コープランド:劇場のための音楽

作曲家指揮小管弦楽協会(SLS)1958/12/15live

コープランドの作品では比較的よく演奏される組曲で、バーンスタインも二度録音している。時期によらずコープランドの作風は晦渋で先鋭なものと平易で一般受けしそうなものに二分されるが、これはどちらかといえば後者だろう。恐ろしい若者と評された20代の作品であるにもかかわらず後年の著名作品にみられるようなダンスチックな楽しく複雑なリズム、厚いブラス(冒頭ファンファーレはコープランドが得意とするところか)、木管の込み入ったやりとり、ジャズの昇華(途中唐突にクラリネットがラプソディインブルー張りに入ってくるがこれは台本的なものに基づくのだろう)、明るくフランス六人組風の響き(一楽章などに前期特有の尖鋭晦渋なものは残るが)、いずれも聴衆受けしたであろうことは想像に難くない。クーセヴィツキーの庇護した作曲家の中でもこの人は同時代アメリカ作曲家がただ高尚な音楽を志向するあまり似たような晦渋な響きを前面に出してしまう中、それを残しつつ大衆性もその個性において獲得した点で才能のレベル差を感じる。ライヒテントリットもまだクーセヴィツキーが現役の時代の著作にてコープランドについてはかなりの紙数を割いている。コープランド自演についてはストラヴィンスキー自演のようなもの、と書けばその様子はわかるだろう。きびしく杓子定規のリズム指示に楽団がバラけるところなど、ああ、、、と思ってしまう。でもモノラルでそれほど良くない録音なのに伝わってくる響きの透明感からは、コープランドが(この作品では繊細かつ多少複雑ではあるが)新鮮で明瞭な和声を自身の作風の中核をなすものとしてこだわっていたことが伺える。SLSにしてはノイズレスで情報量が多く良好な状態。まあ、演奏的には好きな人は聴けばいい程度のかんじ。
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