シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番

ツェートマイヤー(Vn)ラトル指揮バーミンガム市立交響楽団(EMI)CD

シマノフスキといえばラトルの一連のEMI録音であったが今やワーナーで二束三文で販売される始末である。ラトルがまだ若い時期の演奏にみられる生乾き感(特殊な曲ばかりをやっていたせいもある)はまだあるように思う。ソリストは線の細い音で始めのうちはオケ負けするところがあり、曲のせいか録音エンジニアのせいかわからないが(譜面を見る限り曲のせいということもないだろう)バランスがあまりよくない。解釈ははじめは固いと思ったが、カデンツ前ですでに独特の揺らしを入れてきて、これまた丁寧過ぎるオケも法悦的な芳醇なひびきを醸すようになる。民族派に至る前の、スクリアビンからの流れをつぐシマノフスキという作曲家の立ち位置をしっかり示しているところがラトルらしい。派手な第二部ではソリストは徒に譜面づらを強調することなく音量的にも引いた感じで進めていくが、この音量バランスもまた録音のせい、ステレオの分離など違う要素に起因するものかもしれない。オケは明晰にシマノフスキの簡潔だが不可思議な構造、怜悧な中にも燃えるような響きを描き出す。ソリストが細く旋律を奏でる下の、むしろオケにほどこされた周到な書法の面白みが実感できるところは特筆できる。フィナーレに向かって依然ソリストは同じ音色で音量も派手に変化しないが、オケが包み込むように大きな世界観を出してきているため、他の録音と聴き劣りはしない。こんなにスケール感の出せる曲だったのか、という、協奏曲というより協奏的交響曲のような演奏。てそれ交響曲第四番(ピアノ協奏曲風)の別題だって。
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