スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

○フルニエ(Vc)シュミット・イッセルシュテット指揮北西ドイツ放送交響楽団(tarha)1956/5/14・CD


Schumann/Dvorak: Cello Concs
Fournier,Rosbaud
Tahra

このアイテムの詳細を見る

いったいいくつ出てくるんだというのがフルニエ、そしてロストロのドヴォコン(後者はそれこそ演奏会の数だけ出てきそうなものだが)。フルニエは音の美しさとそつのない演奏ぶりでむしろ多彩なバックをつとめる指揮者・オケ陣に聴き所のある場合が多い。熱血でスピードも飛ばしがちなクーベリックあたりとのものが面白いが、節度と厳しさを併せ持ったイッセルシュテットのような指揮者に機能性が持ち味のNWDRSOという常任の組み合わせも興味を惹かれるものはある。


確かに明らかに個性やパッションが聞き取れるたぐいの演奏ではなく、どちらかといえば「模範的演奏」の気の強いものではあるが、率直なテンポでヴァイオリンのような演奏振りと言ったらいいのか、スピーディでタッチも軽く、しかしやはりチェロだからその共に打ち出すのは難しいわけで、指がややスピード負けしてつんのめったり音量的にはっきりした変化がつきづらくなっていたりするところもある(それほど目立たないし録音が篭っているせいもあるが)。一部ヴァイオリニスト同様、音色の安定の余り一種飽きをきたすところもあるが、これは聴く側の贅沢だろう。オケ単体になるとイッセルシュテットの表現がぱっと出て纏綿な弦楽アンサンブルを聞かせたりなど面白いところもある。バックオケとしても立体的で構造の明瞭な彫刻がチェロの音線としっかり組み合っていく気持ちよさはこの指揮者のメリットだろう。響きのバランスよさ安定感はドイツっぽく、スラブぶった匂いを取り去っている。


音表現の美しさは2楽章でとても生きている。この盤の白眉だろう。古典的な雰囲気すら持つ水際立った精度のバックもさることながら、フルニエの高貴な旋律表現は筆舌に尽くしがたい。大きな流れの中に技巧的フレーズが有機的に、悪徒に主張せず組み込まれ、音楽の緩急が呼吸するように調和的に紡がれていく。バックが節度を持ちすぎて音が鄙びる感もあるが、この表現でフルニエの音量が余り出ないせいかもしれない。ソロ管楽器とソリストとのアンサンブルもなかなか丁丁発止だ。


3楽章は厳しく始まるがソロが入るとちょっと柔らかくなる。ちょっと録音が悪くなっているせいかもしれない。音量変化が聞き取りづらいのが骨董録音の実にデメリットで、tahraはよく音質調整はしているが音量操作までは余りしないから音域がカットされている音源の場合部分的にパワー不足を感じる場合がよくある。武骨なオケとなめらかなソロという組み合わせで意外とスケールが広がらないが、録音の限界のほかに、フルニエのそもそもの芸風とも言える。技巧的には本当に素晴らしいが音量は控えめ。調和のとれたあくまで「制御された柔らかさ」を目しているのだ。チェロらしい音域に降りた第二主題のほうがやはり素晴らしく力がある表現になっている。余りにしゃっちょこばったコンマスソロ(というかあくまでオケの声部として敢えて堅く表現させているのだろう)が対照的で、可哀想になるほど美しい音色表現で圧倒的な存在感をみせる。制御的なオケの引いた構築性がソロを自由にさせている。といっても自由にするようなソリストではないので、あくまで節度ある貴族的な雰囲気のうちに、壮麗なオケが出しゃばって幕は下りる。○。

