ドビュッシー:チェロ・ソナタ

マレシャル(Vc)リリ・ビアンヴニュ(P)(meloclassic)1948/11/7パリ、フランス放送スタジオ録音・CD

マレシャルは戦前来日し録音も残っているフランスの伝説的なチェリストである。1910年代には活動を開始しラムルー管の首席を皮切りにソロ級プレイヤーとして名を馳せた。第一次大戦で勲章を貰ったというから実際の生没年より印象的には「昔の」演奏家である。録音も50年代が限界で、教師のち引退という道は型どおりである。これも残念ながらノイジーで録音状態が悪く、演奏的にも練られた感はなく即興性が感じられる。既に衰えが始まっていたと思しきところがある。

ナレーションからいきなりぞんざいに始まるピアノの音に違和感を覚える。マレシャルも荒い。曲が形をなしてくると、依然音は荒々しいものの、極めて意志的な表現が同曲にひそむ魔術的な存在を引きずり出し、強いインパクトを与える。ピアノは残響を使わず一歩引いて落ち着いたアンサンブルをこうじることに専念するようになる。僅か10分の三楽章制の曲は後半アタッカで繋がって勢いづいていくが、起伏が大きく名技性も含み聴かせどころが多いから、ほぼライヴ録音のような精度であっても強引な持って行き方に、押し流されたところで心地悪くはない。構成感より指の赴くままに突っ走るそのスピードの速さ、ガシガシした音表現は少し昔ながらの名匠たるところを聴かせる。その意味で特徴的な演奏。フランス的な音と言えなくもないが、上品な演奏ではない。
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