マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

○ケーゲル指揮東京都交響楽団(TOBU)1985/6/25東京文化会館ライヴ(第218回定期演奏会)・CD

いささか乱暴なスタートからつねに速めのスピードでえぐるようなハッキリした音楽を提示している。オケがまるでドイツオケのように上手い。とくに青白い音が武骨な表現とマッチしてなかなか冷えた、しかし激しい夜の情景を面白く見せてくれている。ケーゲルはよく訪日し日本人受けのよかった指揮者のように思うが、ローカルな人気に留まらない実力派であることの証明のひとつだとおもう。むろん本来のウィーンの夜とはまったく違うものだが、これが国内オケの演奏だという点をまったく意識させない説得力は凄い。○。
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ウォルトン:管弦楽のためのパルティータ

○セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R)1967/9/28live

ウォルトンの人気作にしてセルのレパートリーでもある。これは録音に難あり。ノイジーなエアチェックものでステレオではあるものの昔よくあった左右の分離の激しいアレに近い。オケの響きも浅く薄く聴こえ、それでもやはり底力のあるオケだから瑕疵はそれほど目立たないのだが(セルにしては普通の出来か)、軽快な曲であるからこそ重みある響きを求めたい部分もある。セルはとにかくウォルトンの込み入った書法をさばくのが無茶苦茶上手い。客席反応もいい。○。

アンダーソン:そりすべり

○フィードラー指揮ボストン・ポップス(SINETONE AMR他)CD

本盤はこの古典的録音の最新復刻になるだろうか。廉価EPの扱いになっているが、正直、廉価なりの品質。外縁のノイズだけ増幅されてしまい肝心の音場のスケールは変わらず、といった雑な擬似ステ処理が演奏自体の価値を低めている。ボストン・ポップスは機能性は高いが冷たい響きはBSOと同様、フィードラーのドライブも意外とあっさりしていて、原曲に篭められた仕掛けはちゃんと描き出して機知溢れる音楽を作り上げてはいるのだが、プラスしているものは余り無い。○にはしておく。同盤、余りいい演奏が無い。

ミヨー:ヴァイオリンとクラヴサンのためのソナタ

○キャッスルマン(Vn)ハーバッハ(HRPS)(ALBANY)CD

とりとめのない一楽章、印象的な旋律をもつ二楽章、ミヨーらしい機知が感じられる三楽章と性格分けのはっきりした新古典的な作品で、よく聞けば牧歌的なミヨー節を楽しめるが、ハープシコードの音の奇異さに前衛性が先に立つ節もあり、好き嫌いはあるかもしれない。演奏は荒いが、まずまず曲の雰囲気は出ている。

プロコフィエフ:弦楽四重奏曲第2番

○コペルマン四重奏団(nimbus)CD

ボロディン四重奏団を飛び出したコペルマンの団体で、より民族的で荒い演奏を志向しているのがここでもわかるが、一部とんでもなく音程が狂っている箇所があり気になった。終楽章冒頭のひとしきりなど大事故と言っていいだろう。そこに限らず技術的な難点の存在は否めない。現代の演奏レベルに比してはいささか厳しい。ただ、線の細く艶のあるコペルマンの音はカルミレッリを思い起こさせる美観がある。1stが突出しがちなプロコフィエフのカルテットではあるが、コペルマンは主張し過ぎないよう配慮の上で個性を出してきている。○にはできるだろう。

あけましておめでとうございます(予約)


今年こそ年賀状を出さないので、すいません。
なおかつweb年賀状もやる気が無いので、、、すいません。

あけましておめでとうございます。(予定)

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Disco Archiviaその後(2)

結論からいうと、注文しないほうがいいです。

前記のとおり品物を送ってくることは送ってきたのですが、いつもどおり不良品が含まれており(録音すらされてないCD-Rもあった)、そのことを指摘したところ、まったく返信がありません。抜けがあるかも知れ無いのでチェックしてくれ、というメールに返信したものを含め、今のところ3通のメールが無視されたまま二週間がたっています。

ここはもともと一ヶ月以上返信に時間がかかるとか謳っていたのですが、そもそも待たせると言っていた当人が亡くなられているはずなので、「抜けがあったらすぐ送る」という言葉も添えられていましたし、返信がないのはおかしいです。「抜け」は無かったので、それでオワリ、と無視して看過しようという意図をそこはかとなく感じます。

