プロコフィエフ:交響曲第7番「青春」

オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(columbia/sony)1953/4/26・CD

復刻盤CDについて。モノラル末期のセッション録音にもかかわらず、不安定で粗雑な録音であることは信じ難い。オーマンディがこの時期(ないしそれから現代に復刻されるまで)にそういう扱いであったことは仕方のないことだが、西側初演の大成功で同曲の認知度を一気に上げた功労者であり、シベリウス同様作曲家の国においても多大な支持を受けた指揮者の、この原盤保存状態は理解できない。同時期に同曲の別の大指揮者盤があったならいざ知らず、これはまったく同傾向のライヴ録音を残しているミュンシュ同様、米国において政治的なものが背後にあることを勘ぐらせる。想像で補って書くしかないほど荒れた録音ではあるが、各声部がいちように非常に強力に発音しているのが印象的で、膨れて鳴りすぎるほどであり、シャープさよりボリュームを重視したアンサンブルは古風な感もあるが、この旋律的でハーモニーも構造もさほど複雑ではない曲については問題ない。力感で押し切るのは前記のミュンシュと同じものがあるが特徴的なのはひたすら素っ気なくインテンポで進めるところで、その速さの中に要素を緻密に詰め込んでいる。同曲のしっとりした旋律をひとつひとつ慈しむように楽しむより、数珠繋ぎの楽想の奔流に流されるのが良い聴き方なのだろう。三楽章など、余裕しゃくしゃくなところは気になるが、構造的な部分も明確に立体的にひびかせ、メロディやハーモニー、リズムだけではない、管弦楽の楽しさを伝えることも怠っていない。全般メリハリのハリしかないところはあるが、職人的な上手さ、オケの力強さを楽しむには、何とかなっている録音である。
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