コープランド:交響曲第3番

作曲家指揮ORTF(ina配信他)コープランドフェスティバル1955/5/28live(29放送)

Amazon配信のものは同じ音源。ひたすら自演、長いコンサートで、直前のクラリネット協奏曲はストラヴィンスキー的な骨張った構造、簡潔な管弦楽に「アメリカンジャズ」のコープランド流「崩し」のリズム要素を取り入れ、六人組風の明快な和声をもってまとめた、作曲家の非常に出自のわかりやすい作品で面白いが(エボニーコンチェルトを意図的に真似ているのは明白)、このメインプロ、動画サイトにイギリスのユースオケによるプロムスライヴがあがっているので一見してほしいが、とにかくどでかく、分厚く、それなのにラヴェル的な意味で煩雑ではなく、剥き出しの声部同士が「込み入って」いるから、これだけやったあとに最後に演るのは無理がある。各楽器への要求レベルの高さ、とくにリズムについて、ORTFはとても苦労している。ブラスなど、とくにトランペットなど、アメリカオケを想定した凄まじく技巧的で力強さを要求する書き方に太刀打ちできない場面が多発、地獄のようである。分厚いのに細かなアンサンブルを要求される弦もなかなか地獄である。フランスオケの明るくカラフルで開放的なひびきはそもそもブーランジェの教えを受けたコープランドの和声にはあっていて、アメリカオケの力は強いが整いすぎた音色のひびきよりも耳を惹く。むしろそれだけがこの事故だらけの演奏で魅力となっている。コープランドの指揮は時期的にまだ若いせいもあってか、揺れは無いものの無機質ではなくそれなりに音楽的な流れを作れている。最後をあまり引き伸ばさずさらりと流すテンポ設定はこれはこれでかっこいい。ゴツゴツしていないのは木管の少し低めの響きが音を丸めているせいもあるか。いいとこなしのオケにあって、木管の魅力が唯一、さすが定評あるところをみせている。庶民のためのファンファーレを拡大した終楽章は他の楽章にもまして冗長感があるものだが、なぜか楽しく聞き通せた。クラシックを聴いているというより、プログレッシブロックを聴いている錯覚に陥った。しっかり盛り上がりを作ることもなく構成感も大してないのに、これは作曲家指揮の魔力か。とにかく、動画サイトにてとてつもないブラスの編成を見てから、ORTFが用意できた楽器の数を想像しつつ、同情を持って聴いてほしい。さすがに録音は古くこもって、良いとは言えない。当然時期的にモノラル。
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