メールは期待できる手段にならないようです。

手紙なら届きます。classicalconductingのサイトに記載されている私書箱宛てにリストと国際郵便為替を送れば、CDを送ってくる可能性はあります。が、不良品があっても私のように放置される可能性があることを警告しておきます。何があっても当方一切関知しません。自己責任でお願いします。

(追記)
確認したらclassicalconductingのサイトが全面的に削除されていました。いずれ再開するとの意思は聞いているのですが、今のところは注文は受け付ていないとみなしていいと思います。

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ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲

○ストコフスキ指揮NYP(SCC:CD-R)1962/3/2live

ねっとりロマンティックで感情的に揺れ動く演奏。オケの響きの問題もあるのかもしれないが、いささか重く感じられる。録音もよくない。○にはしておく。

ウォルトン:ヒンデミットの主題による変奏曲

○セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R)1970/1/15live

クリーヴランド定期最後のシーズンとなったライヴの記録の一つ。曲はウィーン・フィルとの映像も正規化されているセルのレパートリーで、他愛のない、ウォルトン節陳列棚のような曲だがオケの威力を見せ付けるには適した苛酷な書き口、ここでも冷たく熱したオーケストラのハタラキを聞き取ることができる。円熟も未熟もなく、しかしこの曲はこれでいいのだろう。○。

グラズノフ:弦楽四重奏曲第5番

○シシュロフ四重奏団(melodiya)LP

レニフィル四重奏団(タネーエフ四重奏団)に続く録音で選集ボックスの一部になる。ショスタコーヴィチ四重奏団の録音に似ていて(音もよく似ている・・・シシュロ「ス」なのか??)、やや1stが弱いけれども、オーソドックスに聴ける印象。前半楽章はやや平凡か。三楽章が速くダイナミックで面白い。四楽章はよく揃っていて、これはほんとにショスタコ四重奏団にそっくりだ。技術的限界からか装飾音をごまかすような表現があるレニフィル四重奏団にくらべ、このグラズノフ屈指の名楽章の構造的魅力をよく引き出している(むこうはむこうで独特の解釈があり楽しめるが)。立派。○。

グラズノフ:弦楽四重奏曲第5番

○レニングラード・フィル四重奏団(タネーエフ四重奏団)(MELODIYA)LP

グラズノフの室内楽録音は長らくこれ一枚しかなかったが、それほど枚数がはかれなかったために、余り知られないまま今に至っているようである。同楽団はのちにタネーエフ四重奏団となった。技術的に確かに不安定なところがあり、意気軒昂とやってのけるショスタコーヴィチ四重奏団に比べれば聴き劣りするところもあるのだが、高めのピッチにスッキリしたテンポは現代的な印象も与える。細かいルバートはあるし縮緬ヴィブラートも特有のロマンチシズムを演出するのだが、あっさりしすぎと感じるのはとくに最初の二つの楽章だろう。内声部の仕組みがいまいち浮き立ってこずグラズノフの技巧的長所が聞き取りづらいのも難点だ。ただ、4番以降ベートーヴェンらの影響下に晦渋な構造性をしっかり盛り込むようになったグラズノフの、最もボリュームのある緻密なカルテットなだけに、いちいち細かく弾いていては重重になり胃がもたれてしまう。やや粗雑な演奏振りに反して聴き易さは感じた。白眉の三楽章ちょっと遅い四楽章と、ショスタコーヴィチ四重奏団より変わった感じで流れよく聴き終えられる。それにしても何故この曲がマイナーなのか理解できない。スマートな旋律の宝庫。○。

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番

◎プレヴィン指揮ロイヤル・フィル(TELARC)CD

プレヴィンの感傷的な旋律繰りもさることながら、木管が上手い。美しい音色、繊細なアンサンブルどれをとっても一級品。木管ソロが多用されるこの曲にて同オケの魅力が最大限引き出されている。イギリスオケらしい弦楽器の微妙な色彩感の演出、柔らかく張り詰めた音の組み立てがまた素晴らしくよくできている。併録されている「タリス」よりも優しい音楽の、明るさを特に引き出して、きらきらと煌くような音楽はまったく、どの楽器がどうこうというよりも、素晴らしい「交響曲」である。◎。

