ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲

○アンセルメ指揮シカゴ交響楽団(放送)1968/1/25live

DAで出ていたと思う。貧弱な録音だがさすがシカゴ、鋭い音で呼応しあう木管アンサンブルを楽しめる。このくらい金属質なほうがいい。アンセルメらしい美観。頭でっかちの新古典で、音楽としては過去作品と変わらぬマンネリを感じさせるものだが、この組み合わせならではのシンフォニーの一つの極地であろう。○。
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ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲

○アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(DECCA?)1961/3?

五月の正規録音とほとんど変わらず、音もいいことから恐らくデータ間違いの音源(webで出回っている)。リズムにやや生気がないが、ストラヴィンスキーのもはや骨ばかりとなった作風に忠実に沿った素朴な演奏に聞こえた。

マーラー:連作歌曲集「さすらう若人の歌」

○ディースカウ(B)アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(放送)1959/3/18LIVE

音源はwebに出回っている有名なもの。状態は悪くノイジーだが、ディースカウの声は的確にとらえられている。安定した表現、悪く言えば起伏のない声だが意外と二曲目あたり軽妙にみせている。ナイフは管弦楽の見せ所だがワグナー的な重厚さが面白い。フランスふうのマーラーという評もあるようだがそこまではっきり管弦楽が聞こえないのでなんとも。○。レマン湖市民管弦楽団名義としているものもあるようだ。

プロコフィエフ:ヘブライの主題による序曲

○リヒテル(P)ボロディン四重奏団他(venezia)1951/12/16live・CD

しょうじきライブ録音として聴けば許容範囲だがしょっぱなのテンポのずれ(クラリネット!!)から最後の調子っ外れのトレモロ(ヴァイオリン!!)にいたるまで諸所に軋みが生じている、けして褒められたものではない。ただ速いテンポで突き通し、縦がそろってくるとノリがよく感じられとても楽しい。初期ボロディンQに技術的問題をどうも感じて仕方ないが音色はとてもロマンティックで甘く、厚みがある表現が耳をひく。チェロソロのバックでリリカルにアルペジオを刻むリヒテルの煌びやかな音色にもはっとさせられた。○。

フェルー:弦楽四重奏曲ハ調

○レーヴェングート四重奏団(vox)1960年代・LP

ミヨーとのカップリング。六人組と同世代でフローランの弟子筋の夭折の作曲家兼批評家である。作風は親しかったプーランクよりイベールに似ており、やや保守性をしめし、構造への執心は師匠に近い。ミヨーを思わせる晦渋な響きも聴かれるが、そういった点からも新古典主義というより折衷的作曲家であるように感じる。室内楽に強い作曲家という面があり、フォーレ的な暗い魅力をもつこの晩年作(とはいえ事故死のため死の予感どうこうというのはないが)も非常に鋭敏な感覚でマニアックに作り込んだアンサンブルが印象に残る。ピチカートを織り混ぜた清新な響きの競演はイベールのそれよりも手が込んでいる。リリシズムをたたえたレーヴェングートQの演奏ぶりは、とても上手くまとめているといったふう。技巧的に難しいところも難なく切り抜けている。○。

ミヨー:弦楽四重奏曲第3番

○デュモン=スルー(msp)レーヴェングート四重奏団(vox)1960年代・LP

レーヴェングートらのミヨーはフランス近代の一連のvox録音ではこれだけ、あとはライヴ録音があるのみである(恐らく既記のものだけ)。しかも作風を一変し晦渋な曲想で通した異色作という、溌剌とした技巧的表現を持ち味とした後期レーヴェングートQにはどうにも合わないように感じるのだが、聴いてみれば意外とロマンティックというか、旋律の流れを素直になぞる聴きやすい演奏となっている。シェーンベルクの影響を受けた最初のSQであり歌唱が導入されるのもそのためと思われるが、無調には踏み込んでいない。寧ろ後期サティ的な単純さが感じられる。比較対象が少ないので評は難しいが、透明感ある演奏が重い響きを灰汁抜きして美しい暗さに昇華している、とだけ言っておこう。○。

カリンニコフ:交響曲第1番

○セヴィツキー指揮インディアナポリス交響楽団(RCA)1943・SP

同曲最古の録音として知られるが、カリマニアにはほとんど看過されている代物。でもどう聴いても相対的に悪い演奏には思えない。とくに1楽章はトスカニーニをしのぐ迫力のある高速演奏で特筆できる。トスカニーニは大した録音を残していないから同じような芸風として楽しめる。プロオケの正規録音にしては走り過ぎ流れすぎだけれど昭和初期の演奏なんてそんなものだ。中間楽章はちゃんとしてはいるが平凡。4楽章が序奏後テンポを遅く整えてしまう演奏はよくあるが、この演奏もそのとおりでクライマックスまでいかないとフォルムの崩れた攻撃性は現れてこない。でも悪くはない。繰り返すが、無視するほど悪い演奏ではない。webに音源が出回っているがノイズリダクトされたなるべくいい音でどうぞ。○。

