フォーレ:夢のあとに(トロンボーン編曲)

○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1967/5/14NYベッツ病院慰問live

なんとも言えない音色でしっとり歌われる。トロンボーン?サックスでは?と思わせる泣きの名演。ストコらしいねっとりとしたテンポまわしと音響の開放的なさまが、この曲にアメリカンな感傷という表現も可能だということを知らしめる。録音は膝録で最悪。
スポンサーサイト

スーザ:星条旗よ永遠に

ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1967/5/14NYブロンクス・ベッツ病院慰問live

膝録もので鑑賞に値しない非常に貧弱な録音。演奏も強い表出力はあるものの隈取が明瞭なだけで前進力は感じられず、それほどアピールしない。

続きを読む

R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」

○マーツァル指揮NYP(DA:CD-R)1976/1/1LIVE

表面的で浅いがステレオ的な拡がりの十全な録音で正規録音と言っても通用するレベルだ。演奏は中庸で表現は軟らかい。沈潜する明るさが曲の田舎臭さを浮き彫りにする。楽器の音は単色で管弦楽法にのっとった色彩感のみであるが繊細なまでに再現され美しいことは美しい。○。

続きを読む

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」

○メンゲルベルク指揮ACO(PHILIPS/ANDROMEDIA)1940/5/2LIVE・CD

活き活きした名演。録音は歪むが仕方ない。1楽章では構造を無視したソロパートのルバートが特徴的。合奏部が性急なインテンポで通しそれにソロが後から辻褄を合わせることで全フォルムの崩れを避けている。スケルツォなど特にそうだが短く切り詰めた音符と明快なアクセントがいかにも厳しく雄こんでベト的だが、音色はウィーン的な艶があり、3楽章にその魅力がよく出ている。木管が非常に美しいがこの録音で唯一はっきりヴァイオリンのポルタメントが聞かれる楽章でもあり、4楽章の旋律表現に引き続くカンタービレ表現もきわめて美麗。独唱合唱もがっちり組み合い、ブレもミスも許さない指揮者の専制君主ぶりがハッキリわかるが、団員の自発的としか思えないボリュームある表現は両者が杓子定規な関係でもなかったことを推測させる。音楽は数十人からの高度な共同作業であり、一人のコンダクターがスイッチを入れれば変わるような機械的な単純作業ではない。末尾の大ルバート以外は違和感はなかった。

続きを読む

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

ノイマン指揮チェコ・フィル(EXTON)1995/1/23-26・CD

エッジが立たず穏やかゆったりの演奏である。丁寧でスケールが大きく、瞬間的な激し方はしない。悪く言えばのっぺりしている。ゆえに3楽章がしっくりくる。他は甘く感じる。4楽章は遅すぎてブラスが乱れる場面もある。粘りもないので案外すっきり流れる演奏ではあるのだが、3楽章は例外的に丁寧に大きく粘るようなクライマックスから結部はあくまで幸福感の中にドラマを感じさせる。ひっかかりがないので無印。

続きを読む

モーツァルト:交響曲第40番

○エネスコ指揮NYP(DA/Lanne:CD-R)1937/1/31LIVE

弦おしなべて硬質な音でアタックがきつくいちいちアクセントでアンサンブルを合わせるような感じで、ひと時代前の弦楽合奏を聞くような感がある。かなり速いが乱れない。録音はじつに雑音まみれ。○にしておくが勧められない。

シベリウス:交響曲第1番

○ストコフスキ指揮ヘルシンキ市民管弦楽団(DA:CD-R)1953ヘルシンキ音楽祭LIVE

録音は最悪。しかし演奏はすさまじい。ゴージャスな爆音だったことを想像させる破裂しそうな録音の中から、テンション高く技巧的にすぐれた分厚いオケが異様な速さで疾走するさまが聞き取れる。この怒濤のテンポは即物的なほどだが、あっという間のフィナーレ後得られるカタルシスはかなりのものだ。録音が悔やまれるのみ。

続きを読む

ルーセル:歌劇「竪琴の誕生」による交響的断章

○コッポラ指揮大交響楽団(GRAMOPHONE/lys)1930/1パリ、サラ・プレイエル・CD

短い典雅な曲でルーセルならではの重い舞踏リズムから東洋的な色彩ゆたかな幻想的パセージまで、アメリカ印象派のようなパノラマ的展開が面白い。コッポラはアバウトなところもあるがラヴェル的な組み物を整理するのが巧い。

