マーラー:交響曲第2番「復活」

○クレンペラー指揮ウィーン・フィル他、ヴィシネフスカヤ(Sp)レッスル・マイダン(Msp)(M&A他)1963/6/21live・CD

近年M&Aで集成された盤には良好なリマスタリングの施されたものが収録されているが、撚れなど聞きづらさを感じさせるところが依然ある。決して良好とは言えないモノラル録音。同盤では拍手カット。演奏はさっさと進みあっというまに原光、終楽章もどんどんテンポがあがってインテンポで突き進んで終了する、50年代まで特徴的だったクレンペラー式即物解釈が依然聴かれる。クレンペラーの復活はかなり数があり、時期によってテンポ設定が極度に変化するがこれはまだ壮年期の解釈を残している。だから、ちょっと物足りない。安定感に裏づけされた力感はあるのに、つんのめって終わるような尻切れ的な印象がどうも・・・である。後年の威容を誇る解釈まではまだ数年の時間がいるということなのだろう。ウィーンのオケを使っているところもまた評価できない。ウィーンふうの横ベクトルの音楽とクレンペラーの縦ベクトルの音楽が、結局前者に流され中途半端になってしまっている。若干の甘さが音以外にアンサンブルにも散見される・・・もちろんクレンペラー的には、だが。歌唱は特に癖もなく素直に聴ける。それほど取り立てて言うほどの演奏ではないが、いちおう○。昔tahraの何かの盤に、当時出ていたクレンペラーの復活の録音時期と録音時間による比較表がついていた。まあ、単純に長くなっていくだけであるが。
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