ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲~リハーサル

ミュンシュ指揮日本フィル(EXTON)1962/12/28東京文化会館live・CD

同日の幻想交響曲本番とその終楽章の僅かなリハ断片に引き続き、おそらくほぼ全部が収録されている。当初エアチェック音源という情報があったが(文化放送「東急ゴールデンコンサート」)当の放送用録音(ステレオ)を担当していた故若林駿介氏ご自身の所持されていたテープで、放送局に残って無い以上、これを唯一のマスターと考えていいものと思われる。他に同一放送のエアチェック音源がなく、これ自体記載データも万全ではなく、聴くと撚れており、エンジニアとして元からこの音質で残したというわけはなく、個人的にエアチェックで残しておいた、そのテープが少し劣化したという経緯は推察できる。前置きは長くなったが、幻想交響曲はともかくラヴェルは当時(フランスでさえ)慣れているオケは限られていたと思われ、ミュンシュ相手だからこそ懸命に頑張った結果ここまでもってきてリハにのぞんだ(ほぼ全楽章が聴ける)オケは素晴らしい。一、二はソリスト(ここではフルートが素晴らしい)を中心とした歌謡性に満ちた楽章で、ミュンシュはもちろん歌いながらオケの表情を「煽る」。この段階(当日)ではほぼ止まって直すようなことにはなっておらず、ミュンシュも要所要所を確認しながら先へすすめる。それにしてもボストン時代のミュンシュのそれを彷彿とさせるのはこのオケの特質なのか素晴らしさなのか。固くてやや冷たくも、充実した響きはボストン交響楽団を思わせる。弦楽器の力強さにも感銘を受けた。歌では済まない「全員の踊り」はさすがに各所に乱れがきたされるが、想定内だったのだろう、ほとんどそのまま終わりまで持っていく。ミュンシュらしくなくテンポが停滞するのは、客演オケ相手に時間が無いところスピードアップをその場で無理と判断したのか、当日のゲネプロだから本番まがいの疲れるようなことはさせないということなのか、どちらであろうか。いずれにせよ、最終音を粘りに粘らせることはしっかりやって、私は老人だからよろしくね、と笑わせて終わる。鬼のような指揮のあとにこれをやるのである。いずれにせよミュンシュがハンガリーなどで客演したものと比べて遜色ない演奏であったことは予測される。本番記録は残っていない。本番会場の幸運な皆さまの頭の中にのみ残っているのだ。
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