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チャイコフスキー:交響曲第6番

○テンシュテット指揮フィラデルフィア管弦楽団("0""0""0"classics:CD-R,memories)1989/1/13live(1982?)

正攻法の演奏。フィラ管と特に意識しなくても楽しめる。弦楽の巧さは1楽章緩徐主題が二度目に出てきたあとのプレストの激しい動きや、3楽章の(定番ではあるが)第二主題で発揮される。フィラ管というとブラスだと思うがそれはあるていど予想していたせいか余り際立って聞こえなかった。総合的にはしっかりした構築性が感じられるというか、内声部を明瞭に弾かせて(吹かせて&叩かせて)立体的な音響作りに成功しているが、比較的流れがスムーズで自然な響きが得られており声部間に隙間が入るような感じも人工的な感じもせず、ドイツドイツした四角張った演奏にはなっていない。これはプラスととってもいいが、面白さというか個性という面ではマイナスととることもできる。1楽章冒頭あたりのソロ楽器の表現は念を押すような発声がいかにもこの人らしい。クレンペラーなどによく聞かれる表現様式である。クレンペラーといえばワルツがうまくないが、この演奏でも2楽章は愉悦感がなく面白くない。心なしかオケも下手である。

このテンシュテット唯一といわれる演奏記録の評の中には、「分裂症的な演奏」という言葉も見られるが、元々非常に分裂症的な曲であり、この程度では全然普通である。分裂症的というのはシェルヒェンのようなあらゆるパラメータの極端なコントラストをつける芸風をいうのだ(といってもシェルヒェンの悲愴はそうではないけど)。

聞き所としては前記の3楽章とともに(3楽章の最後で盛大なブラヴォー拍手が入るのは流れ上カットしてほしかったが)4楽章のダイナミックな感情変化を挙げておくべきか。引き裂かれた感情を表現する第一主題のヴァイオリン二声部間の音符の受け渡しについては通常の楽器配置のため全く聞き取れず、前半はそれほどそそられないが、第二主題からの感情の高ぶりは慟哭と言ってもいい物凄い迫力だ。ちょっとスケールの無い個人的な嘆きの歌という感触ではあるが揺さぶられる音楽ではある。激しさのあまり「これって緩徐楽章だよな・・・」とも思ったが、個性的な表現はないものの、聞き所ではある。

ちなみに販売されたものとしてはCD-R盤が初出で、1982年のライヴとされていた。最近復活した海賊盤レーベルMEMORIESは名目上はイタリア盤であるがどうやら日本向けにアジアで生産されている模様で(盤面には台湾製とある)、カルロス・クライバーやチェリ、テンシュテットなどのCD-Rによる放送ライヴ海賊盤が非常にヒットしたのを受けて、ほぼその丸写しをCDフォーマットで再発するという形で最近(2005年前半)続々と新譜を出しつづけている。CD-Rに比べ良心的な値段ではあるが、たとえばこの盤、レーベル裏面に書いてある録音時間が不正確で(プレイヤーが読み取る時間はCD-R盤と全く一緒なのに)CD-R盤と異なる演奏であるかのような印象をあたえる。余り良心的な態度とはいえず、げんに大手ショップでは扱われていない。モラルを捨てても聞きたいというマニアには嬉しい復刻もあり、またCD-Rの再発レーベルとみなされているわりには完全初出や放送マスターからのコピーと称するものも含まれているので、いちがいには否定できないが、いずれ消える可能性が高いので、目にしたら注意してみられるとよい。
AUTHOR: が URL: DATE: 06/24/2008 12:45:27 チャイコフスキー:交響曲第6番
私はこの盤がすごく気に入ってるんだよね
これが良い録音だったら決定盤だったのに
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チャイコフスキー 交響曲第6番

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