ジョリヴェ:素敵な恋人たち

○セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R)1962/11/18live

擬古典的な作品で恐らくリュリの歌劇「はでな恋人たち」からの抜粋編曲だと思われる。基本的には古典派の流儀に忠実で、ただ楽器の重ね方が過剰でジョリヴェなりの新鮮さを感じさせるところが僅かに織り交ざる。セルはセルと聴きまごうほど力強く前のめりの演奏を仕掛けている。ジョリヴェ・マジックだろうか。最初ミュンシュかと思った。しかし曲が曲なので、それ以上の感情はとくに沸き立たされなかった。○。

シベリウス:交響曲第3番

○セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R)1946/12/9live

クリーヴランド客演時代の古い記録になる。シベリウスとセルは元々相性がいいということもあるのだが、シェフになって以降の演奏ぶりと少し違った感じで、楽しめる演奏。録音が古いので力強さは伝わりづらいのだが、緊張感がびしびしと漲り、なお前進力と内声からえぐるような底深い表現が、とくに1楽章では聴かれる。3楽章がやや力弱い気もするが相対的なものだろう。この曲自体尻すぼみな形態である。とにかく演奏精度が高い、これは客観的に整えたという以上のものを感じる。○。

ウォルトン:管弦楽のためのパルティータ

○セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R)1968/2/7ボストンlive

筆のすさび系の曲だがスカピーノやヨハネスブルグ祝典序曲系のわかりやすい組曲で旋律美からも一部で人気がある。セルはオケの機能性を活かした迫力のサウンドを繰り出し、旅演ということもあってか緊張感も漲り、内容空疎な面もあるが、楽しめる。

オネゲル:ニガモンの歌

○ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R)1962/4/27live

派手にぶちかますミュンシュ的なかっこいい演奏ではあるが、若干尻すぼみにも感じた。曲の元々の構成とはいえ盛り上がりが前に来てしまい、客席反応も戸惑い気味である。オケは上手い。○。

グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲

○マジェスケ(Vn)セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R)1967/10/6live

国民楽派の楽曲演奏には定評あるセルに対し超絶スタイルで猛烈な演奏を仕掛けるソリストがたまらない。グラズノフのここまで熱い演奏は録音ではなかなか聴けない。それはライヴなりの演奏精度ではあるものの、楽曲の読み込みがしっかりしていて表面的にならない。よくあるつまらない演奏にはけしてならないスタイルなのだ。若手にありがちな技巧だけで突っ走るタイプともまた違う、ロシアロシアしたヴィルトーゾスタイルとも違う、ニュートラルでありながら熱い演奏。セルのバックが丁々発止で第二部への突入がかっこいい。○。

ドビュッシー:カンタータ「放蕩息子」

モイザン、フィネル、マース、フロマン指揮ORTF?(FRENCH BROADCASTING PROGRAM)LP

ドビュッシー初期のローマ大賞受賞作だがボロディンらロシア国民楽派のオリエンタリズムの影響が顕著でドビュッシー独自のものは殆ど浮き立ってこない。清潔なロマンチシズムが感じられるにとどまる。この盤は録音が貧弱で魅力に欠ける。歌唱はともかく管弦楽があく抜きされたようで癖がなさすぎる。無印。オーケストラはパリ室内音楽協会付となっている。

ディーリアス:イルメリン前奏曲

○セル指揮クリーヴランド管弦楽団?(DA:CD-R)1967/10/6live

録音も弱いのだが、客観的に整えた演奏という印象。こじんまりとして何の感傷もなく、すんなり過ぎてしまう。○にはしておくが取り柄のない演奏。

ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲

○フランチェスカッティ(Vn)セル指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R)1968/1/25live

正規盤で出ていたものの無編集盤になるがこれが面白いのだ。やはり協奏曲はライヴ、一期一会の一回!二楽章でメロメロになりながらも気迫で弾き切り、美音がただの音程不安定に陥りあるいはノイズだけになってもなお、この三楽章は名演といっていいだろう。最後クリーヴランドが前につんのめっていく、こんなセルは初めてだ。本人不本意かもしれないがこのスピードがウォルトンには必要なのだ。むろん◎にはならないが、好き。
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