続きを読む

スポンサーサイト

スメタナ:組曲「わが祖国」より「モルダウ」

○シェルヒェン指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団(westminster/tahra)1957/5・CD
実に落ち着いたテンポで、よく言えば細部まで丁寧、悪く言えばドイツ臭くリアルに冷静につづられていく。tahraがCD初出というが冒頭のような静かな場面で混信のような雑音が激しく入りやや聞きづらい。ちょっと特有の魅力があり、土俗的な演奏とはまた違った大人の魅力がある。漲る民族的なパッションや、イマジネイティブな情景描写の力には欠けるところもあるが(中間部が終わりモルダウ川の煌きにかえるあたりの木管からヴァイオリン、ハープの繊細な絡み合いと纏綿とした美しさは例外・・・冒頭主題に戻ってからは実に重く遅く弦が崩壊寸前でブラス絶叫パーカスぶっ叩き、しかし木管は素朴に棒吹き、なんじゃこりゃになる)、ホールで客観的に聴く音楽のよさというか、主情的な演奏が見失いがちなスコア自体の魅力に立ち返ったような、他国の音楽を他国のものとして、自国のワグナーのような音楽をさばくやり方でしっかり表現しているというような演奏。シェルヒェンの立ち位置がよくわかる。爆演なんてイメージはライヴ録音がやたらとCD復刻されたここ10数年に出来たものだ。きちんと曲を腑分けしてから、自己流に組み立て直して提示する人。変だけど、「爆発」なんて非制御的な解釈は施さない。
Le Concert Imaginaire
Scherchen
Tahra

このアイテムの詳細を見る

続きを読む

ベートーヴェン:交響曲第7番

○クレンペラー指揮ACO(archiphon:CD-R/MEMORIES)1951/4/26live・CD
テープ録音のようで意外とクリアだが劣化が激しくお世辞にもいい音とは言えない。音場はステレオを彷彿とさせるほど不自然に広いが最高音が伸びず篭ったインホール録音のような感じになっており、雑音、不安定さ含めて一般向きではない。演奏はみずみずしいものの、終楽章が意外と前に向かわずクレンペラーらしさが出てしまっている(テンポは速いし最後の畳み掛けは凄い)。激しい音表現の変化が録音のせいで削られ、アゴーギグやデュナーミクのダイナミズムを楽しむことができない。悪くは無いが、パンチがない。○にはしておく。メモリーズでCD化。

<クレンペラーの7番(参考)>

VPO・1956ライヴ正規盤
Brahms: Symphony No. 3; Beethoven: Symphony No. 7

Orfeo

このアイテムの詳細を見る

フィルハーモニア管弦楽団・1957ライヴ正規盤
Beethoven: Symphonies Nos. 2 & 7

Testament

このアイテムの詳細を見る

(ニュー・)フィルハーモニア管弦楽団とのスタジオセッション~

EMI原盤のどの録音かは曲の組み合わせで識別しましょう。但し時々全集盤から違う組み合わせのものも出たりしますので注意(4と7など)。

1955モノラル正規盤
Symphony 5 & 7
Beethoven,Klemperer,Philharmonia Orchestra
EMI Classics

このアイテムの詳細を見る

ステレオ実験盤
Beethoven: Symphony No. 7; Prometheus Overture

EMI

このアイテムの詳細を見る

1960正規盤
ベートーヴェン:交響曲第1番&第7番
クレンペラー(オットー)
EMIミュージック・ジャパン

このアイテムの詳細を見る

1968正規盤(ニュー・フィル)、山野楽器独自企画盤と同じ
ベートーヴェン:交響曲第7番
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
EMIミュージック・ジャパン

このアイテムの詳細を見る


他にマイナーレーベルものやライヴ非正規盤がある

いろいろやってます

ビックカメラドットコムさんから商品バナーが取得できるようになったので、マランツのとか羅列しようといっしゅん思ったんですが、白バック写真なので、黒バックだとどうにも映えない・・・それに画質がいまひとつなので、器械モノの小さい写真は難しい。音聴箱があったのでためしに左欄に貼らせていただいております。カメラを羅列したい衝動にも駆られましたが、音楽と関係ない。。

アフィリと親和性の薄い絶版ばかりを相手にしているこの盤評ブログですが、レイアウトとかいじる過程でいろいろやってみることにしました。じきamazonなんかも入れてきます。ただ、gooブログがなにぶん融通がきかないので、実験場は別に作ろうかと思ってます。メインはここと本サイト(ジオ)になりますが、さらによそに書いたりしているクラシック以外の記事もインデックスする用に自由度の高いフィールドを近々設けようかと。宜しくお願いします。

