ケクラン:ピアノと管弦楽のためのバラード

ブルーノ・リグット(P)アレクサンドル・ミラ指揮モンテカルロ・フィル(EMI)1982/6/15-23・CD

印象派とは繊細な和声のうつろいの醸す雰囲気を大事にしながらも、横の流れが重視される音楽と理解している。その意味でケックランは本質的に印象派の作曲家であり、バッハの研究や新しい音響への探求も怠らなかったとはいえ、1860年代生まれという時代性を感じさせずにおれない。この作品は題名に象徴される通りいくぶんにフォーレの影響下にはあり、冒頭からピアノに旋律的な要素が強いが、次第に雰囲気音楽に呑まれ、静謐な世界に溶け込んでいくように終わる。なかなかの耳触りのよさはあるが、後代のアメリカアカデミズムの作曲家たち・・・フランスの教師陣に教えを受けた者を含む・・・に似た「無個性さ」も否定できない。派手さがないのでまずもって演目にあがることはなく、ケクランが(自作において)いかに自分の世界に忠実で、自分のやりたいようにやっていたかがわかる曲となっている。教師として著名なリグットがソリストを受け持っているが、指揮者ともどもまだ若年期にあったせいか、少し深みが足りないようにも思う。ドビュッシーの「アッシャー家」断片など秘曲を紹介した「フランス音楽のエスプリ」シリーズの古いCDで、そういう意図からか時間をかけてゆっくり作った感じがしない。録音状態が決して良くはなく、とりわけ静謐な作品においては今なら環境雑音は極力除去されたことだろう。併録は「7人のスター交響曲」。
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