部分もあり、終楽章冒頭にいたり独唱とオケのテンポ感のズレという形ではっきり露呈してしまっている。リッチーの歌唱は落ち着いていちいち思いなおすような生硬なもので、オケ側がえんえんとスピーディな演奏を繰り広げてきただけにそれにあわせることができず、指揮者もどちらかといえばオケにあわせたまま調整しようとしているような感じだ。これはリッチーがKYなのかもしれないが(この「流行語」いつまで通用するんだろ)、この終楽章はちょっといただけなかった。最後はなかなかの詠嘆ではあるが。いちおう○。

マーラー:交響曲第9番

○セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R/MEMORIES/ARKADIA/stradivarius他)1969/1/30(1968/5/9?1968/1/30?)live・CD

セルの9番ライヴは無編集ではこの録音と2/6の演奏記録がある。たいていはこの1969/1/30の演奏の録音である模様。後者は1970年大地の歌他との組み合わせのCD-R、cult of classical music、廃止レーベルだがwebで聴ける(放送エアチェック、別項参照)。これは初出はモノラル聴衆録音だが後発はステレオ、エアチェックものと思われる(MEMORIESやCD-R)。重厚な語り口でしっかり表現していくもので、迫力がある。録音が撚れ気味で、音量にも録音起因の揺れがあり聴きづらいが、一応ステレオなりの立体感は保たれており、セルがけしてせせこましい音楽を指向していたのではないことがわかる。マーラーらしい聴感の佳演になっている。まあ、セルはあくまでクリアな録音でこそ活きてくる精度を持っていた人であり、正規ですら物足りない録音が多い中、この音質でも少々きついかもしれないが。○。

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

○カンテルリ指揮NBC交響楽団(ASdisc)1951/12/1live・CD

あくまで醒めているが、弦楽器がテーマを接ぐところでデリケートな音がそっとルバートして入ってくるところなどなかなかの配慮である。録音がけしてよくないので細部はわからないが、詠嘆の表現なども「カンテルリ意外とやるなあ」と思わせる。○。

ラヴェル:ラ・ヴァルス

○カンテルリ指揮NBC交響楽団(ASdisc)1954/2/7live・CD

即物的なカンテルリの芸風がよくあらわれた演奏で、ワルツ的な揺れの表現よりもしっかりしたテンポと浮き立つようなリズム表現がひたすら追求されている。オケのせいか生気がないというか醒めた感じのする演奏でもあり、そういう意味でけして「面白い」ものではないが、完成度は高いと言えるかもしれない。○。

ラヴェル:ボレロ

○カンテルリ指揮NYP(ASdisc)1954/3/19live・CD

打楽器的な演奏というか、とてもリズムが明瞭で切っ先が鋭い。録音はやや悪いがカンテルリの(色艶はなくとも)鋭敏な耳と確かな腕がオケを細部まで統制しきった演奏ぶりがうかがえ、演奏者も盛り上がれば聴衆も熱狂する。NYPにこういう演奏をさせるだけでも凄い。○。

ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲

○カンテルリ指揮NYP(ASdisc)1955/3/20live・CD

迫力たっぷりの演奏でカンテルリのライヴにしては音はいいほうではないか。若さゆえかオケのゆえかけして熱や艶を帯びることはないけれども突進するようでいて音量の非常なる変化や明瞭なアタックでドライヴしてゆくさまはこの指揮者がまさに脂ののりきった時期にさしかかっていることを示している。惜しい人材ということだ。客も盛り上がる。○。

マーラー:交響曲第9番

○ベルティーニ指揮VSO(WEITBLICK)1985/2/3LIVE・CD

どんなに技術的瑕疵が多くても、歌謡的なマーラーにはウィーンのオケが最も似合う。ベルティーニは見通しよくかつかなり激しいアタックで切り裂くような硬質の表現をめざしているがオケは指揮者の構造に対する鋭い感覚を従順に受け入れつつも容赦なく歌うところは歌い、結果として、旋律とそれにからむ対旋律しかない単純さの目立つ、和声的に空疎な部分の多いこの曲の、本質的な不可思議さがそのまま浮き彫りにされ、効果的にマーラー晩年そのものの魅力が生きてきている。すばらしい記録であり、VSOにしては出来がよく、ベルティーニにしては激情的、聞いて損はあるまい。私は後年のものよりおおいに買う。

バルトーク:ヴィオラ協奏曲

◎プリムローズ(Va)ヨッフム指揮バイエルン放送交響楽団(green HILL)live・CD

非常に音はいいし演奏自体も軽さすら感じさせるまでにこなれていて美しい。バルトークの情念的な部分の殆ど無い、ウォルトンのような表現というか、ウォルトンが真似たとも言えそうだが、ヴァイオリン的な音でそつなくこなすプリムローズだけに(そういう演奏ばかりではないがココではそのとおりである)尚更聴きやすく娯楽性が高い。ヨッフムがまたプリムローズと組み合ってありえないくらいの融合ぶりを発揮して、伴奏指揮者として巧い。◎。

