ディーリアス:ブリッグの定期市

○トーイェ指揮LSO(HMV)1928/2/19・SP

古い録音のわりに繊細な表現をしている。ちょっと版が違うのか後半はロマンチック過ぎる音楽になって古臭さが強いが、この指揮者の個性的ではないが技術的に確かな部分は感じ取ることができる。
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ディーリアス:夜明け前の歌

○バルビローリ指揮新交響楽団(HMV)1929/6/7・SP

才気かん発で若々しいバルビローリを聴くことができる。曲の薄味な雰囲気を活かしつつもロマンチックな味を濃いめに付けてさすがのバルビローリ感がある。

ドビュッシー:弦楽四重奏曲

○レナー四重奏団(COLUMBIA)1928/3/15・SP

ドビュッシーが初期の持ち味であった軽やかな響きにボロディン的な熱気を加え一味違う世界を描き、他の曲とは異なる印象を与える作品。レナーはてんめんとした音表現もさることながらアクセントを強くテンポやリズムを揺らしに揺らして極限までロマンチックな音楽を指向し、恣意性の高さは比類無い。変な演奏だし技術的にもギリギリといった様子だが、勘違い度はヴェーグを思わせるところがあり一回はまると癖になるかもしれない。

ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲

○フレスティエ指揮セント・ソリ管弦楽団他(Ardmore:CD-R/disque francais)1955

「海」とのカップリングでLPで出ていたものの板起こし。オケは臨時編成の録音オケらしい。これが巧い。きらきらするようなフレスティエの色彩的な処理を精密に音にしている。解釈自体は「海」よりも起伏があるように感じたが、「祭」はやはり少し客観的に落ち着き過ぎか。○。

ドビュッシー:三つの交響的エスキース「海」

○フレスティエ指揮セント・ソリ管弦楽団(GRANDSLAM/disque francais)1955/9/25・CD

CD復刻では幻想とカップリングされているが音質差がかなり感じられこちらは貧弱なモノラル板起こしで針音もブツブツ入る。ただ、他でDFのカップリングの通り夜想曲と組み合わされている音源を聴くと似たようなものなのでこれは板起こしとしてはまずまず、なのだろう。演奏はかなり明晰で、速いインテンポでさっそうと進む場面が多く、対してオケの細部まで配慮が行き届き細かい音までも粒立てて決して曖昧にしない意志が感じられ聴いていて心地よい。粘るタイプのミュンシュとはまったく異なる、これぞフランス式というようなものだ。派手な解釈はないのでそういうものを求める向きには薦めないが、ドビュッシーの紡ぐ精妙な色彩変化こそを楽しみたい向きにはうってつけだろう。まあ、ラッパは下品だが。○。

ドビュッシー:三つの交響的エスキース「海」

○カンテルリ指揮フィルハーモニア管弦楽団(ica)1954/9/9エジンバラlive・CD

せっかちで咳込むような表現が気になる箇所も多いがトスカニーニ的なカンタービレに、重々しい響きと精緻なアンサンブルをプラスして独自の「海」を聴かせている。意外と直線的でもなく即興ふうの揺らしが感情に訴えて来てラストは盛大なブラヴォ。ドビュッシーの繊細さは録音の悪さもあって望めないが、なかなかロマンチックに楽しめる。○。

ドビュッシー:神秘劇「聖セバスティアンの殉教」組曲

○カンテルリ指揮フィルハーモニア管弦楽団(ica)1954/9/9エジンバラlive・CD

カンテッリの同曲録音は他にもあるがこれは初出ではないか。意外と重厚な響きでスクリアビン的な音楽に仕立てているのが面白い。スマート、精緻もしくは直情的といったカンテッリの様式のどれとも異なる印象で、トスカニーニとのスタイルの違いを改めて認識させる。交響的断章版だがこれが歌唱が入るとまた違ってきただろう。○。

ルーセル:バレエ組曲「くもの饗宴」

○パレー指揮デトロイト交響楽団(TOWERRECORD、MERCURY)CD

モノラルで古いせいかCD復刻の遅れた音源で、パレーのルーセルとしてはへ調の組曲とこの二つしか遺されていないそうである。ここでのパレーはミュンシュにくらべ全体のスピード感やリズムのキレは弱いように感じる。響きの美麗で清潔なところはミュンシュよりもよりルーセル前期の核心を衝いており、ロザンタールを想起するところもあった。時々スピードを上げすぎてオケに危うさを感じる部分もある半面、これぞパレーの「ギリギリの魅力」なのだと思うところもある。いつもの一本調子の即物性をそれほど感じさせないが、そのぶん曲の精妙な魅力は出ている。対してルーセルらしい重い響きは強調されず聴き易くなっている。食い足りないルーセルファンもいそうだが。パレーは日本ではマニアに人気の指揮者であるが海外での評価はイマイチぱっとしないように思う。録音に対する評価はともかく。こういう指揮者は実演向きであるのかもしれない。

