チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第2番

ベートーヴェン四重奏団(Aprelevka)1939・SP

音が細く不安定なのは録音状態のせいでそう聞こえるだけだろう。懐かしい色ではあるがこれはまさにロシアのカルテットの音である。ロシア往年のカルテット、と言われて想起するイメージはこれなのだ。正しく鋭い発音ときちんと四本のバランスの良い、確かなアンサンブルは今の耳でもそこそこ聴けるものになっているが、時代がかったアピールもしっかりある解釈表現で、これだけやれれば同時代ソヴィエトでは並ぶものなかったろう。2番は1番ほど安直に訴えるものはないが、円熟した技巧の反映された聴きごたえのある曲。魅力的な民謡旋律(ないし変則リズム)にもあふれ、3番のように発想の貧困さを感じさせたり、技巧のみに走ったようなところはなく、ストレートであるべきところはストレートに訴えかけてくる。グラズノフの4,5番への影響は相当にある(特に憂愁の・・・やたら長い・・・3楽章)が、ふとした移調の浮遊感など垢抜けて美しく、チャイコならではのものだ。4楽章はチャイコのカルテットでは瑞逸の楽章で、構造的でよくできており、後期交響曲を思わせる。何より主題がカッコいい。第二主題はチャイコの「生み出した」五指に入る名旋律だろう。この録音はマイクが楽団からやや遠く、アンサンブルの迫力の面で少し残念な部分もあるが、中間部のチャイコ得意のフーガはホールの響きの中で綺麗に融合している。楽曲の部分としてのフーガはこうしっかりやらないと次の展開に魅力をつなげられない。コーダはあまりに管弦楽的発想の過ぎた仰々しすぎる音楽で少々足りないのは曲のせい。しっかりアッチェルして細かく終わる。
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