スクリアビン:交響曲第5番「プロメテ~火の詩」

アルベルト指揮ORTF&cho(ina配信)1971/6/9放送 live

ルドルフ・アルベルトはセント・ソリのレコードがやたらマニアに聴かれていて、ところがACCORDがいきなり廉価復刻したらワゴンに直行、しかも比較的新しい人というイメージで、マニアだからいくつか持ってはいるが、印象に強く残るものはなかった(プレートルについても同じイメージがあった)。名前のイメージからか職人的でフランスの演奏に期待される響きが引き出せない人のような気がしていた。そう、期待していなかったので驚いた。最初の神秘和音の美しさ!重心を敢えて軽く、粘り気なく響かせ(それでもしっかり調和している)、そのうえでこの色彩感!このオケではロザンタールが得意としたカラフルな管弦楽の饗宴。ロザンタールの雑な部分は無く、まあそのぶん個性は薄まっているのかもしれないが、でも、気づかせてくれたことは、この曲は短い音符が要ということだ。ソリスト不詳なのは完全に融和的な演奏だからで、そのような扱いで良かったのだ(終演後の反応からして名のある人ではあると思う)。パラパラと胡麻を撒くように高い音を散らし、分厚い和音をユニゾンでただ動かしていくようなスクリャービンのやり方をそのまま音にするだけではいかにも、ロシアロシアした泥臭さが残ってしまう、そのあたりに動きを出し、だからといって協奏曲的な大仰なやり取りをするとまた古臭くなってしまう、ここをピアニストはまったく声部の一つとして「管弦楽を動かす」ことに専念し、取り出して聴けば生硬で冷たく感じるかもしれないが、そこがじつにオケの志向とあっている。交響曲と言いながらピアノとトランペットのための協奏曲を書いたと言えなくもないショスタコチックなこの曲を、ピアノとトランペット主体ではなく、たとえば弦のピチカート、たとえば鉄琴、そのへんのやはり「胡麻を撒くような音」によって響きの拡散性を強く印象付けたり、そういったことをやって、まったくフランス的な~スクリャービンもそういう表現を求めたろう~夢幻的で、決してどぎつくない音楽を仕上げている。褒めすぎたが、同じことをダラダラ書いてるだけなので、全世界で100万人はいると思われるプロメテウスファンは一度聴いてみてほしい。リヒテル/スヴェトラコンビとは対極にある。明るいスクリャービン。合唱が入ったら「シレーヌ」かと思った。ちょっといじってるかも。案外保守的な聴衆は戸惑い気味な拍手から始まる。
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