ドビュッシー:弦楽四重奏曲~Ⅲ

○ロート四重奏団(ODEON)SP

深い音色で丁寧に綴られる緩徐楽章。前時代のロマンティックな演奏様式はフレージングにあらわれるがそれほど鼻につく感はなく品がよい。ひそかに息づくようなテンポ運びが美しい。中間部はスピットにテンポが上がり躍動感ある、しかしインテンポで盛り上がる。頂点ではさすがに甘やかなポルタメントが入りまくるが、技術的に安定しているのでおかしくはならない。書法上旋律が薄くなるのは仕方ないが音色でカバーしている。非常に丁寧によくできている。○。

ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー

○ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団(DREAMLIFE)1954/3/18・CD

このソリストはほんとうに巧いな。不詳となっているが、LPで出ていたものとは別なのだろうか。二種あるとは聞いていた。モノラル。演奏はあいかわらずスケールの大きな力感溢れる、統制されたやりたいほうだいであり、完全にクラシカルな世界での表現主義を体言したような、いささか勘違いに過ぎるようなものである。いや、ガーシュインはこういう演奏があったら喜んだかもしれない、同時代に。クラシックとしてかなり聞ける。○。

ガーシュイン:歌劇「ポーギーとベス」組曲

○ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団(DREAMLIFE)1956/2/1・CD

シンフォニックな演奏で厳しく締め上げられ磨ぎ上げられたガーシュインが耳を切り裂く。スケール大きくゴージャスな、しかし金属質の響きをとどろかせる宇宙的ガーシュインはやや耳に厳しい感もあるが、クラシカルな範疇ではやりたいほうだいの表現の幅を持っている。ガーシュインがクラシックの世界に構築されるとこうも先鋭な音楽に聞こえるものか。ケーゲルらしい。○。

ボロディン:弦楽四重奏曲第2番~Ⅲ.夜想曲

○ロンドン弦楽四重奏団(COLUMBIA)SP

録音のせいかもしれないがファーストの音が細くて昔らしいアデな表情が無いのと全般に色の無いニュートラルな音でわりと現代的な組物になっているのが意外だ。フレージングには感傷的な溜めはあるのだが、結果出来上がった音楽は抽象度が高く、安定感もある。曲なりのオリエンタルな色がないし、瑕疵は無ではないが技術的にはちゃんとしている。

ボロディン:中央アジアの平原にて

○ヴォルフ指揮ラムルー管弦楽団(POLYDOR)SP

短さと旋律性から通俗名曲として20世紀前半より親しまれてきた曲だがとりわけオリエンタリズムに趣味深いフランスでは受け容れられ録音も多い。ヴォルフはやや新しい指揮者であるせいか録音の新しさにも恵まれピエルネのような柔な音ではなくはっきりコントラストのついた音によって骨太のボロディンを描いている。しかし中間部の隊列の主題はかなり情緒的な表現がたっぷりなされており、フレージングも柔らかく詠嘆の情がにじむ。ヴォルフらしくないがこれは時代と国の欲求だろう。金属的で美しいフラジオも印象的。録音時間に制約あるSPゆえ末尾など欠けたりしている。

ボロディン:中央アジアの平原にて

○ピエルネ指揮コロンヌ管弦楽団(GRAMOPHONE)SP

わりとしっとりした演奏で、この理知的な発想の作品を、ロマンティックではないのだが機械的に組み上げるのではなく流れの上に横に引き流していく感がある。この曲は簡素ゆえ演奏によって様々な表現ができ、旋律音楽にも印象派音楽にも前衛音楽にすら仕立てることができそうだが、ゆえに誤解や嫌悪を産む素地がある。この演奏ではボウヨウとした弱い音楽に聞こえる可能性があり、個人的には軽やかで綺麗なもののそれほど好きではない。

リムスキー・コルサコフ:交響曲第3番「アンタール」~ⅡⅢⅣ

○コッポラ指揮パリ音楽院管弦楽団(GRAMOPHONE)SP

全曲録音していると思うが未確認。散漫でのっぺりした感もある曲を瑞々しく明瞭なロシア音楽としてわりと派でめに演奏しているがロシア流儀とはあきらかに異なり、色彩性を除けば西欧的なまとまった演奏になっている。立派な交響曲録音ではあるのだが。SP録音の編成規模への制約が背後にあることは確かだ。オリエンタリズムの粋のみを取り出して聞かせどころを固めてくれた、そんな演奏。