あと、企画ページとして何か作ろうかと思ってたんですが(「裏青」「猫」などの特殊用語集とか)、本サイトの容量が限界ゆえ、インデックスサイトにつけることになるかと思います。まあ、気まぐれですけど。

ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲

○クレンペラー指揮ACO(archiphon:CD-R)1957/1/20live

一楽章こそ遅くて重苦しいが、二楽章の繊細さに透明感、三楽章のリズミカルさに破壊的な推進力は圧倒的。いずれも音表現が明確で、緩やかになったり細くなったり途切れたりは決してせず、デジタルな数学的合理性を重視するストラヴィンスキーの美学にあったものになっている。クレンペラー壮年期の煌きが未だ感じられる爽演。しかもオケがいい。後年のイギリスでの柔らかい響きのものに比べ未だ鉄壁の機能性を誇るACOの、叙情的なソロからトリッキーな合奏での一糸乱れぬ表現の幅に感服する。惜しむらくはやはり録音状態で、かすれ気味なのは痛い。○。

↓フィルハーモニア管弦楽団とのスタジオ録音
ストラヴィンスキー:三楽章の交響曲
クレンペラー(オットー)
EMIミュージック・ジャパン

このアイテムの詳細を見る

↓(LPOと記載しているデータもあるが同一音源)
Klemperer: Merry Waltz; Weill: Kleine Dreigroschenmusik; Hindemith: Nobilissima visione

EMI

このアイテムの詳細を見る

ベートーヴェン:交響曲第8番

○クレンペラー指揮ACO(archiphon:CD-R)1949/5/1live
溌剌として曖昧さの微塵もない快演。リズムのしっかりしたクレンペラーだがそこに引きずられることのない同時期のバランス感覚が、もっともいい形で現れるのはやはりベートーヴェンだろう。8番は冒頭こそ有名だが結構マイナーな曲だと思う。それは均整感や完成度という面ですばらしい域に達しているものの楽想のアピールや発想の前衛性において後期のほかの交響曲と比べるとやや地味であるところに起因しているようにも感じる。演奏によっては地味さが倍増して聞こえてしまう。だがこの8番は終始7番のノリで楽しい。明るく古典的な明快さをリズム感とスピードによって提示し、終始同じような調子ではあるけれども、最初から最後まで聞きとおさせる「連続性」が売りだ。さすがに終演後の拍手も盛大。だが、録音は最悪の域。○。

<クレンペラーの8番(参考)>

解釈の基本は同じ。時期的にも軽やかさを保ったクレンペラーの意外な一面を楽しめます。

ACO・1956/5/17ライヴ盤(music&artsで出ていたものと同じ、共に非正規注意)
Beethoven: Symphonies Nos. 6, 8 & 9

GOP

このアイテムの詳細を見る

フィルハーモニア管弦楽団・1957正規スタジオ録音盤
ベートーヴェン:「運命」& 交響曲第8番
クレンペラー(オットー)
EMIミュージック・ジャパン

このアイテムの詳細を見る

組み合わせの運命が名演で有名。他にも組み合わせを変えるなどして何度も出ています。

フィルハーモニア管弦楽団・1966ライヴ正規盤
Beethoven: Symphonies Nos. 1 & 8; Grosse Fuge

Testament

このアイテムの詳細を見る

ミャスコフスキー:交響曲第21番「交響的幻想」

スヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団(OLYMPIA/仏WARNER・スヴェトラーノフ協会)CD


きわめて遅く沈潜した晩年スヴェトラーノフ的な表現で、ねっとりしたフレージングはきかれるけれども力がなく楽想変化もぎごちない。オケが余りにぼろぼろで迫力がまったく出ないのだ。弦のプロとは思えないバラケ具合にはスヴェトラーノフの傷心を想って余りある。求心力がないのは解釈のせいでもあろうが、この短い単一楽章交響曲はミャスコフスキー晩年の凝縮されたロシア節がもっともよく現れたものの一つであり、この雑で稀有壮大傾向な演奏では長所が殺されてしまう。スヴェトラーノフの響きは統制された冷たく透明なものを志向しておりミャス晩年の理知的傾向と合致した思想があるように思うが、テンポが弛緩しすぎているからオケがだらけて却って演奏の個性を殺すほうに動いてしまっている。無印にせざるをえない。のんべんだらりとした演奏。


