ミヨー:交響曲第2番

ツィピーヌ指揮パリ音楽院管弦楽団(EMI)モノラル

ミヨーというと複調性(多調性)の代名詞。あまりに多用するところも含めて一般人の許容できる範囲は一歩越えていると思う。この曲でも重層的に異なる調性が存在する箇所が多い。新古典主義に立ちながらも構造的に入り組んだところは少なく、オルガン的に単純に響き続けるため、ダイレクトに好悪をわかつ。慣れてしまえばミヨーの個性として許容できるが、こういうところは「現代音楽に慣れる訓練」に近い。そういっておきながらこれはかなり穏健な方。牧歌的な主題が支配的であり、晦渋さはほとんど現れないから、入門的な位置づけに置ける。「ミヨーの牧歌」は洗練された民謡というか、ヴァイオリンの高音がきらめきプロヴァンスの陽光を思わせるとても人好きするものである。

ツィピーヌは一部で人気がある。私にはぱっとしない印象がある。同時代音楽ばかり録音したので、繊細な響きや構造が聴き取れないと問題にならないとすれば、ほとんどがモノラルなこの人には不利ではある(デゾルミエールにも言える)。あるいは伴奏が多く日陰のイメージもあるか。この録音は骨董音源をフランスEMIが集成したシリーズに復刻されているが、同シリーズの多くと同じく余りいい音ではない。開放的なミヨーにとって、このような「閉塞的な音」はとりわけ不利でもある。どうかもっといい音で聴いてほしい。

ミヨーの交響曲は数は多いが円熟期以降に書かれたもので1番からしてほぼ組曲であり、この曲も5楽章制で構成的に盛り上げが考えられていないというか、終わり方もばつっと切れるだけ。まとまりという面では4番など一部を除きあまりうまくはない。ただ、自著でも述べていたように大事にしていた「メロディ」という点では満点。
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