ルーセル:組曲へ調

○コッポラ指揮大交響楽団(GRAMOPHONE/lys)1930/1パリ、サラ・プレイエル・CD

ブカブカ吹かす感もあり雑味含め娯楽的だが、コッポラの録音はたいてい即物スタイルゆえ、色彩的で派手でわりとゆったりしたこういう演奏は珍しい。雑味といってもオケはけして下手ではなく表現に躊躇がないだけであるから、昔の録音好きにはおおいにアピールするだろう。この酒場やキャバレーのワイザツな情景をうつしたような音楽はこうやるのが本来の流儀かもしれない。

ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲~Ⅲ.シレーヌ

○ピエルネ指揮コロンヌ芸術協会他(ODEON)SP

全曲録音しているのではないかと思うが、他に確認できているのは雲だけ。印象派音楽表現のセンス溢れる素晴らしい演奏で合唱とオケのバランスもモノラル録音としては理想的。美麗で典雅。ブレの無い克明な演奏からはアンゲルブレシュトあたりに通じるフランス派の曖昧さを排したオケコントロールぶりも伺える。SPゆえ速めのテンポをとっている可能性があるがそう感じさせないのは音色の繊細な妙だろう。○。

オネゲル:パシフィック231

コッポラ指揮グラモフォン交響楽団(GRAMOPHONE/lys)1927/11/15パリ・CD

冒頭からブラスソロが危なっかしい。奇怪なリズムをかなり技巧的に表現しなければならないので、とくにこの時代の貧弱な録音方法では、オケ総体としての音量と整合させつつしっかりソロパセージを聞かせるのは難しいのかもしれない。ソロとオケ別録ならまだしも。弦がマスで加わるとテンポが安定して、流れで聞けるようになる。しかしやはりこの曲はこの時代の録音技術およびフランスオケではなかなか難しく、手だれのコッポラをしても聞かせどころである音量の巨大な起伏すら作れずちぐはぐで粗雑にならざるをえなかったようだ。

ミヨー:人生の喜び(ワトーを讃えて)

○作曲家指揮ロスアンゼルス室内アンサンブル(DECCA他)

小交響曲のような古雅で牧歌的な曲。ただ優しい音楽というだけではなく小規模アンサンブル的な面白さがあり、ゆったりした流れの上で新鮮に楽しめる。平易な曲ではあるが技術に穴のない奏者陣によってしっかり明瞭に進められていく。ミヨーには珍しく前衛の影がなく、かといって無邪気なだけでもなく、しっかり新古典を意識した作りになっているからわりと飽きない曲。○。

ミヨー:漫遊者組曲

○作曲家指揮ロスアンゼルス室内アンサンブル(DECCA他)

五人組時代・南米時代の作風によるもので終始曇り無い暖かでわかりやすい曲想や楽天的なリズムにつらぬかれている。録音もクリアで、アメリカの管楽器のいい意味でニュートラルな音がさらなる聞き易さとなっている。一昔前のアメリカのテレビドラマ音楽によくきかれた音色でもあり、溌剌として空は春陽に晴れ渡る曲とマッチして懐かしさすら醸される。○。
プロフィール

岡林リョウ

Author:岡林リョウ
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
カテゴリ
TAG

ストコフスキ 四重奏団 フィテルベルク ミュンシュ トスカニーニ コンドラシン バルビローリ 作曲家 モントゥ アンセルメ 作曲家演奏 ブール エネスコ ガウク ミトロプーロス ロスバウト サージェント オイストラフ フランセ ワイエンベルク ORTF アンゲルブレシュト サモスード デゾルミエール イワーノフ ゴロワノフ ムラヴィンスキー ピエロ・コッポラ モイセイヴィチ ベーム セル クーベリック カルミレッリ シュヒター バーンスタイン ビーチャム パシャーエフ ツィピーヌ アルベール・ヴォルフ パレー ウォレンスタイン アラール オーマンディ サモンズ 山田一雄 ロストロポーヴィチ シェルヘン モートン・グールド ギレー モイーズ 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード