シマノフスキ:交響曲第4番「交響的協奏曲」

○クピエク(P)コルド指揮ポーランド国立放送交響楽団(POLSKIE RADIO)2007/3/12・CD

生硬な感は否めずわりと棒のような解釈になっている。演奏陣もぱっとしないが表現の硬さはこの曲の難度からいって仕方の無いことかもしれない。ピアノも余りニュアンスに長けている調子ではなくこなれていない印象を受ける。ただ、透明な硝子質の曲の一面を捉えたところはあり、ロマン性は終楽章終盤のみにとどめあとは即物的に処理するというやり方なのかもしれない。この曲はルビンシュタインの印象が余りに強いため厄介だ、あれ以上の弾き手が取り組むことは今後もあるまいから。悪くは無いので○。

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ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

○フルニエ(Vc)セル指揮ケルン放送交響楽団(medici,WDR)1962/11/16・CD

放送用録音か。演奏精度的にはライヴに聞こえるが客席反応は無い(拍手もなし)。フルニエ・セルのコンビはDGのものが有名だ。これはほとんど同時期のもので、モノラルだが綺麗にリマスタリングしてあるので細部が不明瞭なことを除けば一応楽しめる。フルニエはウンザリするほど盤があるということは既に何度も書いているが、演奏はいずれも精度と気力と録音に差がある程度で解釈にてらいもなく上品で押しが弱い。音の美麗さは2楽章あたりと3楽章の後半で非常に際立ってくる。この演奏では3楽章後半が起伏があって感動的な盛り上げがあっていい。細部にやや技術的問題が感じられるが録音上分離が明白にきこえないので本当のところはどの程度乱れたのかわからない。流れがいいので聞き流せる程度である。1楽章では重音が濁る箇所がありフルニエらしくないところもある。バックオケはセルらしく特にドイツオケだけあって縦が明確なのはいい。硬質で磨かれた音を出し音程感が厳しく非常に統制がなっている反面、ケルンはちょっと技術的に一流オケには劣るようにも感じる。弦が薄く声部間に音色的なバラケ感がある。フルニエの音量にあわせて編成を薄くしたのかもしれない。とくにこれといって押す要素はないが、フルニエファンかセルファンなら。セルが後半生もヨーロッパで活躍していたらロスバウトみたいな芸風で知られるようになっていたのかなあとふと思った。カラヤンからレガートを取ったような。○。
Fournier plays Elgar, Dvorak, Beethoven

Medici Masters

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(DGのスタジオ録音)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調
フルニエ(ピエール)
ユニバーサル ミュージック クラシック

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シマノフスキ:交響曲第4番(交響的協奏曲)~Ⅰ、Ⅱ

○作曲家(P)フィテルベルク指揮デンマーク国立放送交響楽団(POLSKIE RADIO)1933/1/19live・CD

ポーランドの国民的作曲家シマノフスキ晩年の平易でカッコイイ名作である。ルービンシュタインのレパートリーだったことで知られるが、作曲家自作自演によるこの盤は一部がLP(SP)化されてはいたものの楽章全体として復刻されたのは今回が初めてである(3楽章は残念ながら残っていない模様)。ポーランド放送のCDとして作成されたこの盤はコルドによる交響曲全集のおまけとして付けられた歴史的録音であるが、一緒に入っているマズルカ2曲とインタビュー2片はMUZAから出ていたLPボックスの付録EP収録のものと同じである。

やはり全体を聴かないとわからないところが多いのだなあと思わせた。作曲家の指の弱さ、衰えを感じさせた断片はしかし全体像を捉え切れておらず、何より録音状態が極度に悪いため音響バランスが崩れていたがゆえの印象にすぎなかったのだなあと。ここで通して聴く限り作曲家は非常にニュアンスに富んだ(作曲家にしかなしえないであろう)細かい表現を施しており、舞踏リズムを明確に打ち出してこの曲が抽象音楽ではなく民族音楽であることを強く意識させるところが後発の演奏にみられない大きな特徴である。といっても硬質な響きが目立つ楽曲でありその点を意識しコントラストを付けてもいて(だから録音の問題で不協和なハーモニーの繊細なバランスが崩れて聞こえ、衰えに思えたのだ)、テンポも意外と速いまま維持されていく。ロマンティックなぐずぐず感は皆無である。演奏は熱気はそれほどないし専門ピアニストほどの安定感は無いもののこなれていて非常に印象的である。もっとも1楽章のカデンツァは鬼気迫るものがある。1楽章の聴き所も多いのだが2楽章のソロ部分はマズルカで僅かに聞かれた作曲家の繊細なリリシズムが感じ取れる非常に美しいものである。惜しむらくはバックオケだ。フィテルベルクの粗野な棒に技術的に問題のあるオケ、それでライヴということでシマノフスキの色彩的なオーケストレーションを十分表現できているとは言えない出来である。木管もしょっちゅうとちるしこの程度のソリストの揺らしについていけない棒というのもどうかというところである。鈍重だ。全体として作曲家がやはり素晴らしい民族的作曲家であるという印象は感じられる特筆すべき演奏ではあるが、過度には期待しないほうが、といったふう。○。

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プーランク:ピアノ協奏曲

○作曲家(P)ミュンシュ指揮フランス国立放送管弦楽団(INA)1950/7/24エクス・アン・プロヴァンス音楽祭live・CD

録音が少し悪く私のCDは1楽章の末尾近くで明確な断裂があるが、媒体自体の品質の問題かもしれない。プーランクは調子がよく、さすがに専門ピアニストに比べると荒いが力強く引っ張っていく意気には欠けていない。何よりミュンシュの棒が作曲家が崩しがちなテンポをしっかり前進的に維持していて、弛緩しそうな旋律に貫かれた曲全体を引き締めている。2楽章のロマンティックな部分を重くならずに爽やかにすっと通すところなどいい。特有の世俗性をはなつ和声を伴うプーランク節を、古典からラヴェルやラフマニノフといった先行作曲家の手法を露骨に引用しながらアレンジしている作品で、けして名作ではないがプーランクの楽しい音楽が好きな向きは楽しめるだろう。終演後の拍手がかなり撚れているのだがブーイングが聞かれるのは何故なのか知らない。○。

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メモ;最近の特筆すべきCD復刻

とりあえず書きます。

・ファルナディ(p)シェルヒェンのwestminster録音「ピアノ協奏曲集」リスト;ラフマニノフ;バルトーク

:恐らくリスト以外は既に書いてますね。シェルヘン復刻といえばTAHRA。音質は私は余り期待しませんしそもそも買いなおしませんが、モノラル末期という不幸な時期に録音を行った女流ファルナディの凄まじいドライな芸風を楽しめます。

・エクス・アン・プロヴァンス音楽祭ボックス

50年代のロスバウト指揮・ピアノを中心としたライヴ集。INAなので高いけどすぐなくなるので買っといたほうがいいか。デゾルミエール指揮によるメシアン「トゥーランガリラ交響曲」とプーランク自作自演のピアノ協奏曲のいずれもヨーロッパ初演ライヴ録音が入っている。既出説もあるが私は初見。

・シマノフスキ交響曲全集・歴史的録音付き

全集はともかく付録のほう。これはすぐ記事を書き起こしますので。新発見?自作自演の協奏的交響曲(交響曲第4番)の1,2楽章の全曲が入っている。両方の断片はSP復刻として2種ほどLP化されていたが全曲はLP時代以来初の模様。他のシマノフスキ肉声等のトラックが既出かどうかは未確認。

ほか、クレンペラーの最後のライヴ(testament;ブラームス3番等)は既に書いた。元はステレオ収録らしいがモノラル復刻に変更したという経緯がHMVから説明されている。ワルターの新発見ブルックナー7番ライヴもtestamentから同時に出ている。廉価レーベルarchipelからバルビローリやクリュイタンスなどの注目すべきライヴ録音が初出、mediciのWDR正規復刻シリーズの中ではセル/フルニエのドヴォコンは見たことが無い(他は恐らく殆ど非正規含め既出だが音質を求めるなら手を出していい)。MEMORIESからストコフスキのプロコフィエフ6番ソヴィエトライヴや5番NYPライヴがまとめて板起こしされたが、これはいずれも既に書いているので、各記事にデータ反映しています。

以上、また思い出したら書きます。

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バルトーク:ピアノ協奏曲第3番

○アントルモン(P)バーンスタイン指揮NYP(DA:CD-R)1967/1/21

冒頭よりやたらと打鍵が柔らかく叙情的な流れを作り出そうとしているようだが曲がいくら平易とはいえ「バルトーク」なので鈍さのようなものを感じさせられざるを得ない。技術的にいささかの不安もないのに(この曲においてさえたいてい不安のある演奏が多い)物足りなさを感じる。バンスタは軽い旋律をメインに据えた薄い音楽を目しているという点でアントルモンと同じ傾向を示しており、個性は無い。旋律偏重・高音偏重という点ではいつものバンスタではあるのだが。綺麗なことは綺麗で、1,3楽章が2楽章と同じように美しく聴けるゆえ○にはしておくが、どうも腑に落ちなかった。篭った録音。

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ルーセル:セレナード

○エンドレス四重奏団のメンバー、ストルク(hrp)シュウェルガー(fl)(VOX)CD

篭ったステレオ録音。ニセ客観評価指標に分解するとして(昔流行ったねえ印象批評の数値化w)、音楽の三要素にあてはめると、これは「リズム系」の演奏(ラテンやバレエ伴の「リズム強調」ではない、縦を揃えそれにリズミカルな調子を上手く載せている)。

だからスピードもありドライヴ感はあるが3楽章までいくと単調さに気づいて飽きが来る。終わり近くのヴァイオリンのフラジオのグリッサンドがぜんぜん引き立ってこないなど、オリエンタリスティックで冒険的な部分が眠ったままである。単純なリズムのみがただふた昔前のテクノのごとく続くように感じるのだ。