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

○マゼール指揮NYP(NYP)2005/6/22-25live

NYPサイトから有料配信されているチクルスの中の一つ。相変わらず「壮大な」マーラーなわけで、弛緩とはいわないものの余りに遅すぎてついていけない部分がいくつかあるし、何故かきちんと(失礼)悲劇的ぽい気のあおり方をしている場面ももちろんある。きほん「詰まらない系」の悲劇的ではあるが、響きは的確で、「マーラー的なるもの」の本質をよく浮き彫りにしている。「ああ、マーラーの音ってこうだよね」ということを思い出させる。中声部の空疎な響き、半音階的な進行の中で微妙な不協和音の醸す特異性、そういった部分部分の再現へのこだわりはある。デフォルメに過ぎるところはあるが、全般はわりと「マーラーに忠実な演奏」だと感じた。1楽章提示部は当然繰り返す。2,3楽章は逆。

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

○アンドラーシュ・リゲティ指揮ハンガリー(テレコム)交響楽団(自主制作)2001/2live・CD

とにかく冒頭からスケルツォまでつんのめるような異常なテンポ。ドラティみたいなドライさはなくウェッティなのが印象に残る。スヴェトラ的な姑息なわざとらしさのない絶妙のロマン性がシェルヒェンにも似た表現主義ばりの起伏を落ち着かせる。一楽章提示部を繰り返しておきながら1から大カット。しかし曲構造のバランスはいい。オーソドックスともいえる3楽章からドラマティックなフィナーレはスピードの違和感も減り、あとはスコアに加えたとおぼしき派手な音を楽しもう。太鼓の音が変。音符の数も多くないか。木槌もずしゃっという重いながらも変な音。ブラスは録音のせいかもしれないが強力。弦は辛いとこも多いが健闘。しかしどういう専制君首指揮者だ?2001年2月だそ。○。次第に盛り上がる拍手に足踏みがローカリズムを感じさせる。これはけして興行主が発見し世界引きずり回すべきじゃないオケだ。技術的にもセンス的にもすばらしいからこそ。あ、誉めすぎた。基本はライヴでこの芸風、今の聴衆にはぐだぐだにきこえよう。1楽章がねえ。振り回しすぎ。。

ピストン:交響曲第2番

○ウッドワース指揮ボストン交響楽団(プライベート?/PASC)1944/4/8・SP

現代音楽シリーズとして出された無名レーベルのSPらしいが、曲が楽しい。コープランドに中欧的な構造を与えたような充実した保守的作風、リズム押しの多かった時代に対し単純な三拍子を分割し組み合わせを変えて変化をくわえ、ほどよい。何人かモデル作曲家を指摘できるが曲はいい、他より陰りがないのがいいから、快楽派閥にはオススメだな。演奏はさすがのボストンである。○。

ミヨー他:創世記組曲

○エドワード・アーノルド(ナレーション)ヤンッセン指揮ロスアンゼルス・ヤンッセン交響楽団、ウッドワース指揮ボストン交響楽団(ARTIST RECORDS/PASC)1945/12/11、ナレのみ1946/6・SP

PRISTINE配信CD化可。大戦末期ヨーロッパよりアメリカ西海岸に避難または移住していた名だたる作曲家たちに恐らく委属され編まれる「プロジェクト」として知られる。往年のキャピトル録音やRCA録音、最近の発掘スコアによる考証版録音の他に、じつはこのような作曲直後の録音(ツギハギだが)があったというのはおどろきだ。作曲家たちは全く統一感なくそれぞれの作風で貫き通しており、旧約を読み上げるナレに惑わされず音楽を聴けば言い当てることは容易だ。ミヨーの作品が聴きやすい。タンスマンも入りやすい。後半テデスコからトッホ、ストラヴィンスキー、シェーンベルクと一気に前衛化しシルクレットなどホルスト的な映画音楽ライクな音楽を軌道修正している。録音は悪い。資料価値で○。

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1911年版)

○コーツ指揮交響楽団(HMV/PASC)1924/10/24、29・SP

これは割りと聴き応えがあり、分厚いオケを鳴らす(もっともこの録音では分厚いオケは使われていないだろうが)コーツの適性とも言うべきものが遺憾なく発揮されていると思う。録音の悪さが足を引っ張るが、リムスキーの音楽から始まったストラヴィンスキーの作曲人生の最初の大花にたいして、やっぱりリムスキーへの師事から本格的に音楽家としてのキャリアを開始したコーツが左右わからずスコア分析だけを拠り所にするような演奏をするわけがない。とても音楽的で、とても雄弁。ただ、少しデリカシーも欲しい。○。

ドビュッシー:組曲「子供の領分」~ゴリウォーグのケークウォーク(管弦楽編曲)

○コーツ指揮交響楽団(HMV/PASC)1932/4/25・SP

まあこんなもんでしょうね。編曲はなかなかかっこいい。木管は上手い。録音が・・・

グリンカ:ルスランとリュドミラ序曲

○コーツ指揮交響楽団(HMV/PASC)1922/5/5・SP

さすがにこの曲ではしくじらない。仮にもプロオケだ。集中力が途切れることなく、コーツ(あ、エリック・コーツという作曲家兼指揮者とは別人です。あちらはエルガーに心酔してましたが、アルバート・コーツはエルガーをないがしろにした話が有名)らしい雄渾な表現ですがすがしく終わる。まあ、どうも速すぎて耳に残らないが。

