シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番

○ウィルコミルスカ(Vn)ヴィット指揮カトヴィツェ・ポーランド国立放送交響楽団(放送)1991live

ウィウコミルスカの腕がまったく衰えず、ライヴなりの荒さ(音にならない激しい発音など)はあるが、なかなかの凄演。この曲の懐深さも感じさせる演奏で、スクリアビンやフランス印象派の影響下にありながらも前衛的で怜悧な響きにより「凍れる熱気」をバンバン放つ楽曲とあって、協奏曲と言うより協奏的交響曲のような壮麗なものに仕立てて秀逸だ。なかなか巧緻なオケである。○。
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シリル・スコット:ホーンパイプとシャンティ

◯ストコフスキ指揮ハリウッドボウル交響楽団(scc:CD-R)1946/7/21live

カッコイイです。ガランタからグレインジャーと民族舞踏の末にこの焦燥感を映画音楽的な聞き易さで濾過したような派手な曲、オケはお疲れ様だ。しかし、このオケがまたつかれない。弦はよく聞こえない部分もあるので細部はわからないが管打はキラキラしている。印象派を映画音楽に転嫁した音楽は気持ち悪いわけはない。客席反応は普通だが、楽しめた。

パーシー・グレインジャー:デンマーク民謡組曲

◯作曲家(P)ストコフスキ指揮ハリウッドボウル交響楽団(scc:CD-R)1946/7/21live

洒落たピアニズムを発揮する人なのに曲はどこか野暮ったさがあるなあ。。これはもう非常に音が悪く、よれ過ぎだが、ピアノがカッコイイ。張りがあり、不協和音がアメリカ的な都会味を持ち込んで洒落ている。でもやっぱり民謡なんですよね。。ストコフスキーは伴奏スタイルで颯爽と振り、個性は出していない。

コダーイ:ガランタ舞曲

ストコフスキ指揮ハリウッドボウル交響楽団(scc:CD-R)1946/7/21live

67年前の録音を前に何を言ってるんだかとふと思うが、録音が悪い。この曲は旋律的ではなくリズムとスピードなので、ストコフスキーの良さを出すには似つかわしくない部分もあろうし、そもそも私はこの曲の良さがわからない。オケはやる気あるし上手いし、ライブなりの迫力もあるが、雑味も味になってるが、、無印。

ブラームス:交響曲第1番

◎カサルス指揮プエルト・リコ・カザルス音楽祭管弦楽団(GRANDSLAM他)1963/5/31live・CD

度肝を抜かれた。フルヴェン以来の衝撃の名演だった。むろん、弦が物凄い。音色もアンサンブルも表情付けも素晴らしい、しかも独特の色が付いている、ここが肝心だ。カザルスの指揮は集中力がハンパないことはいつものこととして、この手垢まみれの曲をこう独自の表現で、感情のうねりをぶつけて来られると圧倒されまくり。一楽章でまずそのテヌート気味の音の連射にやられ、恐らく一番の聴かせどころである二楽章でのドルチッシモな法悦。三楽章は軽く流すが四楽章ではアゴーギグ弄り倒してなおテンポは突き進み、弦だけでなくブラスの迫力もそうとうなもの。全て演奏レベルもそこそこありアンサンブルに問題はない。これはフラブラ仕方なしか。◎!

マーラー:交響曲第4番

○ロジェストヴェンスカヤ (Sp)エリアスベルク指揮ソヴィエト国立交響楽団(great musicians of palmira du nord/MUSIC ONLINE)1954/10/19live・CD