バルトーク:管弦楽のための協奏曲

○アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(Lanne:CD-R)1950年代live

ちょっと類をみない演奏である。押しの弱さ、一部演奏陣の技術的な弱さが感じられる反面、ロシアものでならしたアンセルメ特有のリズム表現の絶妙さが指揮者への信頼のもとに築かれた丁々発止のアンサンブルに反映され、透明感ある(土臭さのまったくない)音楽を感興的に描き出している。見通しがいいだけに違和感も感じさせるかもしれないし、バルトークにしては翳りがなさすぎるとも言えそうだが、フランス的演奏といってもいいこの表現がほぼ同時代になされていたことは注目に値する。海賊盤にしてはまあまあ音はいい。○。

ヴォーン・ウィリアムズ:カンタータ「ドナ・ノビス・パセム」

○作曲家指揮BBC交響楽団、合唱団、フライン(Sp)ヘンダーソン(B)(SOMM他)1936/11放送録音・CD

SOMMは正規盤としての初リリースとのことだが既出盤と音質的にはそれほど変化はないようだ。ダイナミックな演奏で覇気があり(そういう曲なのだが)、歌唱・合唱のドライヴの仕方が非常にプロフェッショナルに感じる。比較的有名な録音であり、曲自体も合唱曲好きには知られているもので、私は余り合唱曲は得意ではないけれども、人によっては楽しめるだろう。○。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番

◎作曲家指揮ロンドン・フィル(SOMM)1952/9/3プロムスlive・CD

驚異的な発見である。戦中戦後、その爪あとを癒すかのような曲想に当時の指揮者たちがさかんにとり上げた中での作曲家本人による指揮記録だ(初演も作曲家本人により1943/6/24プロムスで行われている)。RVWの素直で幻想極まる3番と技巧追求が老いの諦念の中に昇華された9番の作風の狭間に両方の長所を備えた作品として、代表作にも数えられるこの曲はソロを除けば難しいところは殆どなく、それだけに演奏陣の思い入れと指揮解釈の幅の出し方・・・とくに和声的な作品だけに「響き」の追求・・・が問われる。極度に録音が悪く楽章によって状態に差があるのはおいておいて、作曲家としての「描きたかった実像」、そこに合唱指揮者としても定評のあった演奏家としての力量が存分に反映され、ロンドン・フィルもボールトとのもの以上の集中力を発揮してきわめて精度の高い演奏を行っている。雰囲気的に演奏陣に並みならぬ思いいれがあるのは感じられる。やはり3楽章のダイナミズムに尽きるだろうが録音の貧弱さが音響音量のバランスを伝わらなくしている終楽章を除けば他の楽章も素晴らしい。RVWの音響の整え方は理想的だろう。ボールトの方法論は正しく、ドイツ的な重心の低い安定した響きを求めていたようである。但し録音ゆえわかりにくいが弦楽器を中心として透明感ある見通しいい響きにはなっており、合唱指揮者ならではの特質が感じられる。テンポ取りにおいては現代のものでは聴けない大きなうねるような起伏がつけられている。ライヴならではかもしれないがボールトよりもよほど感情的であり、だがバルビのように全体のフォルムが崩れるようなカンタービレはなく自然である。旋律線が和声から乖離するようなこともなく不分化であり、とにかく非常にこなれている。作曲家だからといえばそれまでだが、これは規範となる解釈だと思う。ある時期までボールトに非常に近しかったのも出自がドイツ系の作曲家への師事から始まっているがゆえのものであるし、今現在和声に重点が置かれ客観的な整え方をして透明感を強調する場合が多いのは途中でのラヴェルへの師事に着目した解釈であろうが、その両方をバランスよく取り入れた演奏というのは余り聴かない。「民謡臭いブラームス」でも「重厚なラヴェル」でもない、ここには「RVW」がある。旧い録音雑音まみれの録音に抵抗がなければ聴いて損は無い。終楽章のあの高みに昇りつめるような明るさが録音で損なわれ少し不完全燃焼気味でもあるし、拍手もカットされているが、◎。

オスカー・ピーターソン氏死去

やはりあれが最後だったかー。。聞きにいけばよかった。。

なつかしきヴィトゲンシュタイン

マーラーの「夜の歌」がたまたま録画されていたので終楽章だけ見る。スヴェトラーノフのN響ライヴである。ずいぶんとメンバーチェンジもしているのだなあ。スヴェトラの音楽もまさかこんなにすぐ聞けなくなるとは思っていなかったし、N響客演にかなり力を入れていたことが改めてわかる。特有の音響感覚にいわゆる爆演型の解釈を(大人しめではあるが)くわえた、こんな人はもういないなやはり。フェドも大人しくなってしまった。晩年とはいえテンポはそれほど落ちず(あのテンポダウンは振れるオケが技術的に困難をかかえたところ(ロシア響含む)ばかりになってしまったせいもあるのだろうな)、ずいぶんと熱した演奏でもあり、フリークの大ブラヴォに対しロシア楽団との来日公演では余り見せなかった暖かな身振りと満足げな所作をしてみせている。けっこう録画や録音に失敗して、この次の諏訪内さんとのグラズノフのコンチェルトは撮れてないのだが、一連のスヴェトラ客演記録はいつかまとめてほしいもんだ。数的にも限られているだろうし、一流以外のオケに対するスヴェトラがいかに懇切丁寧な指揮をこころがけていたかビジュアル的にわからしめるうえでも、また、この人を忘れないためにも~音盤だけだと30年前の「ロシアもの専門ソヴィエト指揮者」イメージに世評が戻ってしまう。年末とか、ベト9あたりやってもおかしくないのにな。ちょっとテープが劣化している。うーん、旧いテープのたぐいはいつかどうにかしておかないとなあ。