Miaskovsky: Complete Symphonie

Wcj

このアイテムの詳細を見る


ミャスコフスキー(総論・本サイトまとめ)ミャスコフスキー(ブログまとめ)

ドビュッシー:3つの交響的エスキース「海」

○ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(BSO)1962/3/30live・CD
ミュンシュの海、しかもボストンのライヴものは現在山ほど出てきており、さすがに私も追いかけるのをやめたが、その日のテンションやオケの調子、録音後の操作などによって聴感に多少差異はあり、多少追いかける意味はある。この演奏はボストンが比較的落ち着いていて、最後のブラスの異様にチープな響きに彩られた瞬間湯沸し器的な盛り上がりを除けば、ミュンシュらしからぬ演奏精度に重心を置いたような表現が特徴的。だが、そのせいか演奏的に強く惹かれる要素がなく、最後だけ盛り上がりの違和感を残すような中途半端さが否めない。ブラヴォも出るし演奏的にはこれでよかったのかもしれないが、ミュンシュライヴとして期待するものが全部出ているとは言えないか。○。

↓正規スタジオ録音盤
ドビュッシー:海
ボストン交響楽団 ミュンシュ(シャルル)
BMG JAPAN

このアイテムの詳細を見る


サイト検索機能の向上についてなど

当ブログがgooの仕様により対応できないため、本サイトに手を入れました。

ブログも含むサイト全体のgoogle検索機能に対応しました(左欄の上のほう)。わりと正確に検索できます。

また、アドセンス広告も入れましたがこれはまた仕様を変えるかもしれないです。よろしくお願いします。

マーラー:交響曲第3番

○ミトロプーロス指揮NYP、クレブス(A)他(DOCUMENTS他)1956/4/15live・CD
異様なスピードでインテンポ気味に突き進み、音表現はひたすらけたたましく騒々しいミトプーだが、第三は特に得意とした曲だけに細部まで明瞭に表現され、オケの隅々まで技術の綻びなくテンションが漲るさまは若者に受ける要素盛りだくさんである。反面慣れている向きは煩過ぎると感じるかもしれない。長い曲だけに(1楽章は例によって細部の省略が目立つが)飽きる人も多いであろうことを思えば、実演指揮者としてこういう演奏を繰り返した理由はわかる。アメリカだしね。NYPがとにかく凄まじい迫力で、のちのバンスタを思わせるわかりやすい表現も織り交ざるものの、バンスタ時代には考えられない厳しい統制が行き届いている。ミトプーは恐怖政治の人ではなかったというから人望のなせるわざかもしれない。オケのトップを悉く手篭めにしていたから・・・?真実は藪の中。マーラーに期待される音色をもよく引き出している。1楽章の行進曲をテンションアップのために聞きたい、という人にはお勧め。もちろん中間楽章でもスピードとテンションは維持されている。3楽章の激しさは出色。幻想交響曲を意識したといわれる角笛交響曲群の中でも露骨な表現のみられる楽章のひとつだが、幻想のほうを聴いてみたくなる独特の派手派手でリアルな肌触りの演奏だ。4楽章も音量が大きくちっとも原光の神秘性が感じられないが歌唱はいい。5楽章だけは何故かテンポが落ち、非常に重い。オケ部の表現からしてそういう解釈ではあるのだが、前半がとくに合唱の集中力が落ちて聞こえる。弛緩して巧く組み合っていない感じだ。最後は壮麗な合唱のあと余韻をのこし、そのままアタッカで終楽章に入る解釈は独特。終楽章はNYPの分厚い弦楽器群の面目躍如だろう。滋味溢れ眩いばかりの光彩に心打たれる。

録音は古い録音慣れしている向きには気にならない程度。明確に音像が捉えられ実演を彷彿とさせる感じは評価できる。CD初出時は1枚に収めるために異様に曲間を詰めていたのが印象的だった。3番を1枚に収めること自体が異様だが。

<ミトロプーロスの現役盤は恐ろしいほど少ない。現代音楽を使命とした実演とオペラの指揮者であり、時代も半端だったせいで正規録音が無いのが理由だ。マーラーでは記念碑的な8番VPOライヴを聴くべき。>
マーラー:交響曲第8番「一千人の交響曲」 (2CD) [Import]
Vienna Philharmonic Orchestra
ORFEO