ソヴィエト国家を代表するオケならでは、さすが。レニフィル同様出来不出来の差がある(二軍の存在はともかく)同じロシアオケなれど、ソリスト級の奏者を揃えてなお強固な合奏力と強力な表現力を兼ね備えることのできた時代の「幸福なほうの記録」の一つといえよう。ライヴだから決して期待しすぎてはいけないが、世評よりずっといい演奏、まさにマーラーらしい演奏であると感じた。ソリストも強力で危なげなく、二楽章のコンマスは調弦を下げているとは思えない安定した音で歌っている。歌いまくらせる、という指揮者ではないのでその点は注意だけれども、レニフィル二軍と演奏する時とは違って、颯爽とした解釈がちゃんとオケに反映され、それが西欧的な香りをすら漂わせ、一部にみられるロシア式の特殊な音色すら余り気にならない。中間楽章がとくに出来がいい。母ロジェストも悪くない歌唱である。エリアスベルクの芸風の代表例にあげていいうちの一枚である。一点、この人の録音は中声部以下で聴こえるべきところで聴こえなかったり聴こえづらかったりする音がよくある。この演奏でも録音バランスの悪さは感じた。古い録音なので、その点も割り引いてください。もしくは、割り足して聴いて。

ワグナー:ジークフリート牧歌

○エリアスベルク指揮ソヴィエト国立交響楽団(melodiya)1976/4/19・LP

オケが違うとこうも違うか、と思わせるところがこの指揮者にはあって、そういうものはLPやCDになっているので、それなりの理由もあってのメディア化なのだなあ、と思うことしきり。放送音源と銘打って海賊盤化したりネット配信されたりするものには余り当たりが無い。これも颯爽としたテンポで若干前のめりに進むエリアスベルクらしい解釈に、オケがすべらかに載って音色以外は中欧的な洗練された演奏となっている。迫力のある表現、強弱の付け方の巧さ、それらが過度にならずかといって中庸とも言えない。静かな場面でのぴりっとした空気も意外とはまっている。○。

デュカス:ヴィラネル

◯ブレイン(hrn)ムーア(P)(EMI他)CD

適度な現代性が和声にあらわれていて面白い曲ではあるのだが旋律をホルンが吹く必然性は曲的には余り無いように思った。演奏レベルは言わずもがなだが個人的にはムーアのピアノも若々しくて良かった。

ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲

◯エリアスベルク指揮レニングラード交響楽団、合唱団(放送)1962live

なかなか感情の入る演奏だがロシア式デロデロというわけでもなく、ドビュッシーの表現になっている。立体構造があきらかでシレーヌの無歌詞合唱との絡み合いは生々しくも美しい。録音は悪いが◯。

ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲

○カッチェン(P)ケルテス指揮LSO(decca)1968/11・CD

美しいソリストだ。ミスタッチも無く、かといってフランスフランスした演奏とも違い、ちょっと東欧や北欧的なところがある。ケルテスはけっこう熱い。だがスタジオ録音のせいか暴走も無く、演奏的には印象的な場面はいくつもあるが、総じては特長をあげづらい部分もある。いい演奏ではある。○。

ラヴェル:ピアノ協奏曲

ツァーク(P)コンドラシン指揮レニングラード交響楽団(放送)1963/1/10(20?)live

もう最初から無茶苦茶。オケのソリストが落ちまくりでガタガタ、ツァークもミス連発で何の曲やってんだかわからないほどひどい一楽章。二楽章はツァークのぶっきらぼうさが曲のとつとつとした情景にあってきて、三楽章は機関銃のような演奏様式が(あいかわらずニュアンスは無いしテンポは暴走だしミスもあるが)曲とシンクロしてくる。しかしここでオケの弱さがまたも露呈。怖がって前に出ようとしない管楽ソリストとか、もうなんていうか。二軍オケですよ。ツァークのぶっきらぼうさはもう早く終わりたいと思ってるとしか思えない。無印。

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

◯マルティノン指揮ORTF(EMI)CD

ソロよりも管弦楽の総体に重点が置かれたような演奏で、しょうじきソリストたちの音はびっくりするくらい感情が無いのだが、弦などは醒めてはいながらもきっちり付けられたアーティキュレーションに従いよくうねり、やはり合奏部に特長のある演奏と言える。律し過ぎた演奏ということなのかもしれない。

ドビュッシー:英雄の子守歌(管弦楽編)