ルーセルも中期以降なら書法的にリズムが重要になってくる。単純さが強みでもあった。だけれど印象派的なこの曲だとたんにミニマルな印象をあたえてしまう(退屈だということである)。VOX廉価復刻音源なら50年代から60年代くらいの流行演奏様式がまだ続いているくらいだろうので、それも納得ではあるが。エンドレエス四重奏団の演奏様式はそれに沿ったものと言えるだろう。

音楽の三要素でいけば旋律とハーモニーはわりと普通にうまくいっている。旋律重視=アゴーギグ付けすぎ超ロマン主義、ハーモニー重視=超客観的演奏精度主義、みたいな別け方からするとまったく違う。わりと直線的だが旋律は歌謡的に流れているしハーモニーはルーセルの編成的にごつごつした音響をそのままに、しかし不自然感はなく素直にこうじられている。2楽章もわりといいのだが3楽章がどうも飽きるのだよな・・・1楽章だけなら◎なのだが。○。オリエンタリズムは希薄だなあ、普通に美しく聴ける。
Music for Harp

Vox

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何も書いてませんが品薄で入荷遅れる。注意。

ルーセル(セレナード)にかんしてはうちの本サイト>こちら

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デジタルミュージックプレイヤーあれこれ!

つなぎの更新とかゆうな(泣

サイト・ブログの音盤まとめリストを制作していたのです。追加してしまうと混乱するので敢えて音盤記事は止めていました。リンクは左欄にもありますがこちら>
最新版全掲載音盤リスト(2008/8/18まで)

1年半も追加していなかったので古くなったリストは左欄一番下にあります。作曲家でファイル分割してしまうと指揮者で見たいとき使いにくい、かといって一枚の上に全部表化すると数が多いだけに極度に重くなるか表示できなくなるので、単純に改行区切りで全データを1ファイルにまとめ表示させています(本サイトの右欄下のリスト(2000年段階の未完成リストで盤評化してない音盤も含まれているので厄介なんですが(;^^))と同じ「頭の悪い方法」です)。ブラウザの検索機能を使えばいいでしょ。というか、この表、まったく個人的なチェック用に使っているので、あると無いとでは自分として大違い。

自動編集している部分もあるので原文起因の表記上の乱れからおかしな部分や変な部分、ソートしきれてない部分があるのは仕方ない。マーラーだけは綺麗にした。





さて、これだけでは何ですので、ちょっと表記の話を。

私、携帯ミュージックプレイヤーは初期型ウォークマン(カセットだよ)から筋金入りのユーザなんですが、そんなわけで今も手元にはたくさん試しては使わなくなったHDプレイヤーやSD、メモリプレイヤーがあります。

使ってみて・・・もちろん機種によって発売順によって付属ソフトによって圧縮形式によって性能が変わってくる部分も大きいのですが・・・こう思った、ということを列挙してみます。機種は参考程度に挙げておきます、厳密にその機種を使ったわけではないこともあります。あくまで音楽を聴くという観点で書きます。シチュエーションやヘッドセットによってもまったく印象が変わってくることもありますが、そこまで言うとわけわからなくなるので・・・ヘッドフォンは付属のものは使用せず、インナーイヤーの5000~2万円台のものを使用しています。

スピーカー利用も最近は多いようで、そちらで音質補正など加えることもできるようですが、昔はスピーカー付き機種もあったんだよなあ。サイテックのやつとか。もっと大きいものならほぼ独占市場のトークマスター(MP3形式でラジオやマイク留守録・録音再生可能)があるけどこれはどちらかといえば録音機。ちなみに量販店扱いしてません、本屋などで売ってます。ラジオ英会話の勉強用が建前なので。割高だしバグることも多いけど、MP3系ってそんなの多いし、持ち歩かなければ非常に重宝します。ただ、入力によってモノラルになってしまうのはどうなんだろう。最新機種は知らないけど、マイクだとモノラル録音になってしまいました。それはもうポータブルデジタル録音機というジャンルが出来上がってるからそっち使えばいいんだけど、どっちも高いっす(どっちも持ってますが)。ちなみにポータブルデジタル録音機も聴くために使う機種はあんまりない。録音は小さいマイクだと低音域が確実に割れる。音楽ならやや高いPCM録音機種か、いっそマイクの集音設定を大幅に絞る方向で。

・iPOD
iTUNESの音質込みなんですが、ソリッドで耳が痛くなる金属質の音ではあります。しゃかしゃかするというか、ある種のロック系・テクノポップ系の音楽には向くと思う。運動向きでもあると思います(実際使っている人は多いんですが、個人的には耳が痛くて・・・)。長時間聴くのには向かない気もする。小さなメモリプレイヤーより大きなHDDプレイヤーのほうが音も聴き心地も安定するという説が以前はあったのですが、Apple製品にかんしてはよくわかりません、正直。

画面が無いのは音楽プレイヤーには致命的だけど、アクセサリー感覚で常時持ち歩くことができる点で価値は高いshuffle。第二世代でも安い。。画面が無いので容量は小さいほう(1GB)でも十分だと思いました。壊れやすいし初期不良であってもメーカー対応しかしないので(事実私のこの機種も初期不良でえらくもめた)更に2000円出して容量の大きいほう買うよりセカンドユースとして気軽に持っておく程度で・・・という。shuffle機能は好き好きですね。レーティングや再生回数から云々と凝ってるわりに他社機種(ソフト)のランダム再生と大差ないなあと思った。

iTUNESは今やデファクトスタンダードなのでいいけど、原則iPOD専用の圧縮形式なので(圧縮率をいじって音質向上する策はあるらしいけど初期のままではかなり乱暴に圧縮されるみたい)注意。他メーカー機種でもDRM対応のため独自仕様のものが多いゆえ、最初にどれを選ぶかはけっこう重要。もちろん作成した圧縮データは他メーカー機種では使えない。MP3など汎用形式対応とあっても、たいていの機種は付属ソフトで変換して落とさないと聴けません。汎用形式でそのまま使えるものであっても、最近は付属ソフトがなく、WMPで変換してくれ、という機種があります。これがけっこう厄介で、ウィンドウズメディアプレイヤーのバージョン制約とかマイクロソフト側が仕様変更したりとか、これはWMPだけではないけれど、変換ソフトがiTUNESならiTUNESと同時に自動起動してしまって共に同じ音源を取りに行ってPCがハングしたりとか昔はよくあったので、意識しておく必要はあります、複数メーカー使い分けてる場合。

・CREATIVE MUVOなど

これ、権利関係がうるさくなかった頃MP3再生機種として非常に売れたもので、デジタルミュージック関係に強かったCREATIVEの強みが非常に出ていた。ソフトがしっかりしてなくてバージョンがしょっちゅう上がるのが気になったが今はWMPで作れって感じなのだろうか。ビックさんだと投売りで旧機種が出てますが、しょうじき、買いだと思います。デザインにiPODを意識しだしたころからちょっとおかしくなってったんだよなあ。mpegプレイヤーは何せ専用ソフトもいらなければ自由に流通させられますからね。左欄にMUSICOの広告のっけてますが、MP3形式の配信は縛られないぶん私は非常に好き。MP3の音は好き好きですね。私ははっきり言ってAPPLEのよりはいいけどデジタル圧縮音源、ってかんじの音でしかないといった印象。古い機種をもう3年以上使ってますが大きさも使い勝手も強度も非常に納得してます。ラジオもマイクもついてたし、何せ単四電池で動く。充電がいらないのはしょっちゅういろいろ動いてる人間にとって大きい。今ビックさんの通販見るとこれしかないなあ・・・

画面が無いとねえ。ZENのシリーズの一番小さいやつがおすすめ。

・D-snap

SDカードでカセット感覚で聴ける・・・ただ、先細りなのが気になる。デザインがここんとこ変わらなくなった。昔の機種はスクエアタイプでコンパクトだった(今でも人気があります)が、今の機種は大きすぎて胸ポケに微妙におさまりにくい。画面が大きいわけでもなく、カード抜き差しのために厚みが出て、しかも要らない「騒音カット機能」・・・付属の専用ヘッドフォンじゃないと使えない機能・・・がついてる。

でもね。クラシック聴くならこれです。

音質がぜんぜん違う。しかも機種が新しくなるほど音がいい。どっちかというとハードというよりファームとかソフト側の違いなのかなあ。自然でまろやかな音。もっと圧縮率を下げたいところだけど、CDに迫る音というなら、プロやマニア仕様のものは別として、これ。低音も強いので安定感があり、HDタイプのものより聞きやすいくらいです。何しろSDカードだから、旅先でデジカメと併用できたりすることもw

SDくらいの大きさ厚さならめったに壊れないしね。

ただ、圧縮用ソフトがしょっちゅう落ちたり、曲やプレイリストの数の制約が厳しかったりする。クラシックは曲が長いからその点向いてると言えるか。エラーも多い。独自形式なんだけど、音質だけのためならいいのですが、DRMとか物凄く気を使ったみたいで、そのへんでいきなり落ちたりとか勘弁してほしい。SDカード自体の品質にもセンシティブで、廉価のカードだといきなりプレイリストが壊れたりするから注意。ま、全部読み書きできなくなる、なんてのはメディア側の問題だとは思う。これ用にはせめて名の知れたところのカードを使いましょう。

とにかく小型機種を出してほしいけど、もうこれで打ち止めなんかなあ。



HDDタイプのプレイヤーについて書く時間がなくなったので、そこはまたこんど。失敗した機種についてもね。SDカードをメモリーに使うMP3プレイヤー(リジューム機能付)とかね。

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トンデモ音楽の世界???

なんだこりゃ。

「と」本体が音楽本に手を出していた。クラシックコーナーに置いてあったので気が付いた。ムック本クラ系ライターがさんざん「無断使用」していた「と」ブランドを学会の重鎮?が自ら取り戻すかっこうをとっているようなのだが・・・

フランケンシュタインだった。クラシックだけではない、脈絡の無いネタのつぎはぎ本である。キメラとしては「トンデモ」という実に定義の曖昧な言葉でしかつながっていない。やはり得意分野は「特撮」であるようだ。やっぱりか、というか、そんなマニアしかいないのか音楽をヒョーロンする連中には。

彼らにとってはサブカル市場を相手に量産している本のひとつにすぎないです。啓蒙本としての役割は果たしませんしそれが趣意とも言える。でも啓蒙本として読んでしまう人もいるかもしれないなあこの書き方では。既視感もしきりである。近々では序のネタが全部某ラジオの「オバ歌謡」のネタだったりもするがこれは別に70年代のラジオとか昔からサブカル界で常識ネタだったのだろうということで置いておいて、クラシックの章にかんしていうと、

10年以上前ムック本系ライターがさんざ書いたネタを薄くすくっただけみたいだ。

クラシック記事なんて入れなきゃよかったのに。イフクベマニアの章とか痛すぎる。現象は単発のものとして捉えるべきものではない。連語として作られたものを単語として捉える行為は間違っている。ベートーヴェンの作品名ネタとかトリビアの使いまわしを自らやっているようだが、時代背景、其の時代の前衛作曲家の位置づけ、社会生活、もろもろ考え合わせればけして特異な名付けでもないように思う。現代の前衛作家の作る珍妙な作品や作品名を思えば、芸術家が何を題名にしてもいいのだ。思うのだが題名がエキセントリックだ、ということに音楽の本質と深い関係は感じない。文藝評論感覚で音楽をやっつけようとしてないか?プロフェッショナルな技術の世界である。文字だけ拾うのなら素人でもできる。

とくに音楽は抽象のものである。作曲家がそれを喚起するために何が使われようが、そして即物的にそれをそのまま題名にしようが、作品とは関係が無い。無論そのようなことにも触れているが、それでもこんな本にして笑っているところに「と」の所詮サブカルな位置づけを考えさせられざるを得ないのである。文章が巧みなことにだまされてはいけない、これはコンビニ文庫本の「豆知識本」同様恐らく二次資料にしかあたっていない、下手すると辞書から拾ってきたネタを並べているだけの可能性がある。書籍であれば原書にまであたる人たちが音楽についてはどうも馬鹿にしたものである。楽曲分析まで踏み込めば「と」として面白いものが書けたと思うが、しょせんネタのひとつにすぎないのか。

この不恰好な寄せ集めコラム本、クラシック記事だけなら立ち読みで十分。CDをつけているところが狡猾だ。ところでラヴェルの「おーい」という題名の曲、私も知らないのだが、作曲背景を含めて教えていただきたい。

よもや抜粋で演奏されることすらない或る曲のただひとつの楽章の題名とか言うまいな。ラヴェルはそのようなことを想定して書くことはない。トンデモ作曲家だ、などというミスリードを狙っているとしたら、この本自体をトンデモ認定せざるを得ない。

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トンデモ音楽〈ミュージック〉の世界
と学会 α
小学館クリエイティブ

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<レビューを参考に。買わなくてもいいと思いますよ。やっぱり「と」系の本でもワーストの呼び声があるみたいですね。そりゃそうだ、まとまりのなさはダントツだし何より、卓見の章や興味深い文章が含まれている、更にオリジナルCDもついてるとはいえ、これは「と」の名を冠した本なのである。啓蒙本でも教養本でもない。知られざる音楽の見方を提示するといっくら中に書いていても、「トンデモ」を嗤ういつものやり方で音楽を「裁いた」本だと誤解させるに十分ではないか。題名にこだわるならば、これはミスリード狙いの売り上げ目当てもいいところである。

書けないものは書くなよ。文章量が確保できないならブログにでも書け。どうせ覆面ライターにやらせてるんだろうけどさ。学会員でもない人間の名前と記事で水増ししているさまは「内容に偽りあり」だ。しかもそっちのほうが読み応えがあるというのは。

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プロコフィエフ:交響曲第6番

オーマンディ指揮ボストン交響楽団(DonIndustriale:CD-R)1962/8/18live

オーマンディは手兵フィラ管の演奏がベストなのはもちろんだが西欧オケでも職人的で独特でもある腕を発揮できた人である。だがこのアメリカでも西欧的なボストン交響楽団を相手に発生している演奏上の軋みはどう考えても不協和音が発生していたのか、時代背景か。多分練習が余り徹底していないような、ボストン響が時々やった「冷静なくせにアンサンブルも噛み合わない駄目演奏」のうちのこれも一つであろう。とにかく精彩に欠く。解釈表現以前に曲を演奏する意識が余り無いように思う。解釈があったかすらわからない。終演後のブーイングの連発も異様である。無印。

キューバ危機の真っ最中の演奏会である。

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プロコフィエフ:古典交響曲(交響曲第1番)

◎オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(Don Industriale:CD-R)1979/4/22live

この浅い曲のライヴ記録としてはこれがベストだ。とにかくオケに技術がないと話にならない曲、しかもプロオケでもトップクラスでなければちゃんと揃ってアンサンブルして更に解釈を載せて、なんて芸当は出来ない。オーマンディは分厚い音響によって細かい精度のブレを補ういつものやり方をしているが(通常この曲に弦の大編成は用いないものだ)それがなくても黄金期のフィラ管である、技術的に余裕綽々なのが透けて見える。しかしとくにヴァイオリン、その技術に安住することなくメンバー一人ひとりが積極的に演奏を仕掛けてくる。ロシアオケのような音のバラケ味が却って迫真性を生んでいるのだ。余りの古典的な浅さにアペタイズ的扱いをされ、あるいは啓蒙曲のように使われる曲だが、この演奏では完全に大交響曲である。聴き応えがある。オケの気合の入った演奏振りを背景とした表現には深みが自然と醸され、この曲で飽きなかった唯一の演奏。◎。

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ブラームス:交響曲第3番

○クレンペラー指揮ニュー・フィル(TESTAMENT)1971/9/26ロイヤル・フェスティバルホール クレンペラー引退公演live

あの有名なクレンペラー最晩年様式が、でも間延び感は皆無で、構成感を最小限に留めながら、明るく極めて幸福な音楽に昇華した独特の境地を示す名演。これはクレンペラー自身の壮年期の即物的なライヴ記録とも一線を画する、「違う」音楽である。録音が残響付加モノラルのうえ遠くて分離が悪いゆえ、最高評価にはできないが、ここまで来るとクレンペラーという一個人の狭い解釈の音楽ではなく、クレンペラーという芸術世界の最後を飾るために、演者全員がそのフォーマットをもとにこの上なく美しいフィナーレを作り上げようとし、それが成功したのだ。よくぞ残っていたというドキュメントである。とくに1,2楽章のクレンペラーとフィルハーモニア管の作り上げたハーモニーは「けしてイギリス様式の薄い気分の演奏ではない」しっかりした・・・でも暖かな光の中にもう今にも消えてしまいそうな、悠久の音楽。ワルツの旨くない、でもウィーンが大好きだったクレンペラーに対して、ここではニュー・フィルハーモニア管サイドから贈り物のように「これがやりたかったんでしょう」と言わんばかりの表現。クレンペラーではついぞ聴かれなかった滑らかなアンサンブル。3楽章はまるで壮年期のように速いテンポでボリュームをみせるが、終楽章コーダではまるでマーラーの「告別」の末尾のような、非常な感傷をおぼえる。偉大な芸術人生の正式に最後を飾る音楽会はこの曲で幕を閉じ、聴衆はいつまでも拍手を終えない。ブラームスのシンフォニー録音のたいていは凡演である。私のプレイヤーにはえんえんと聴かないまま溜まっていくナンバーワンの交響曲がブラームスのそれである。大雑把には解釈のパターンが限られ、それを網羅してしまうとあとはどの典型におさめるかしかない。もちろんどれかのパターンを聴きたいというときに、その様式の演奏を聴く楽しみはある。だが、ニュートラルな状態で聴いた場合は、どんな演奏でも、「ああまたこんな感じね」という場合が殆どだ。だが、この演奏は違った。全く違った。だから最後まで没入できた。それだけ付け加えておく。

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Otto Klemperer: The Last Concert - Beethoven, Brahms

Testament

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骨伝導ヘッドフォン「AQUA」をためしてみる

キワモノ系ヘッドフォンには昔から目が無い私。しかしどうにも袖が容易に振れなくなってしまっていたところにこんなものが。

耳にやさしい骨伝導ヘッドフォン「AQUA」


耳が悪い(鼓膜が悪い)私にはうってつけ、かつ完全防水で1万円を切るところがいい。しっかり皮膚に密着させれば(位置にもよるけど)音漏れも耳栓式並みに無く、ちゃんと聞こえる。アンプが無いので音量には問題があるし、基本構造は大したもんじゃないんだけど(皮膚に触れる部分が振動するというだけなので外すと思いっきり音漏れするし付け方によっても音漏れする)、聴くものを選べばいい。クラシックはとうてい向かないけど、運動に使うようなアップテンポの曲にはいいですよ。あと、音漏れにうるさくなかったころは使いよかったオープンエア型のヘッドフォン、イヤホン型など密閉式が主流になると外の音が聞こえず思わぬ事故や「見た目変な行動」の引き金になっているけど、これなら外耳は開放されているので、音量の問題含め雑音に塗れて聞きづらい面もあるけれど、いいんじゃないでしょうか。

個人的には・・・耳の周囲の骨や皮膚が痛い。バンドのゴムがきついこともあるけど、振動するので引き吊れていくんだろう。

これだけいろいろ色があるのに結局黒が一番売れるそう。品切れもけっこうあるみたい。

じきに水中MP3プレイヤーも届くので、それに付属のヘッドフォンとも比較してみる。ただ、水中だとこの音量では聞こえないだろうなあ。耳栓のかわりにもならないし。speed社とiriverのコラボのやつは高くてスペックが今一なので手を出しません。あそこまでいくと単なるファッション。ただ、ヘッドフォンはいいかんじだ。。

>水中プレイヤについてはこっちに書いてます:別ブログ

<追伸>一日使ってみたら装着感はそんなに気にならなくなった。皮膚も吊らないし。ただ、違和感はあるかなあ。これはネックストラップのせいかもしれない。音量もね・・・

ちなみに骨伝導ヘッドホンを調べてみたらけっこうあるんですね。

こちらはビックカメラで1万円切る。マイク付き。

こちらは店頭で見たら小さいけど、機能的にどうなんだろう、そんなに差が出るのだろうかといったかんじがした。値段はそれなり。このへんは携帯電話用だね。

これはAQUAとほぼ同程度のもの。但し防水ではなさそう。メーカー的には安心できるかな。値段は1万円から足が出る程度。個人的には使ってみたい・・・けど買っちゃったんだよな・・・

これはメーカーが同じだからAQUAの類機種になるのかな?防滴で1万5千円程度。

ティアックの高級機種。ここまでくるともう・・・ただ、大きかったり重そうだったりしても、ようはデザインと使用感なので、ごついわりに装着感は軽い。

あれ?

なんじゃこりゃ。・・・昔の睡眠学習枕を思い出した。これいいかも・・・

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マーラー:交響曲第1番「巨人」

○ラインスドルフ指揮クリーヴランド管弦楽団(LuckyBall:CD-R)1983/11/19live

録音は最高レベルのステレオ。演奏は分厚い響きでヨーロッパの楽団のように重みある表現をなしており、異様な精度の高さとあわせてこのオケの懐深さを感じさせる。厳しい統制や組み立ての明確さはセルを思わせるところもある(しかしセルとは違い音楽的だ)。若々しい曲なのに何か老人の回顧する若き日の幻想のような、滋味が染み出してくるところがいい。冷静に言えば情緒的な場面が少ないラインスドルフの無難な解釈によるものであるが、3楽章、4楽章の緩徐部のしっとりした、それでいて緊張感を失わないカンタービレはとりわけ深い情趣をかもし、晩年の9番あたりの雰囲気を漂わせている。そこだけが聴き所と言ってもいい・・・すれっからしには。たとえば最後などあっさりしすぎており、即物的な軽さがあり、まとめて全般普通と聴こえるのだが、普通の人には、とりわけ初心者には過度なデフォルメがないゆえ、向いているのかもしれない。ライヴでこの精度であればブラヴォが出るのは当然か。○。

(参考)1,3番のボストン・RCA録音廉価盤。あるていどマーラーを知っている人なら6番のほうが入りやすいかな。
Mahler: Symphony 3 & 1

RCA

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ドヴォルザーク:交響曲第8番

○クーベリック指揮チェコ・フィル(ANDROMEDIA)1946/5/19プラハlive・CD

力強くスピードのある演奏だが同時期流行ったトスカニーニ様式のドライなものではなく、適度にロマンティックな音表現を兼ね備えているところにクーベリックの魅力がある。マーラーが得意だったのがわかる雰囲気だ。若々しさと壮年特有の独尊性のはざまでそれほど強烈なアピールをするまでもないところがあるが、チェコ・フィルがそれほど独特の表現をひらめかせることなく非常に聞きやすい音楽をかなでるようまとめられているのがいい。あっさり聞きとおせてしまう引っかかりのない演奏でもあり、録音も悪いが、心地いい。廉価盤に収録。○。

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ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

○ロスバウト指揮南西ドイツ放送交響楽団(classical radio vault:CD-R)1961/5/20

これは正規盤と一緒ではないか?演奏は冷徹無味乾燥な1楽章で既に聴く気を失うものの後半楽章オケの音がこなれ磨かれてきてとても美しくウィーンふうの風情を醸してよい。ヴァイオリンの音色に聞惚れる。厳しい統制が前半のように露骨に聞こえてくるのではなく自然に太筆描きのロスバウトの強靭な音楽を楽しめるようになっていく。4楽章はなかなかよい。目だったところはないが、地味にいい演奏。○。

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ヴォーン・ウィリアムズ:あげひばり

ガルシア(Vn)メニューイン指揮イギリス室内管弦楽団(ARABESQUE)CD

なだらかな、ほとんどが全音符ではないかという心象風景をうつした弦楽アンサンブルの上、トリルを駆使して上がり下がりを繰り返す雲雀のさまをヴァイオリン小協奏曲の形式にうつした音画である。元になっている詩があることだし内容的に音詩と言ったほうがしっくりくるか。私はRVWにこの曲から入った。ラジオで聴いて何て曲だ、とすぐに譜面を取り寄せ弾いてみた。この譜面がまた小節線が省かれたカデンツァが有機的に織り交ざりリズムもラヴェルのように自由で、しかしそこから浮かび上がってくる世界は紛れも無い素朴な民謡音楽の世界。リズムの切れが感じられない、全曲がスラーで繋がったような何とも不思議な譜面である。聴いた演奏のせいか五音音階が際立ちひときわ日本民謡に近いものを感じさせ、清澄で単純な宗教性すら醸す響きにかかわらず、卑近で世俗的な面も持ち合わせた不可思議さが何とも言えない魅力をはなっていた。なんとなく坂本龍一の音楽を彷彿とさせた。それほど難しい技術を要するものでもなく(バックオケは尚更単純ではあるのだが)、だからこそ解釈しがいがあり、学生時分はずいぶんと弾いたものである。発表の機会はついぞなかったが、ここまで内面的な曲に発表の機会なぞ不要とも感じた。

あくまで意図は雲雀の飛ぶさまを描写する点にあり、極力抑制されるバックオケはいわば緩やかな起伏に彩られたどこまでも続く農地や草原をあらわせればそれでよい(だからコンサートの演目にしにくいのかもしれない)。雲雀は重要である。最初に聴いて以降この曲に対して私はまったく譜面しか相手にしていなかったので、自分の中で消化したうえのテンポとアゴーギグを、雲雀のさまとして投影しようとした。

・・・楽器はもうずいぶん弾いていない。この曲となれば、若さの表徴のようなこの曲となれば尚更、弾けない。しかし頭の中ではずっと鳴り響いていたものがあり、それは私自身の解釈によるものであった。

最近聴いた演奏で私は少し驚いた。

物凄く遅いのである。

雲雀は優雅に滑空してまわる大鳥ではない。鳶とは違う。不意にぴいっと鳴いてひらりと舞い降り、またのぼっていく、見えない羽虫を巧みに捕らえながら、碧空に軌跡をひくのである。

何もなく平和に飛んでいる、しかし急にせわしなく、その瞬発力をどう表現するか。

ある程度のスピードが必要であり、その変化はテンポだけに留まらず音にもあらわれなければならない。牧歌的というRVWのイメージに統一してはいけないのだ。ソリストは俊敏でなければならない。

だが・・・この演奏もそうなのだが、ソリストも含め、遅すぎる。トリルがのんべんだらりと歌われすぎていて、雲雀は落下しそうだ。テンポも表現も生硬で一定にすぎる。純音楽的にやろうとした、と好意的に言うこともできるが、それでは曲が死んでしまう。描写対象のない描写音楽は空疎にしかなりえない。こういうやり方では空疎で印象に残らない音楽にしかならない。これがこの曲が余り演奏されない真の理由にも思えた。

音色にも何もあらわれない。いや音色は金属質でいいのだ、しかしそのぎらっと輝く瞬間を、アクセントのきいた下降音形に投影しないと、それが雲雀が羽を翻して下降するように聞えないのである。

この盤は全般にまずい。生硬でアンサンブルもぎくしゃくしておりスムーズさがない。解釈はまったく一直線で素人臭い。せっかくのいい曲も、凡庸に聞える。メニューヒンたるもの・・・と思ってしまう。この協奏曲はソリストはメニューヒンではないが、技術的に安定しないのは晩年のメニューヒンに似ている。この簡便な曲でそれでいいのか、という怪しい箇所すら見える。うーん。。

無印。

(参考)マリナーは絶対に外せないRVW演奏における現代の名手です。アイオナ・ブラウンとのこの録音は古典といっていい。カップリングも素晴らしい。RVWを堪能することができます。
Vaughan Williams: Fantasies; The Lark Ascending; Five Variants

Argo

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English Folk Song Suite / Lark Ascending
Academy of St Martin in the Fields
Asv Living Era

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ヒラリー・ハーンのこのSACDが目下有名なようですね。エルガーとのカップリングです。
Elgar: Violin Concerto; Vaughan Williams: The Lark Ascending [Hybrid SACD]

Deutsche Grammophon

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ナイジェル・ケネディもすっかり普通のソリストですね。
Elgar: Violin Concerto/Williams: The Lark Ascending

EMI

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ムソルグスキー:はげ山の一夜(リムスキー・コルサコフ編)

○クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団(GUILD他)1943-48live・CD

既出盤と同じだろう。音源自体が一つしかないのかもしれない。重量感のあるガツンガツンという音、力強い推進力に魅力がある。レアリスティックで夜明け後のフルートなど非常に明瞭に美しく歌い上げている。歌謡的でもありリズミックでもあり、血がそうさせるのだろうな、と思わせる説得力のある熱演。録音が悪いので○にとどめておくが。こんな「はげ山」をびしっと決められる指揮者はそうそういない。

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戦争と平和

フィルハーモニア管による公式アップロード。

Vaughan Williams - At War



使用曲;田園交響曲、あげひばり

われわれは彼の中期を聴いて、平和への切なる願いを読み取ることができているだろうか。この時期の曲がなぜシンプルでオリジナリティに欠けるにもかかわらず、全作品中もっとも印象的なものたりえているのか。



タリスの主題による幻想曲 より




「野の花」ライヴ映像断片



「あげひばり」断片



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