このアイテムの詳細を見る

ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲

◎ランガー(P)ターリッヒ四重奏団(PRAGA/Le Chant du Monde)スタジオ・CD
これは地味だがそつないターリッヒ四重奏団と音色的に見事に噛み合ったピアノが素晴らしい。余りペダルを使わず粒立った太い音はこの作曲家向きだ。新古典主義の簡素なこの曲は一部楽器のソロが異様に長いのが特徴だが、残響の余りない環境で独自色の無いながらも「地の音」で勝負しているファーストとピアノはかなりぐっとくる。それにも増してアンサンブルとして表現される合奏部はパズルのように完璧に組み合って不可分にきこえる。アンサンブルピアノとしては最上級の表現をなしている。総合的に突出はなく渋さは否めないが目立つところだけ派手にやるとこの曲は結局終楽章の有名な主題ばかり突出したキッチュなものになりがちだ。その点この演奏では終楽章も冷静に設計されたうえで構成を崩すような表現のブレをきたさないから、楽曲自体の本質を聞誤ることなく安心して聞ける。ターリッヒQは他にも録音をのこしているが室内楽団はメンバーチェンジも激しく「何度も録音している」というのは「別な団体として録音」に等しいものである。個人的にこの曲でいちばんしっくりきた演奏。ひっそりそくりと終わるのもスマートでかっこいい。◎。

<Le Chant du Monde盤>
String Quartets 1 & 2/Piano Quintet
Talich Qt
Le Chant du Monde

このアイテムの詳細を見る


(参考)
Shostakovich:Piano Qnt/Quartet

Calliope

このアイテムの詳細を見る

続きを読む

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1番

○ターリッヒ四重奏団(PRAGA/Le Chant du Monde)1976チェコ放送録音・CD
彫りの深い表現で素直な譜面に対しテンポやアゴーギグの恣意性が目立つが、テヌート表現を避けアンサンブルとしての整合性を重視するがために感情的な盛り上がりがなくやや味気なさを感じる。この団体の芸風だと後半楽章のせわしない動きをスポーティに聞かせるのが得策だと思うが、旋律でもどうしても音符を短く切り詰めて表現するやり方、東欧的な金属質の平坦な音にくわえてどうも、上手いしスリリングな緊張感もあるというのに、乗れない。恣意的な表現というのはこの旋律的な曲にはあっていると思うので解釈自体は評価できるし面白みも感じるが、あとは純粋に弦の音と芸風への好みか。室内アンサンブル好きは機能性を重視するのでこのような団体を好むと思う。独自性を評価して◎でもいいと思ったが、個人的に余りにのれなかったので○。どうにも渋い。

<Le Chant du Monde盤>
String Quartets 1 & 2/Piano Quintet
Talich Qt
Le Chant du Monde

このアイテムの詳細を見る

ドビュッシー:管弦楽のための映像~Ⅱ.イベリア

○コンドラシン指揮スウェーデン国立放送交響楽団(LANNE:CD-R)1977/10/13live

スマートとは言えないが瑞々しい演奏で立体的な構造がよくとらえられ、コンドラシンならではの荒っぽい音処理は目立つものの同曲を得意としていた理由のわかるこなれた演奏である。ロシア式と馬鹿にしてはいけない。細部まで統制された響きの饗宴は和オケでは聴けないたぐいの香気を確かにはなっている。現代的な感覚の演奏であることは確かだ。オケの冷えた鋭さもあいまってコンドラシンの無駄な熱気が抜かれ聴きやすくなっている。

(参考)
Musiques du XXE Siecle

Lys

このアイテムの詳細を見る

本当にコンドラシンはすぐ廃盤になる。melodiya原盤のスタジオ録音が何度かCDになっているので、探せばそれほど苦なく見つかる筈。

やる気無くなる

ああ、オケってこんなかんじだったねえ・・・ベトやるために入ったのに、次回ベトじゃないと???今期は降りようと思ってたくらいだけど、今期のらないとベトできないってことか(1年後には身辺どうなってるかわからん)。

で、今期は最後尾の裏だとorzトラや団友ならともかく団員なのにトラの後ろでしかも裏って、こりゃデジャブだ・・・最後にオケやめたときの理由がそれだったのだ(まいろいろあったんです)。

そりゃ練習嫌いだし今回はとにかく急に乗ることになったので都合がなかなかつきません。でもさすがにトラの後ろでトラの裏って、万難排してオケ練優先する気がしないっす。ああ、市民オケって難しいことが多いのだな。すっかり忘れていた。万難を排しないことにしたら、本番一週間前とゲーぺーしか参加できない。ははは。合計四回練習、うち一回は見学、一回は譜面なしだけど・・・曲目に対して回数的には無理ではないか。でもモチベーションが落ちますよ。。

やめときゃよかった今期。。人呼ぶのやめよう・・・

続きを読む

ブラームス:交響曲第4番

○K.クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団(MEMORIES他)1996/4/5live・CD


めんどくさいのでいちいち比較検証してないけど10月のヘルクレスザールの映像とかDGにありますね。なのでこれはこれで参考にするならマニアでもないかぎり音質的にもやっとしたメモリーズで十分かな。けっこう泣きの旋律を聞かせている1楽章、躍動感溢れる生命力の塊といった演奏ぶりから、何か痛々しさを秘めて、落ち着いた「歌」を聞かせる演奏になっている。若々しいダイナミックな表現もあるし、なめらかに進んではいくのだけれども、らしくないテンポの引きずるような感じ、低音部が強調されたような深刻な表現が重い音となって強く印象に刻まれる。残響に包まれ真実は聞こえづらいが、オケもかなりのってやっているように聞こえる。4番の1楽章はかなり難しい音楽だと思うのだけれども、これは素晴らしい解釈だ。2楽章はやはり重厚な演奏になっているがそれでも楽天性を感じるのはクライバーらしい。ウィーンぽい音色の問題かもしれない。落ち着いた歌はブラームス畢生の緩徐楽章を注意深くなぞっていく。無理な起伏をつけず、平穏に、静かに。悲劇的な曲想をティンパニが叩きつけるところでも重厚な音響感はなく、むしろその後の弦楽器の緩徐旋律再現のほうに力点が置かれている。重量感は穏やかな部分のほうがあるのである。派手な起伏がつけられないのは体力の問題であって解釈ではないという見方もあるかもしれないが、この境地でしか描けない音楽のみしっかり描かれている。それでいいと思う。曲の外面的魅力より内面的魅力に気づかされる。3楽章はちょっと響きに鋭さがなくどんくさいか。クライバーらしくないがホール残響のせいかもしれない。パーカスとブラスの表現が妙に派手で弦と乖離するのがストコを聴いているようだ。弦の静かな部分の表現の細やかさには惹かれた。明るく往年の演奏振りと変わらない。4楽章は闘争的な音楽として始まり、従来どおりあくまで人間味のある演奏をほどこしている。テンポも速く煽るようなところがある。ただ、フルートソロあたりなど晩年的な表現とでも言えばいいのか、起伏を抑え透徹し人間味がやや薄れている。クライバーは縦より横の指揮者だと思うが、ここではどちらともつかない、理で割り切れないような乖離した感じがなんとなくする。きっちりできているが構築的な演奏とは言えないと思う。やはり歌なのだ。オペラティックな盛り上がりなのだ。最後叩きつけるような派手な終わりかただが、客席反応は必ずしもよくない。願わくば二、三声だけ聞かれる奇な発音のブラヴォが、日本人のものではないことを。○。


<96年10月の映像はこちら>
交響曲第4番ホ長調 作品98

ユニバーサル ミュージック クラシック

このアイテムの詳細を見る

チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番

○シュナイダーハン四重奏団(新星堂EMI)1940・CD


復刻状態は悪く、雑音を入れすぎている。この時代にしては息を呑むほど巧い。1楽章、ファーストの装飾音符の異常に短い引っ掛け方とか、決して全体の均整を崩さず、技術のほつれなく基本的にインテンポで整えられた緊密なアンサンブルはこのぐずぐずの旋律音楽を一糸入る隙もない構築物に再構成している。直線的でまじめすぎるかもしれないが、ボウイングがニュアンスに富み、音色は楽天的でドイツふうの渋さは感じない。2楽章アンダンテ・カンタービレも音色の赤艶が暖かな暖炉のあかりを思わせる。4本の音色もよく調和しているが、やはりファーストの旋律表現、懐かしいポルタメントに尽きるだろう。古い録音を聴く醍醐味だし、SP音質向きの今の世にはなき情緒を醸す音楽だ。強奏部分が若干小さく痩せ気味だが録音のせいか。3楽章の勇ましさは民族性を失わず、とにかくファーストの表現力が群を抜いている。テンポは一直線だがフィンガリングやボウイングがハメを外し気味でかっこいい。バックにまわる三本もバランスよく音響にふくよかな深みを加えている。有名な4楽章はわりとテンポに変化をつけている。派手なアゴーギグを最初から付けていく様な野暮はしない。ただ、主題が派手にオクターブ上がって再現するところでも(チャイコらしいところだ)音符は短く切り詰め気味で音量が出ず旋律が痩せる感もある(音量変化が捉えづらいSPだと尚更フォルテが足りない感じもするし、そもそもファースト一本でつづっていくのでわりとやりづらい構造でもある)。そつなく展開部のフーガやらなんやらいつものチャイコ節をこなし再現部までくるとこの形式に拘りすぎて長ったらしくなってしまっている曲に飽きがくるのが、この演奏においてすら否めない。スピードと超絶アンサンブルで煽っていくしかないと思うのだが、そのあとごちゃごちゃ第二主題再現や変奏をへてコーダに至る部分では、やや力感不足もあって、均整感という意味では素晴らしいが、爆発的なチャイコの魅力が存分に出たとは言えないか。○。



(参考)ボロディン2番との黄金カップリングの古典的名盤。
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番
プラハ四重奏団
コロムビアミュージックエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る

マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

○バーンスタイン指揮NYP(WME,DA:CD-R)1986/3エイブリー・フィッシャー・ホールlive


DA未確認だが同一音源と推測される。WMEは不良品あり検品注意。録音は篭り、ステレオ状態はいいものの細部不明瞭で聴きにくい。演奏自体は基本的にリズミカル&スピーディでジャムセッションのようなアンサンブルの妙技を聴くたぐいの壮年期バンスタに近いもの。緩徐主題で異様にねっとりゆっくりうねるようにくねり踊るのが晩年バンスタらしい。わりとスケールの小さい演奏に聞こえるのは録音のせいかもしれないが、聴きやすさはあるもののそう取り立てて特徴的でもなく、好みもあろうが、この曲にお定まりのロマン性よりも前衛性だとか構築性だとか、マーラー中期純管弦楽作品の極致を期待する向きには陳腐で常套的に聞こえてしまうかもしれない。○。



(参考)
sony正規のSACD盤
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
バーンスタイン(レナード)
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

このアイテムの詳細を見る

マーラー:交響曲第9番

○ホーレンシュタイン指揮ウィーン交響楽団(DA/WME:CD-R)1960LIVE
四角四面で武骨で遅くつまらない解釈を施すイメージのある人ではあるが、縁深いウィーンのオケとやるとがぜん感情的でスピーディな表現を行う。だからホーレンシュタインは追う価値があるわけで、この演奏は「いい方」である。録音が時代からして極めて貧弱なので、絶対に薦められないが、ホーレンシュタインのガシンガシンと重い発音が、共感を音色に籠めて力強く歌うウィーン響と合致したとき、たとえばイギリスや北欧のオケとやったような無味乾燥さはいささかも感じられない。艶はないが感傷はある。4楽章の弦の迸る熱意、なめらかな表現、織り交ざるポルタメントの妙。厚い響きの歌が途切れることなく、ついえることもなく、足踏みしながら激しく、続く。ああ、ホーレンシュタインの音感覚というのはあくまで中欧のもともと色のついたオケでやることを前提にしており、それが差になってくるのか。アメリカ響のライヴやVOX録音に惹かれた向きにはお奨めする。男気溢れる熱情が構築性の中に活きている。1楽章も聞きものだが、個人的にリアルで生々しく、素晴らしく立体的な造形の施された4楽章が印象的だった。○。WMEはDA音源を利用した模様。