◯マルティノン指揮ORTF(EMI)CD

神秘的な暗さをはらんだ幻想曲で、重い曲も好んでやったマルティノンの芸風はとても適している。変にロマンティックにも変に茫洋ともさせず、リアルな音を保ったまま、曲の示す響きによってのみ幻想を描き出してゆく。これは良かった。曲の背景にも合っている。

ドビュッシー:スコットランド風行進曲(管弦楽編)

◯マルティノン指揮ORTF(EMI)CD

春など思わせる楽想も折り混ざる生硬な曲で、演奏も鈍くささを感じさせてしまうくらい曲に引っ張られているのだが、音色はいい。やはり初期作品の編曲ということで響きが重いながらも、まるで後代のドビュッシーフォロワーの英国作曲家の作品のような、民謡主題と新鮮な和声のミスマッチが楽しい。演奏的にはまあまあ。

ラヴェル:ツィガーヌ

◯グトニコフ(Vn)A.ヤンソンス指揮レニングラード交響楽団(放送)1960s

正直、太くて荒いソリストなのだが、後半オケを煽ってドライブする力はなかなかのもので、父ヤンソンスは多彩なレパートリーを持っていたせいかここでも色彩的でどこか南欧的な風味を出していて秀逸。レニフィルの二軍とは思えない丁々発止のやりとりを楽しめる。ただ、モノラルで音が良くない。

グラズノフ:交響曲第7番「田園」

◯エリアスベルク指揮レニングラード交響楽団(?)1965/11/11live・LP

二軍オケが全般的に弱すぎてどうにもこうにもこの難曲を乗り切ってない(フィナーレ最後ブラスの印象的なフレーズがごっそり落ちてるのにはがっくり)。ただエリアスベルクの速めで余り揺れないテンポはそれはそれで面白く聴けるところがある。仕掛けの多い曲は変に揺らさないほうがいいのだ。まあ、そうじゃないと弾けないオケなのかもしれないが。集中力もあり、アーティキュレーション付けの面白い部分も3楽章など散見され、指揮者の個性も垣間見える。ライヴだからしょうがないか、という点も勘案して○はつけられるだろう。この指揮者はリズム感が良い。

グラズノフ:祝典序曲

◯エリアスベルク指揮レニングラード交響楽団(?)1965/11/11live・LP

音外しやテンポがもたつくところもあるが、リズム感はよく、歌いどころは過度にならない程度に歌い込み、オケの力不足か感情を揺り動かす音にはなっていないが、ちょっと鄙びた風情のグラズノフを聴くのも一興かと思う。グラズノフの作曲の腕が光る曲である一方難度もあるのでテンポが前に向かわないのか。悪くはないが。。◯。

リムスキー・コルサコフ:歌劇「サトコ」~抜粋

◯エリアスベルク指揮レニングラード交響楽団(ペテルブルグ放送)1963?

派手な響きだがメリク・パシャーエフのように集中力を程よく保ってオリエンタルな音画を魅せる。

ベートーヴェン:交響曲第9番~Ⅰ抜粋

◯エリアスベルク指揮レニングラード交響楽団(ペテルブルグ放送)1963?

冒頭から二箇所アナウンスを重ねてのごく一部の抜粋のため評はできない。しっかりした勢いのある演奏のようだ。全曲は1974/12/10のライヴがネット配信されていた。

ストラヴィンスキー:バレエ曲「火の鳥」~フィナーレ抜粋(編)

◯エリアスベルク指揮アンドレーフ・フォーク・オーケストラ(ペテルブルグ放送)1970/10/7live

マンドリンだかバンジョーだかツィンバロンだかが前面に出た非常に面白い編曲によるものだが、ごく一部の抜粋なので演奏評はできない。エリヤスベルグと表記されるが原語では確かエリヤズベルクと発音されると思う。私は折衷的にエリヤスベルクと書いていたが、ググった結果、エリアスベルクと統一しておく。
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