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ミヨー:エクスの謝肉祭(バレエ音楽「サラド」よりピアノと管弦楽のための幻想曲)

ボジャンキーノ(P)マデルナ指揮ローマRAI交響楽団(arkadia)1960/12/23live・CD

ミヨーがアメリカ大陸、とりわけブラジル音楽から得た素材を料理した曲中ではかなりクラシカルな意味で個性的に出来上がった作品だと思う。旋律やリズムを浅薄に取り入れるだけではなく自分の性向、とくに響きの独自の感覚と照らし合わせ、曲によっては確かに「本筋のミヨー」として聴ける(後半は「屋根の上の牛」的なまんまラテン音楽をなぞっただけのようなものが目立つ)。ヴァイオリンを中心に各楽器を達者に弾けた人だそうで、ピアノを使わせると言いたいことを簡潔にスカッと示してくれるから、分かりやすさもある(「家庭のミューズ」に似た美しい曲も現れる)。12の極めて短い楽章は「タンゴ」といった即物的な表題をもつが、本来それぞれ特徴的な道化師ふうの名前に割り当てており(サティ的だ)、対照的な性格をスパッスパッと短くあらわしていく。皮肉も含む作品であることも考慮しないと浅薄な印象のみ残るおそれもある。原曲の「サラダ」はまずもって演奏録音されないが、ラヴェルがただでさえ多作のミヨーの示した「新味」の多様性に、同じく新しい響きを目指す自らの寡作を嘆いた話が本に出てくる。この演奏は「輸入音楽」ではなくミヨー側に寄せた演奏に聴こえる。楽章の即物的性格よりも響く音の鋭敏さ、雑然とした特有の魅力が、確かな指で遊びを交えず先導するソリストのもと抽象的に引き出され、提示されている。ゆえ地味だったり遊びがなさすぎるなど批判もあり得るが、私はこれがしっくり来た。どうしてもただの世俗音楽の翻案にすぎない楽章は眉をひそめてしまうが、三分の一の曲はマデルナにブヨブヨした部分を削ぎ落とされ明確なフォルムを与えられており、最良と考える。この曲が(屋根の上の牛同様)嫌いな向きにはすすめられる。なぜかオケが上手い。敏捷でピアノにピタリとつける。マデルナが変なことをしないからだろう。ハッキリした演奏なので勧められる。録音も明晰なほうではないか。
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