ミャスコフスキー:交響曲第15番(1933ー34)

○コンドラシン指揮モスクワ放送交響楽団(AUDIOPHILE)1963 この作品は晩年のわかりやすいものとは少し異なる。音線やハーモニー(特に弦楽器の重厚な響)にはミャスコフスキー特有のものが現れているが、茫洋とし捉えづらい旋律は「らしくない」がゆえ逆に新鮮。グラズノフを思わせる常套的な描写もみられるが、1楽章の夢幻的な音風景は特筆もの。この特異性はあきらかにスクリアビン以降のものだ。全編突出した印象はないものの、よいものをきいたという聴後感を残す佳品である。特に終楽章後半ブラスの清々しい響きはすこぶる抜けが良くアメリカ的と思えるほどだ。出色。無論これらコンドラシンの引き締まった棒によるところが大きい。音が野太で微妙なニュアンスに欠けるところもあるが、これを他の大味な指揮者で聞いたら、「凡作」と書かざるを得なかったかもしれない。こんなマイナー作品でもオケの表現意欲をぐいぐいと引き出すことができるとは、やはり侮れない指揮者だ。,
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