グレチャニノフ:ミサ・エキュメニカ

クレンコ(sp)ヘイズ(t)他、クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団(アーサー・フィードラー合唱指揮)(SLS)1944/2/26アメリカ放送初演live

キリスト教統一運動という主題のせいか、素材はロシアのものをはじめとしていろいろ取り入れながらも個性の臭気を放つことなく平易で、同時代のイギリスの作曲家のオラトリオをすら彷彿とさせる。1860年代生まれの帝政ロシア出身、モスクワとペテルブルク両派の流れを汲んだ作曲家でありながら、国を脱出し流転のここにきてはロシア国民楽派のどんより重いロマンチシズムも変な主張も感じられない。規模は大きいが前期グリエールやラフマニノフのように凝ったような、気張ったところがない。長さもほどほどで、聴きやすく爽快ですらある力作だ。

ただ録音は悪い。戦中の録音で、手を余り加えていない発掘音源ということで、珍しくはないが、同曲の美質も演奏陣のメリットも正直、あまり伝わってこない。アメリカに居を落ち着け、長生した作曲家は新古典主義やモダニズムの影響も受けているのだが、クーセヴィツキーも同じようにロシアからアメリカにわたり当時の前衛作品に取り組んできた人であるものの、そういった共感性よりは職人的な捌きというか、正直下振りがしっかり作った音楽を振ったような感じというか、他の珍曲指揮記録同様のそつない感じが強かった。まあ、この音ではそのくらいしか語れない。え、これで終わり?と肩透かしを喰らったのはミサ曲という形式的な音楽にシンフォニー的な盛り上がりを求めた私が悪い。聴衆反応はごく普通。
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