プーランク:2台ピアノのための協奏曲

ホイットマン&ローウェ(P)ミトロプーロス指揮RCA交響楽団(RCA/nickson)1947/12/15・CD

戦後同時代のデュオ曲をよく演ったコンビによる正規録音で、nicksonの板起こしは状態が良く音像が安定して聴きやすい(2016/11現在現役)。オケはミネアポリスよりは良くNYPよりは落ちるが(僅か反応が鈍いように思う)、まずはこの二人の演奏を聴かせる録音なのでそこは二の次だろう。基本的には強い打鍵でミスのない、この時代のアメリカで活躍したピアニストらしいスタイルだが、弱音表現も美しく想像力のあるところを見せ、流して弾くことはない。多彩な音が出せるコンビだ。曲は色んな素材をモザイク状に、分裂症的に配置したプーランクらしいもので、楽想・響きの唐突な変化に奇矯な印象もあたえるが、これをどうさばけるかで奏者の適性や柔軟性が問われるといったもので、その点は実によく出来ている、自然に楽しめる。ミトロプーロスの分厚くも律せられたバックのおかげもあるだろう。二楽章のエチュード風の主題からの映画音楽的な展開はソリスト(デュオ)のセンスあふれるニュアンスを全体に巧く組み込んで秀逸。三楽章の色んなパロディなどを混ぜ込んだ変奏曲はスピードで押し切るのも1つの手で、この盤がそれをやっているかはともかく、それに近いものはあり、曲慣れしていなくても違和感を感じさせない類のものだ。六人組を体現する世俗性とフランス音楽の伝統を受け継ぐ繊細な美観が同居するプーランクの世界は、特有の響きや書法をなぞるだけでは再現が難しいところもあると思うし、自作自演ですら意図通り上手くできているか怪しいものだが、これこそピアニストの解釈と「センス」に依るところもあり、この盤はその点は問題無い。曲の起伏に従い大仰な表現をすれば気を煽る音楽は出来上がるものではない、ということにも気付かされるだろう。一本筋の通った、曲を知らない人にも勧められる演奏。
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