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ディーリアス:別れの歌

サージェント指揮ロイヤル・フィル、王立合唱ソサエティ(EMI)1965版・CD

何度も何度も復刻されている名盤、ディーリアス晩年の大規模な合唱曲である。米国詩人ホイットマンの草の葉から「告別の歌」5曲、原文を読まずとも内容はそのものズバリ、大地と自然すべてのものへの惜別であるから、ググれば一部訳文も出ては来るが、曲だけ聴いてもよくわかるし、正直歌詞が聞き取れなくても気持ちがわかるくらいに詠嘆しっぱなしで、むしろ詩は曲に合わせて作られたのではないかとすら思うかもしれない。特定の人間との生々しい別離ではなく自然の中に自ずとあらわれた別れのことばを描写したホイットマン、これは船出の姿でディーリアス自身も海を好んだと言われるが、英語で書けばマーラーの大地の歌「告別」とおんなじになってしまうものの、自己憐憫だの陶酔だのとは隔絶している。唯一諦念を感じさせるピアニッシモは共通するかもしれないが、ディーリアスの半音階は決して諦めを示してはいない。その人生の中に現れて消えたドビュッシーの語法をすら取り込むスケールの大きな世界の中で、ひたすらに眼前にあふれる美と、それとの別れを惜しむのみだ。眼前に見えている「はず」の美。当然作曲はフェンビーが手伝っていると思われるが、他の晩年作と比べて幾分まだ壮年期の力が残っているというか、ただただ旋律、ただただ和声のずれ落ちていくだけ、というわけではない。一時期おなじく晩年作の「夏の歌」にハマった私だが、あれはかなり単純化された音楽で規模も小さく演奏次第というところもある。こちらは原詩の存在によりディーリアス自身に残る強い「あこがれ」の意志が具体性を帯びてフェンビーに伝わり、ダイレクトに音となっているのだ。そうして、誰が聴いても感傷を負うことを余儀なくされる、そういったものではないか。サージェントは手際の良さというよりも合唱団やオケの持つ輝かしい響きが既に曲の性向に合っているとしてそのまま丁寧にまとめ上げている。今や古びた音かもしれないが初演者であるという感情もそこはかとなく感じられる演奏である(サージェントにそのての感傷は似合わないが)。
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