マーラー:交響曲第3番

ラーション(A)スヴェトラーノフ指揮スウェーデン放送交響楽団他(WME)1999live

スヴェトラーノフはマーラーをレパートリーとしていて、手兵国立響を率いて九番を演った頃は「日本人に馴染みのないマーラーを教えてやる」(1990年代にもかかわらず!)というような調子で、バーンスタインを尊敬していたということからも、また晩年N響で7番などをやったこともあるように、大曲志向などという言葉にとどまらない好感を持っていたのだろう。壮年期の力感や破天荒な表現は退行し、この曲の最後もいつもの「引き伸ばし」はするが音量や表現の起伏は付けられていない。だが円熟した解釈を常に明瞭な発声で表現させていくさまはマーラー指揮者と言ってもいいくらいしっかりしたもので、地に足の付いた演奏である。牙の抜けたロシア国立とのチクルスしか正規の全集が残っていないのは残念で(最初の九番の評も良くなかった)、全集くらいでないと演奏されない三番が第二の手兵と言えそうなスウェーデンの手練れ楽団とのコンビで音盤化されたのは歓迎されるべきことだ。じっさいバランスの良さ、解釈の浸透ぶりはロシアのものとは比べ物にならない。自身の指揮方法の変化や穏健な解釈への変化(相対的にはけして穏健ではない)があったにせよ、マニアックではなくニュートラルに聴けるスヴェトラーノフというのはそれだけで真価を問えるもので価値がある。この曲のほとんどの魅力は両端楽章にこめられているが、一楽章は期待に違わぬハッキリした演奏でいちいち発音の頭が強く、わかりやすい。シェルヒェンをちょっと思い出させるが歌心というか横の流れも程よく、晩年陥った響きへの過度なこだわりもない。終楽章でオケがバテたのかうねるような感情表現までいたらず、平凡な印象なのは残念。少年合唱の音程が少し。。全般に聴く価値あり。
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