スヴェトラはやはりストコに似ている。コーダを聴いて思った。

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ディーリアス:高い丘の歌

○ロジェストヴェンスキー指揮BBC交響楽団、合唱団、BBCシンガーズ(IMP/BBC)1980/12/10ロイヤル・フェスティヴァル・ホールlive・CD

生気ある演奏で、かつ重厚な構造的表現はロシア国民楽派の「ましな」交響曲の解釈を髣髴とさせる。ミャスコフスキーの交響曲を思わせる音感があるが、しかし弱音部の静謐な表現はロシアものではありえない精妙な音響で唸らせる。ロジェストのイギリスものはほとんどみかけないがライヴではもちろんやっており、ややロシア臭が強くて演奏精度にも問題がある無骨なものもあるが、これは美しい。ディーリアスが作曲家として「プロフェッショナル」なのだということも考慮におくべきだろうが。しっかりした曲構造を持っている。

ブラームス:交響曲第3番~Ⅰのリハーサル部分抜粋

クレンペラー指揮ニュー・フィル(archiphon:CD-R)1971live

ごく短い。晩年にしては意外と力のある表現。クレンペラーの伝記映画に収録した、その音だけを採録したもので評価外として無印。

マーラー:交響曲第2番「復活」~Ⅰ、Ⅱリハーサル部分抜粋

クレンペラー指揮ニュー・フィル(archiphon:CD-R)1971live

ごく短い、自由な雰囲気の切り取られた情景。晩年らしい遅いテンポと重く確信に満ちたリズムのみが伝わる。ドイツ臭い英語ははっきりしており、老年の衰えは指示にはあらわれない。一楽章の冒頭を含む二箇所ならびに2楽章一部のリハ抜粋をクレンペラーの伝記映画に収録した、その音だけを採録したもので評価外として無印。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番

○ストコフスキ指揮BBC交響楽団(IMP/BBC/M&A他)1964/9/15プロムスlive・CD

有名な熱演で私も大好きだったが改めて冷静に聴いてみるとどうも演奏精度に問題がある。ブラスが特に乱れがちで、ブラスだけによる2楽章スケルツォは書法あるいはスピードの問題でもあるが冒頭からガチャガチャずれてしまい、つんのめったまま終わる。反して1、3楽章は深情篭り素晴らしく、特に弦楽器のフレージングやアーティキュレーション付けが美しいのはストコの技でもある。4楽章の壮麗なお祭り騒ぎも含め全楽章通して速いテンポで一直線に突き進むこの演奏は、ライヴとしては盛り上がるものであり、精度に耳を塞ぐことができればとても楽しめるが、RVWの精妙な書法を味わいたい向きには向かない。○。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番

○サージェント指揮BBC交響楽団(IMP,medici/BBC)1963/8/16プロムスlive・CD

アレグロ楽章の出だしからグズグズ、しかし作曲家と親交深かったサージェントなりのリズムとスピードで煽り、若干引き気味のイギリス的なオケの弱い表現を、曲の要求するドイツ的な構造物に仕立てようとしている。4楽章のヒンデミット的展開(ブラスの用法や構造的書法に影響が顕著だ)まで、やや弛緩したようなテンポの音楽が続くが、プロムスだから「ザ・プロムス」のサージェントには大ブラヴォが贈られて終了。ライヴらしい演奏ではあるが緊張感に足りないものを感じた。この曲にライヴ録音は珍しいので○。2楽章あたりが一番板についているか。アメリカ往年のテレビドラマBGMのような音楽。2008年mediciレーベルとして再発売。

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TREview

ブルックナー:交響曲第9番~Ⅲ

○スヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団(EXTON/VENEZIA)1998/4/13-17・CD

整った演奏ではあるがいわゆる晩年様式の感じはしない、生気ある演奏になっている。既に弦楽器が弱体化している筈とはいえここではロマンティックな表現がスムーズに板についており、さほど気にならない(ホール残響のせいもあろうが)。諸所わずかにロシア臭がするものの、もはや清潔な美意識の中に昇華された感もあり、ロシア音楽アンソロジーシリーズの頃のローカリズムの主張がもはやスヴェトラの芸のうちに無いことを感じさせる。十分に長い楽章抜粋とはいえ、ブルックナーは交響曲総体で意味をなす側面もあり、これだけでは評価しようのない部分もあるが、ロマンティック・ブルックナーを体言した最後の指揮者なのかもしれない、とも思って聴いた。○。
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