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グラズノフ:幻想曲「海」

セレブリエル指揮ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団(warner)2008/6/4-6・CD

グラズノフの交響詩は他の分野の作品に比べそれぞれが個性的で聴き応えがある。これは冒頭から明らかにワグナーの指輪を下地にしており(グラズノフは圧倒的な音楽体験の記憶を自らの作風に上手に取り込んでいったが、大抵はそれとわからないくらいこなれているので、このような露骨な書法の引用は珍しい)、そこに徐々に自らの旋律要素や構造への見識を取り込んでいくが、ラストに近づくまで余りその香りをさせない。それがスクリアビン的ですらあるというか、西欧的な印象を与える。これと比べれば西欧折衷派と呼ばれるモスクワ楽派すら臭すぎると思えるほどである。描写的表現、その方法と効果は前時代的な単純さを示すが、グラズノフの全盛期は19世紀である、その時代において~1890年代前後~これは必ずしも古臭くはない。ついで言えばこれはゴリゴリの民族音楽(スラヴ・カルテット)をも書いていた時期の作品なのである、この人の柔軟で多彩な才能がわかる。ここでセレブリエルの演奏、イギリスオケの中性的で透明感のある音、安定した技術のうえでこの曲はさらに灰汁抜きをされ、早いテンポをとることによりまるで喜びの島とかあのへんの次世代のフランス音楽家(グラズノフはのちにフランスで客死する、ロシア語以外ではフランス語のみ使った、ラヴェルと同じ新作発表会に曲を出していたくらいであった)のきらびやかな音詩のかもすものにきわめて近いイマジネーションを、ロシアの泥に足を取られること一切なく掻き立てられる。なかなかの名演。
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