<ホーレンシュタインのマラ9 主要レコード>
Mahler: Symphony 9/Kindertotenlieder

Vox

このアイテムの詳細を見る

Mahler: Symphony No.9 & Kindertotenlieder

Music & Arts

このアイテムの詳細を見る

アイヴズ:ピアノ・ソナタ第1番

○ノエル・リー(P)(Nonesuch)LP

かつてはそれなりに有名な録音だったし、このピアニストの人気からすればもっと取り上げられてもいいものだが、なぜか古いマニア以外には注目されない。第二番「コンコード・ソナタ」のほうが有名だから、とかそちらのほうが有名ピアニストがやるから、という程度の問題だろう。しかし曲としてはこちらのほうが抽象的で、文学的な側面や手法的な個性を主張するよりも純粋な創作欲をピアノ一本に籠めた作品であり、入りやすいと思う。少々長めだが現代作品のように頭を凝らす必要もなく、スクリアビンのような程よい前衛性に身をひたすことができるのである。この人の演奏はアメリカの「土俗的演奏家」とはまったく違うし、中欧の前衛派のヘンクのような厳しさもない。フランス的というわけでもないのだがそのへんの柔らかい表現がアイヴズの「男らしさ」に絹をまとわせ、かといって包蔵する哲学的な闇の世界を本質としてしっかりとらえ、必要最小限のところでははっきりした打鍵で不協和な風を吹かせてもいる。わりとわかりやすいほうに解釈した演奏と思う。アイヴズを聴いている感じがしない。改変うんぬんはめんどくさいのでよくわからないが、この時期には多少いじっている可能性はあるだろう。フルートやヴィオラの入る邪道な標題ソナタばかりがアイヴズだと思ったら大間違い。まずこの作品から入るべき。○。

(参考)アイヴズの1番

ヘンクの真面目な古典的名盤
Ives;Sonata for Piano No.1
Henck
Wergo

このアイテムの詳細を見る

縁深いコープランドとの好カップリング
Ives: Piano Sonata No. 1

Mode

このアイテムの詳細を見る


(参考)ノエル・リー

ソロ現役盤は殆どない。伴奏・アンサンブルものやアメリカ現代音楽は何枚か現役である。

ミヨー集に参加(廉価なのでミヨー入門盤としてお勧め)
Milhaud: Scaramouche; Le Bal Martiniquais; Paris

EMI

このアイテムの詳細を見る

(参考)自作自演集
No醇Rl Lee: Caprices on the name Sch醇rnberg

CRI

このアイテムの詳細を見る

ラヴェル:1幕の歌劇「スペインの時」(1907-9)

○トリュック指揮管弦楽団、クリーゲル他(PEARL他)CD

最古の録音だが非常に歌唱に雰囲気があっていい。オケの表現も明瞭で、ラヴェル独特の冷え冷えとした南欧の空気感こそ伝わる録音状態ではないものの、古い演奏特有のぬるま湯のような音がロマンティックな側面を適度に引き出し、ドビュッシーを聴くように楽しめる。流して聴くぶんにはかなりいい演奏。雑音に弱い向きには無理。○。

Ravel En Espagne

Pearl

このアイテムの詳細を見る
プロフィール

岡林リョウ

Author:岡林リョウ
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
カテゴリ
TAG

ストコフスキ 四重奏団 フィテルベルク ミュンシュ トスカニーニ コンドラシン バルビローリ 作曲家 モントゥ アンセルメ 作曲家演奏 ブール エネスコ ガウク ミトロプーロス ロスバウト サージェント オイストラフ フランセ ワイエンベルク ORTF アンゲルブレシュト サモスード デゾルミエール イワーノフ ゴロワノフ ムラヴィンスキー ピエロ・コッポラ モイセイヴィチ ベーム セル クーベリック カルミレッリ シュヒター バーンスタイン ビーチャム パシャーエフ ツィピーヌ アルベール・ヴォルフ パレー ウォレンスタイン アラール オーマンディ サモンズ 山田一雄 ロストロポーヴィチ シェルヘン モートン・グールド ギレー モイーズ 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。