ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

ブライロフスキー(P)ホルダ指揮サンフランシスコ交響楽団(RCA/tower)1958/5/1・CD

ステレオ初期らしく左右の分離がはっきりしすぎて、左から聴こえるピアノに最初は違和感をおぼえるが、明晰な録音。独特の解釈と呼ばれるものは確かにあろうが醒めた音で一貫して安定した速いテンポをとり、からっとした印象もある。冒頭から少し和音をずらしたような表現はラフマニノフ自身に見出されたピアニストとしては邪道なやり方かもしれないが変なドラマが煽られず古典的な佇まいすら感じさせる。その他テンポ変化やアクセントの付け方が唐突なところはあるがこの時代のプロの演じる協奏曲という側面をかんがみると特筆するほどの弱点には感じられない。むしろ面白い。発音は明瞭、ごく一部を除きバランスは完璧で残響や指の都合で音楽が濁ることは全く無い。オケは言われるほど悪くない。一楽章はむしろ瑕疵もなく主張がソリストと噛み合い全体としてドラマを盛り上げる。二楽章(これも他の同時代奏者とくらべ特別変な情感がこもっているようには感じない、音色は一貫して明るくテンポはかなり安定しているほうだ)は弦の音色表現がもう少し欲しいが、それはそれでソリストとは調和している。三楽章はオケが強く出て、ソリストが少し後ろに引っ張っている感もある。ここにきて内声まで音が全部出すぎて僅か不格好になっている。テンポは緩まないが緩徐主題ではボリュームが感じられる。楽曲の全体構成を考えたような人工的なテンポ操作が顕著になってきて、法悦的に緩いテンポから特に第一主題の再現変奏に入ると異様なアッチェルが瞬間的にかかり、そのままものすごいテンポにソリストものりまくった、と思いきや若干乱れてきたようにも思ったが録音のせいか。このへんを面白く変化つけて演奏してくれると単純な旋律音楽も楽しめるというもので、決して可もなく不可もなくではない、立派に大きな波を起こしていくオケにむしろ支えられるようにソリストも(たしかに音が浅くて低音の響きがイマイチだから弱く浅薄に聞こえるかもしれないが)融和的な表現からフィナーレ感を出してきて、ちゃんと終わる。一時期比較されたというホロヴィッツを私はあまり聴いていないが、高音の質はホロヴィッツに近いものも感じた。
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