サン・サーンス:死の舞踏

○ミュンシュ指揮ACO(DUTTON)1948/9/15・CD

オケ上手い。カラカラと鳴り粒立ったリズムが気を煽る。重厚にならずに色彩的な響きを振り撒く好演。

ルーセル:小組曲

○ミュンシュ指揮パリ音楽院管弦楽団(DUTTON他)1946/10/9・CD

ややカイジュウさを帯びた小品で、喜遊的ながら影もあるオーバード、特有の不協和な響きをもつ長いパストラレ、そして重々しくも華麗なマスカレードと、連続して演奏されるルーセル後期を煮染めたような曲。尻すぼみの終わり方も4番交響曲を想起する謎めいたもの。ミュンシュはその中に楽天性を見出だしロマンチックな音楽に昇華させている。オケは色彩的でよい。

ルーセル:へ調の組曲

○ミュンシュ指揮LPO(DUTTON)1947/6/2・CD

録音が悪いのとオケが中庸で派手さが無いところが惜しいが、ミュンシュには珍しく?対位構造をはっきり浮き彫りにして立体的な音楽を聴かせる3楽章などなかなかのもの。ブラスが抑制的であったりノリが前に向かわないのは気になるが、程よい演奏ではないか。

ルーセル:バレエ音楽「くもの饗宴」

○ミュンシュ指揮LPO(DUTTON)1947/6/6・CD

ミュンシュの蜘蛛の饗宴があるとは知らなかった。ルーセルの第一人者といっていいミュンシュによるルーセル集をDUTTONの復刻にて聴けるというのは喜びである。オケがロンドン・フィルというのも珍しい。同オケにてへ調の組曲も収録されている。音色、色彩感ではフランスオケに負けるかもしれないが、軽やかさや精妙さには欠けていない。むしろ技術的なメリットのほうが大きく、ミュンシュの激しいドライブを吸収し完璧に表現している。解釈的にはねっとりした序奏部からもうミュンシュ節、しかし晩年のようなテンポの沈滞や歪みはなく、めくるめくダンスとリリカルな音楽の意外なほど美麗できらきらしたさまは楽しい。まあ、ミュンシュのロマン性は強く、重いと感じる向きもあるかもしれない。モノラルの古い録音のせいもあるか。ミュンシュの古いラヴェル録音を想いおこせば、そういう演奏である。

ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲〜�.雲

○モリナーリ指揮聖チェチリア音楽院管弦楽団(SCO)1942・CD

独特のバランスでアクセントをきかせがしっ、がしっと組み上げていくさまが面白い。牧神にくらべエキサイティング。牧神も翻って聴けばアクセントがしっかりして清々しかった。録音悪い。モリナーリはローマの松初演で有名だがパリで海を振った際ドビュッシーに大絶賛されたという。

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

○モリナーリ指揮聖チェチリア音楽院管弦楽団(SCO)1942・CD

ソリストには古めかしい表現もきかれるが比較的さらさらした演奏で解釈に奇をてらったところがなく、安定した印象を受ける。細かいところには技術的問題も感じさせる一方で雰囲気を保つ細心の注意がはかられ、色彩感ゆたかだ。じつに牧神らしい演奏。録音が悪いのが惜しい。

エルガー:エニグマ変奏曲

○ロスバウト指揮ケルン放送交響楽団(en larmes:CD-R)1953・CD

スタジオ録音か。それにしては音がぱっとしない(ロスバウト録音はいずれもモノラルでぱっとせず、損をしている)。イギリスにしては中欧的な作曲家エルガーの重量感ある響きをドイツ臭く再現するのではなく、ボールト的なバランス感覚のある演奏に仕立てている。音も重すぎず曲の包蔵する柔らかさを損なっていない。壮大でも壮麗でもないが、きちっとした演奏。

ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」

○ストコフスキ指揮レニングラード・フィル、アルヒポーワ(msp)(venezia)live・CD

なかなかの凄演。ストコのロシア公演は外しが無いが、レニフィルの技術と迫力が存分に引き出され、またストコ特有の拡散的な響きがここでは目立たず、求心的で聴きごたえのある音楽に仕上がっている。歌唱も迫力があり、チェロソロもよいが、ヴァイオリンソロは少し音程があやふや。これもまたロシアか。録音が悪いので○。
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