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」

○コーツ指揮ロンドン交響楽団(HMV/PASC)1927/10/19、24、1928/1/5、2/15・SP

pristine他からweb配信されておりそれぞれのレストアでノイズが除去されているが、電気録音時代のロシア音楽と銘打ったこの仮想アルバムの音源はさすがにどれも聞きづらい。録音のせいだけではなく、オケはメロメロ、指揮は一方的に音楽を押し付け、縦がずれても音揃わなくても構わない、ポルタメントは不規則に入る、、、出来不出来もすごい。この曲は指揮者が得意とした同時代音楽、かつ作曲家と同門(リムスキー・コルサコフ門下生)ということもあってロシア特有の色彩性を引き出すわざには長けているようで、このボロボロな音源でも噎せ返るような管弦楽の華やかさが伝わってくる。但し、前記のとおりメロメロな演奏であり、フルートを除けば全員解雇したい。グズグズである。ぜひ細部の聴き取れないスピーカーで遠くで聞いてほしい。第一印象は押しの強いわくわくするような演奏、というものだったので○はつけておく。何度も聴くとアラは見えてくるものだ。

ボロディン:イーゴリ公~序曲、だったん人の踊り

○コーツ指揮ロンドン交響楽団(HMV/PASC)1926/10/26、1927/10/24・SP

pristine他からweb配信されておりそれぞれのレストアでノイズが除去されているが、電気録音時代のロシア音楽と銘打ったこの仮想アルバムの音源はさすがにどれも聞きづらい。録音のせいだけではなく、オケはメロメロ、指揮は一方的に音楽を押し付け、縦がずれても音揃わなくても構わない、ポルタメントは不規則に入る、、、出来不出来もすごい。韃靼人の踊りはほとんど記憶に残らない。速すぎて耳に残らないのだ。序曲はだるい。グラズノフのオーケストラ丸出しだからだ(序曲は没後に完成され、グラズノフの「記憶」に大部分拠っている)。曲に反し演奏はむしろこっちのほうが及第点だろう。○ぎりぎり。

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

○ドラティ指揮イスラエル・フィル(hilicon)163/10/27live・CD

イスラエル・フィル秘蔵音源のひとつとして正規発売されたもので、ドラティの悲劇的としては初の正規CD化ではないだろうか。しかし、音はかなり悪く、モノラルで音場が狭い、撚れているところがあるなどいわゆる骨董録音好きにしか許容できないような要素満点で、気になるかたには薦めない。演奏自体はいつものドラティにも増して荒れ狂う。つんのめり気味でものすごいテンポをとり、非力なオケをぶんぶん振り回してシェルヒェンのようなばらけかたを見せる場面もある。このオケは弦が美しいはずなのだが、なぜこの曲でこの薄さなのか理解できない。おそらくマイク位置とか単純な別の理由からだろう。いつもより多く揺らしております、というところがもうマーラー好きにはたまらないところもあり、古いスタイルのよさ、というものも感じさせる。わりと全楽章がよいが、しいていえば両端楽章か。○。

ブリッジ:弦楽のための組曲

○ボイド・ニール弦楽合奏団(HMV)1948-49・SP

なかなかに面白い。ちょっとブリテンを思わせる新しさがあり、RVW世代の持っていた柔らかさとは違う、だがウォルトンまではいかない諧謔性を秘めている。合奏団もまったく危うげなく曲を愉しませてくれる。一連のイギリス室内合奏曲録音の中で最も惹かれた。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ディーリアス:アリアとダンス

○ボイド・ニール弦楽合奏団(HMV)1948-49・SP

ディーリアスはドビュッシーを先駆けた等々言われることもあるが思いっきりロマン派の人であり新しい領域に踏み出したというのはあくまでその「個性」という範疇を出ないもの。ディーリアス民謡とでも言うべき儚い旋律と重いハーモニーの連続がここでも物憂げな雰囲気をかもし出しており、ダンスでいきなりテンポが変わったとしても結局ディーリアスでしかない音楽。演奏もディーリアスとしかいえない音楽を提示している。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ホルスト:セントポール組曲

○ボイド・ニール弦楽合奏団(HMV)1948-49・SP

いかにも英国民謡音楽に新古典的な編曲をくわえた職人的な弦楽合奏曲で、終楽章で1楽章が回想される段にいたっては少々飽きる。むろんRVWほどに割り切ってはいないホルストのこと、惑星を思わせる神秘的な和音がひょっと顔を出したり、フランスの一昔前の前衛を思わせる和声をちょっと入れてみたり、わりと若い人に人気があるのがわかる。SPでも素晴らしい録音でこの合奏団の求心力の強さとブレのない技量の高さをちゃんと届けてくれる。web販売されている音源では2楽章の原盤が悪く、そのあたりは何ともいえないが、ノイズ除去すれば十分今でも通用するだろう。○。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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