フランク:弦楽四重奏曲

インターナショナル四重奏団(HMV)SP

ラヴェルや六人組と同時期に同レーベル専属のように録音を行っていた団体で、かなりの手練れである。同時期に録音を残したカルテットとしては非常に円熟しており(スペンサーダイクなんて屁だ)、ノイズやSP特有の痩せた音に耐えられる方なら技術的に全く問題の無い、かつ音楽的にも充実した聴後感を得られるだろう。ロンドンやレーヴェングート等後発と比肩しうる完成度。ラヴェル録音についてはオーストリーのガリミールを診たのと同じくこちらも監修記載があり、フランス音楽の精妙な響きと微細な変化を再現する腕は既に確認できる。そして曲によりスタイルも変えてくる。循環主題を用いながら古典的な4楽章制をとり、型式上の整合性を重視したところもあるのかもしれないが50分もの時間がかかる大曲で普通は途中で飽きるものを、こんな音質なのに、まずはフランクのソナタでも発揮されたメロディメイカーとしての能力が全面的に発揮されているところをしっかりとらえ、主として前期ロマン派の楽曲構造からの研究成果をそのものと受け止めて「聴こえるように」作りこみ(メロディ重視の団体・録音にはこれができない)、さらにこれが重要だがフランクを近代フランス音楽の雄として特徴づける和声的な進歩「揺らぎ」をきちんと聴かせてくる。経過的用法ゆえ過度にもならずカルテット形態の構造的面白味の障壁になっていない。フランクとフォーレは急進はしなかったが個性の内側に「フランスの作曲家としての」和声要素を配置した作曲家と勝手に思っているのだけれど、この悪音ですらその展開の新鮮さに耳をうばわれる。この曲で飽きない者はいないと思われる。だがインターナショナル四重奏団は全方位的な完成度によって飽きさせない。少なくとも私はそう思った。ところでフランクとブルックナーもなぜか私の中では同じ位置にいるんだよなあ。
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