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ラヴェル:連作歌曲集「博物誌」

バルビエ(msp)ロザンタール指揮ORTF(ina配信)1976/10/6放送 live

万華鏡のように作曲技巧を尽くした伴奏をもつ抒情詩で、曲間の性格分けは楽想においても書法においてもあまりに明確である。表出力の強さはルナールにしては大袈裟と言わざるを得ず、俳句をオペラに翻案したような不格好さはある。簡潔さが売りの原作をここまで作り込んでしまうか、想像力をスポイルするくらい完璧な描写を持ち込んでしまうか、しかしたんに歌としての魅力はどれも途方もなく大きくて、それと意識せず純粋な歌曲だけのものと楽しむべきなのは何もラヴェルだけの現象ではない(マーラーにおける李白はどうなってしまうのか)。「かわせみ」にかいまみえる沈潜はドビュッシーあるいはそれ以前のフランス音楽へのオマージュをおもわせずにおれないが、響きや単純性にヴォーン・ウィリアムズの自然主義を想起させられて、よく考えたらラヴェルに教授されたのはこの曲の直後であった。演奏はロザンタールによくぞこの明晰かつ情感ある録音が残っていてくれたものだ、そしてソリストの歌唱も表情豊かであると同時に適度な品格を保っており、なかなかの名演となっている。
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